訪問看護ステーション開設マニュアル -立ち上げのポイントや準備事項を確認しよう-

訪問看護ステーション開設マニュアル  -立ち上げのポイントや準備事項を確認しよう-

「こんなステーションを作りたい!」「こんな風に事業を進めていこう!」など熱い思いを胸に訪問看護の立ち上げを思い描いていても、いざ準備を始めてみると何から始めていいのか不安に思っていませんか?特に看護師で起業を考えている方はどのように準備を進めていくか悩んでいる方も多いでしょう。そこで、今回は訪問看護ステーションの開設までに行うべき準備事項について紹介します。

目次

法人を設立する

訪問看護ステーションは個人では開業できず、法人でなければならないので法人を設立しなければなりません。法人は株式会社、有限会社、合同会社、合資会社、医療法人、社会福祉法人、NPO法人など、どのような形態の法人でもOKです。株式会社は信用度が高いというメリットがありますが、設立資金が高いというデメリットもあります。設立資金や目的に応じて法人の種類を選びましょう。

ただし、定款の事業目的欄に「介護保険法に基づく訪問看護事業」と入れる必要があります。すでに法人がある場合は、定款や寄付行為の変更を行い、訪問看護事業所を法人内に登記しましょう。法人を設立したら、必ず社会保険にも加入しましょう。

資金を確保する

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開設に必要な費用

訪問看護立ち上げの際に注意すべきは、訪問を開始して保険請求を行っても、支払いされるのは2カ月後になるため、そこまでは収入がないかもしれないことです。開設当初は訪問件数も少なく、軌道に乗るまでは赤字となります。そこまでの給与支払いや家賃、雑費を含めた額を用意しておかなければなりません。ですので、当面3ヶ月分以上の収入が無くても、運営できるだけの資金を確保しておく必要があります。

訪問看護の運用で必要な費用は設備資金運転資金です。設備資金は、事務所の契約にかかる費用や自動車・自転車などの車両、事務機器等の備品の準備に必要な資金です。運転資金は、家賃、人件費や消耗品などを指します。運転資金とは、訪問看護ステーションで業務を行う上で必要になる「人」や「物」に対する費用のことです。人員基準を満たす必要があるので、最低でも常勤換算2.5人分(例:管理者、常勤看護師1名、非常勤看護師1名分)の給与を、事業が軌道に乗るまでの期間分を見越して用意しておく必要があります。上記すべてを合わせると、訪問看護ステーションを立ち上げには約1,000万円ほどの資金が必要と言われています。その他、訪問看護で必要な費用の詳細についてはこちらの記事を参考にしてください。
> 訪問看護ステーションを開設するのに必要な費用

資金調達

全て個人の資産で賄うことは難しい額かも知れません。
では、必要な初期投資の調達方法はどのようなものがあるでしょうか?
下記2種類が一般的です。

●付き合いのある銀行や信用金庫から融資を受ける
●日本政策金融公庫から創業融資を受ける

その他にも公的機関などからの補助金や助成金もありますので、上手に活用していくと良いでしょう。助成金には会社設立前や従業員雇用前に、手続きをしなくてはならないものもあります。特定の要件に適合する人材の雇い入れ時など人材に関するものや、福祉機器の購入時などに受けられる助成金などがあるので、事前に最寄りの自治体や労働局などに確認をしてみましょう。訪問看護での資金調達についてはこちらの記事を参考にしてください。
> 知っておきたい5つの資金調達!訪問看護ステーションを開業したい、事業拡大したい経営者の方へ!

指定基準を満たす

訪問看護ステーションを開設するには厚生労働省令で定められた指定基準(施設基準・人員基準・運営基準)を満たしていないと、指定申請をすることができません。

訪問看護の施設基準

事業所としての基準を満たす必要があるため申請の時は「事務所」「相談室」「感染予防設備(手洗い場)」が必要になります。事務所と相談室は同じ部屋でも申請が可能ですが、パーテーションなどを用いてスペースを分ける必要があります。また、訪問看護の範囲に応じて看護職員の人数分以上の駐輪場や駐車場を確保する必要があります。

訪問看護の人員基準

訪問看護ステーションの設立にあたり、看護職員として保健師、看護師又は准看護師が常勤換算にて2.5名以上必要です。常勤換算とは、例えば半日勤務の非常勤職員は、常勤職員0.5人と数えて計算します。また、管理者として常勤の保健師または看護師が必要です。(管理者は看護職員を兼ねることもできます。)

例えば、管理者が看護職員を兼ねる場合は、他に常勤換算で1.5人以上の看護職員を確保できれば、訪問看護ステーションを開設することができます。また、必要に応じて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護を実施することができます。訪問看護ステーションを設立するにあたり、以下の表のように職員を集めることが必要です。

職種 要件 資格
管理者 常勤1名
(注1)
看護師、保健師
看護職員 常勤換算で2.5名以上
(注2)(注3)
看護師、准看護師、保健師
理学療法士など 任意 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

