Interview

訪問看護ステーションあんど

管理者/看護師
浅沼 節子 さん

※バージョンアップなどによる、画面の変更がある場合がございます。

「本当にこんなに大きな災害が身近なところで起きるんだな」って。本当にまさかって…

被災時の状況について(※被災時はiBow 未導入)

訪問看護ステーションあんど 被災時の状況について(※被災時はiBow 未導入) 平成30年7月豪雨災害  岡山県真備町

平成30年7月豪雨災害  岡山県真備町

次々堤防が決壊して、地域の1/3ぐらいが浸水。1番深い所は5m以上で車の屋根も全然見えないぐらい、ステーションも天井まで完全に浸かっていました。
うちのステーションが紙カルテを使っており、その日、電話当番の職員も避難指示が出ていたので利用者さんの情報が入った当番ファイル(紙カルテ)と携帯電話を持って、一旦避難しました。しかし救助されるときに、自衛隊の方に持っていくものは最低限にしてください、極力置いて行ってくださいって言われたらしく、紙カルテだから濡れてはいけないとビニール袋に包み2階の天井裏に入れてボートで避難をしました。
結局、水が引いて、その当番ファイルが私の手元に入ってきたのは被災から5日ぐらい経ってからでした。

次々堤防が決壊して、地域の1/3ぐらいが浸水。1 番深い所は5m以上で車の屋根も全然見えないぐらい 、ステーションも天井まで完全に浸かっていました。

※提供:岡山県

一番困ったのは情報の滅失。
泥にまみれた紙カルテを見て「これ、どう管理していったらいいんだろう」って思いました。

被災後、何が一番大変でしたか

一番困ったのは情報の滅失。泥にまみれた紙カルテを見て「これ、どう管理していったらいいんだろう」って思いました。

最初の一報で「 病院に水が来てる」って聞いた時に「あぁ、もうこれカルテもダメだし、パソコンもサーバー自体を下に置いてたから、あぁもう全部ダメだな」って思いました。
利用者さんの情報がもう全て無くなって、本当に記憶を頼りに安否確認を日曜日の午後(被災の2日後)と月曜日から始めました。
泥にまみれた紙カルテを見た時に「これどうやって利用者さんの情報をまた見ることができるんだろう」って思いましたし、ライフラインが寸断されていたので、炎天下のアスファルトの上でペットボトルの水で1枚1枚、泥を落としながら横で乾かす、っていう作業を繰り返しました。だけど、ボールペンで書いているところなんかはもう滲んじゃって読めなかったです。

無くてはならないし、いつも側にいてくれる、本当に頼りになる、相棒。

iBowを使い始めて、どう変わりましたか

災害への備えとしてICT化(被災の半年後 iBow導入)

実際、iBowを導入したのは被災の翌年1月からでしたが、その年も何個か大きな台風が来ました。
しかし、利用者さんそれぞれの情報はiBowで管理できるので各受け持ちのスタッフがiBowで情報を確認して自宅からでも連絡ができるのはすごく大きかったです。どこからでもアクセスできるのはすごく便利ですし、やはり、セキュリティのところでも すごく安全性は高いなって思っています。とても有効に使えていて、残業自体もすごく減ったと感じています。

実際、iBowを導入したのは被災の翌年1 月からでしたが、その年も何個か大きな台風が来ました。しかし、利用者さんそれぞれの情報はiBowで管理できるので各受け持ちのスタッフがiBowで情報を確認して自宅からでも連絡ができるのはすごく大きかったです。どこからでもアクセスできるのはすごく便利ですし、やはり、セキュリティのところでも すごく安全性は高いなって思っています。とても有効に使えていて、残業自体もすごく減ったと感じています。

※バージョンアップなどによる、画面の変更がある場合がございます。


地震にも対応しないといけないし、水害やコロナ禍においても、独居の方とか高齢者の世帯の方にはiBowから情報を取って連絡させてもらって、今の状況で実際に避難するかどうかとか、避難しますって言った方に翌日連絡を取って、それをiBowの申し送り機能(24時間体制)のところに入れられるので、他のスタッフも情報共有がスムーズにできて、非常にありがたいなって思います。
その場で仕事ができるなって思いますし、情報共有もそれぞれの安全な場所でできるので、訪問看護自体を止めることなく継続できるなって感じます。
ちょっとiBow導入前に後戻りはできないなって思いますね。

訪問看護ステーションあんど
管理者/看護師
浅沼 節子 さん
訪問看護ステーションあんど 管理者 浅沼 節子 さん

2012年10月1日に、地域で唯一の訪問看護ステーションとして開設。
認定看護師を含む、専門性にこだわり正看護師のみで運営。
難病や末期癌等、医療依存度の高い方への支援や介護予防にも取り組み、被災を経験した支援者として、グリーフケアの会や職員の心のケアに力を入れている。
母体は医療法人和陽会まび記念病院。