訪問単価と訪問件数 経営管理指標の考え方①
訪問看護ステーションの経営コラムの第4回目は
経営管理指標の考え方 です。
経営管理指標と聞くと難しく思われるかもしれませんが、
今回は日々の管理で見るべき「一番シンプルな指標」についてお伝えします!
【過去の記事】
シリーズ① 情報提供療養費について
シリーズ② 介護保険施設への訪問看護
シリーズ③ 利用者獲得のための営業戦略
1.経営管理の基本は
訪問看護ステーションの経営管理をどのように行っているでしょうか。
経営管理というと、中・長期戦略や資金調達、
株式会社であれば配当金なども考えて・・・
と難しい事が色々と頭を過ぎります。
もちろん全て大切な事ですが、まず日々の管理として、しておかなければならないのが収支の管理です。家計簿と同じ感覚ですね。
訪問看護としての収入がいくらあって、看護師さんたちの給与、事務所の家賃、診療材料などを購入した費用を全て支払えるかどうか、そして賞与や退職金のための積立ができるかどうかをあらかじめ予測しながら日々の管理をすることが大切なのです。
つまり、予算管理です。
訪問看護だけではなく、医療や介護のサービスは、利用者さんによって請求額が異なります。同じ価格のものを売っているだけならば、収入の予測は簡単ですが、「ひとりひとり違うので予測は難しい」と思われがちです。
しかし、一ヶ月のレセプトを計算してやっと収入額がわかる、という状況では、ステーションの経営は後手に回ってしまいます。ある程度の収入予測はしていかなくてはなりません。
月の途中で、「今月は少し請求額が落ち込んでいる」と気づけば、営業に力を入れて訪問件数を増やすという手段をいち早く取ることもできますし、「もうひと頑張り」を後押しする根拠にもなります。
2.単価という考え方
実績を客観的に評価する数値を「指標」と言います。
KPIという表現を目にすることも多いと思いますが、これは「key performance indicator」の略で「業績評価指標」というものです。つまり最終目標を達成するための数値目標です。
訪問看護ステーションの経営管理指標としてはいくつか考えられますが、一番シンプルなものは訪問件数と訪問単価です。
訪問件数は言葉の通り、一ヶ月に何件訪問したかという数値です。
そして訪問単価は1訪問あたりの請求額で、一ヶ月の請求額合計を総訪問件数で除して算出します。逆に考えると、「訪問単価×訪問件数」が一ヶ月の請求額になるという指標です。
自分のステーションの訪問単価が分かっていると、月の途中でも訪問件数を乗することで収入の予測を見ることができます。
ここで注意しなければいけないのは、単価は変動するということです。
訪問単価推移イメージ
訪問看護は利用者さんごとに請求額が異なりますが、そもそも予防、介護、医療で点数が異なります。
同じ100件の訪問でも、すべて医療での訪問の場合と予防での訪問では請求額が大きく違います。
毎月の訪問単価の実績とともに、予防、介護、医療別の単価も管理しておくとより精度の高い予測ができるようになります。
3.予防、介護、医療 バランスを見ていきましょう
自分のステーションの訪問単価を月ごとに管理していくと、予防、介護、医療の割合により単価が変動する様子を見ることができます。
請求区分バランス推移イメージ
訪問件数は看護師さんの数に依存しますので、必要な収入を得るためには、訪問単価が下がりすぎると厳しくなってきます。
加算の算定ができなくなったり、予防での訪問が多くなると単価が下がる要因になります。とはいえ、予防の訪問をお断りすることはできませんし、良い看護をしていると要介護の方もADLが上がり、支援に移行することもあります。
重要なのはバランスです。
自分のステーションにとって最適な予防、介護、医療のバランスを把握しておくためにも、月々の実績の管理を十分に行っておくことをお勧めします。
訪問看護専用電子カルテ「iBow」で、効率的な指標管理が可能。
iBowでは簡単に予防、介護、医療別に実績数値を出力することができます。
月の半ばであっても、その時点での実績を出力することが出来るのはICT化のメリットの一つです。
iBowの「訪問件数詳細表(ST)」機能(2018年9月26日時点)
そのほか、職種別・職員別の訪問回数(予防、介護、医療などの区分に分けて)も
一目でご確認いただける機能となっております。
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