ただし、管理者は次の要件を満たす必要があります。

●医療機関における看護、訪問看護または老人保健法第19条の訪問指導の業務に従事した経験のある者

●保健婦助産婦看護師法第14条第3項の規定により業務の停止を命じられ、業務停止期間終了後2年を経過しない者に該当しない者

訪問看護の人員基準の2.5名というのは、それほど難しい基準ではありません。ですので、人員基準を満たすことは容易と言われていますが、看護師の多くは病院で従事しており、訪問看護師を確保しにくいという現状があります。人材確保が必要な場合は、ハローワークなども積極的に活用していきましょう。
(注1)管理者は、看護職員と兼任することも可能です。
(注2)看護職員は1人は常勤職員が必要になります。
(注3)常勤換算とは、常勤の職員を1名とし、半日勤務の非常勤職員は常勤職員0.5人と数えて計算します。

訪問看護の運営基準

訪問看護ではサービス提供困難時の対応や居宅介護支援事業者等との連携・主治の医師との関係、利用料等の受領、指定訪問看護の方針、記録書などの運用基準も定められています。

その他、指定基準に関してはこちらの記事を参考にしてください。
> 訪問看護開業に必要な指定基準を理解しよう!訪問看護の立ち上げを考えていませんか?

指定申請を行う

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指定申請とは、介護事業を行うにあたり、 都道府県、指定都市、中核市、市区町村などに届け出て介護保険法に基づく介護事業者としての指定を受けること をいいます。訪問看護ステーションを開設するにあたり、必ず指定申請が必要となります。

申請書類

揃えなければいけない書類は以下のものがあります。

☑ 指定居宅サービス事業所・指定介護予防サービス事業所 指定申請書
☑ 訪問看護・介護予防訪問看護事業所の指定にかかわる記載事項
☑ 定款のコピー(原本証明が必要です)
☑ 登記事項証明書
☑ 従業者の勤務体制および勤務体制一覧表
☑ 役員名簿
☑ 欠格事由に該当していない旨の誓約書
☑ 組織体系図
☑ 管理者の資格証のコピー
☑ 訪問看護員の資格証のコピー
☑ 事業所の写真(外観・内観)
☑ 事業所の平面図
☑ 事業所の案内地図
☑ 事業所が賃貸である場合はその賃貸借契約書のコピー
☑ 運営規程
☑ 資産の状況を証明する書類
☑ ご利用者の苦情処理を講ずる措置の概要
☑ 損害保険加入を証明する書類
☑ 介護保険給付に係る体制等の状況一覧表

(都道府県もしくは市区町村によっては提出書類が異なる場合があるため必ず確認をしてください)

申請のための書類を全て揃えたら、申請書類を都道府県もしくは市区町村の窓口に提出しましょう。申請の期日や提出場所は管理している都道府県によって異なります。申請をする時は各自治体にお問い合わせください。申請してから申請が下りるまでの期間は半月~1ヵ月です。

設備を整える

訪問看護ステーション開設にあたり、必要な設備の購入・車両や電子カルテの選択なども行っていきます。設備は最初からすべて購入したほうが安くはなりますが、車両・複合機等は金額も高くすべてを現金払いとなると難しくなるケースもままあるので、その場合はリースなども検討しましょう。

なお、金額の高い設備で購入を選択したいという場合は見積もりを複数とってそれを利用すれば融資の際の設備投資の融資の見積もりにも利用できます。融資を受けたい場合は設備の導入前に融資を申し込むことにしないと設備投資後にその設備投資の資金を融資はしてもらえないので要注意です。

事務備品

☑ 事務用デスク 2台以上
☑ 会議用デスク
☑ 椅子 4脚以上
☑ パソコン 2台以上 (レセプトや電子カルテ、経理などの管理のため)
☑ プリンター
☑ 電話機
☑ FAX
☑ 鍵がかかるスチールキャビネット など

感染予防に関する備品

☑ 石鹸や消毒液など手洗い場
☑ 医療廃棄物用のゴミ箱 など

医療品

☑ 体温計
☑ 血液検査機器(血糖測定器など)
☑ 生体現象監視用機器(パルスオキシメーター、血中二酸化炭素濃度測定器)
☑ 生体物理現象検査用機器(簡易心電計、残尿測定器)
☑ チューブ及びカテーテル(胃瘻用、導尿用)
☑ 血圧計、輸液ポンプ、吸引器
☑ 採血、輸血、輸液用器具及び医薬品注入器
☑ 褥瘡関連治療器具
☑ 消毒薬、ガーゼ、使い捨て手袋など
☑ 経管栄養セット など

電子カルテ

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電子カルテを導入することの一つの大きいメリットは、紙カルテを保管しなくて良いということです。特に、小さい訪問看護ステーションですと、カルテの管理のために大きな本棚が必要となり大きなスペースがとられます。加えて、電子カルテを用いることでスタッフ間の連携・申し送りがスムーズになり、結果的に看護の質の向上につながります。電子カルテを導入するときは、訪問先で記録ができるよう、タブレット端末の購入も検討しておくのがおすすめです。訪問看護でのおすすめ機能はこちらの記事を参考にしてみてください。

> 訪問看護ソフトおすすめ機能の1位は?

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> 訪問看護の営業ポイント!知っておきたい営業の基礎や事前準備
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