訪問看護の管理者が知っておきたいスタッフのモチベーション!下がる原因と上げる方法

スタッフのモチベーション下がる原因と上がる方法

仕事をする中で、モチベーションを保つことはとても重要です。スタッフの仕事への取り組み方が変わり、仕事の能率に大きく影響するからです。サービスの質にも影響し、訪問看護ステーションの評判にも響きます。とはいえ、モチベーションの向上は簡単なことではありません。モチベーションは、最終的には訪問看護師一人一人の気持ち次第です。いくらモチベーションが上がる取り組みをしても、個々のニーズに合っていなければ空回りしてしまいます。簡単なことではないからこそ、経営者のマネジメントの見せどころともいえるでしょう。

今回はスタッフのモチベーションが下がる原因とモチベーションを上げる基本的な方法を紹介します。

目次

まずは原因を知ろう!こんな時はモチベーションが下がっているので要注意!

モチベーションを上げるためには、まず下がる原因を知る必要があります。原因が分からないと、いくら改善策を講じても、結果にはつながりません。原因を究明し、それに対する改善策を取ることで、悩みや問題の解決へとつながります。訪問看護師のモチベーション低下となる理由には何があるのか。一つずつ確認をしてみましょう。

 

 人間関係がつらい 

訪問看護に限ったことではありませんが、人間関係の悪化はモチベーションが下がる原因になります。ギスギスした職場は居心地が悪く、仕事を続けるのがつらくなるでしょう。1人で仕事をすることの多い訪問看護師には、職場での人間関係の悩みが少なそうに思えますが、その分、利用者との関係が悩みの種となります。気難しい人だと対応が難しく、気苦労が絶えません。少しの失敗からクレームになることも珍しくはなく、訪問看護師としてくじけそうにもなる人もいるでしょう。

また、利用者やその家族からの暴力やセクハラなどのハラスメントを受けることもあります。厚生労働省が平成30年に調査した結果によると、約700人中55.8%の人が、「これまでに利用者からハラスメントを受けた」と回答しました。利用者家族からのハラスメントは25.8%と利用者からよりは低いですが、それでも4人に1人はハラスメントを受けたと考えると、決して少なくはありません。訪問看護師だからこそ、同僚や上司よりも、利用者やその家族のことで問題を抱えやすいのです。

(※参考) 2019年 厚生労働省「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究報告書」

 

 体力的につらい 

精神的な負担だけではなく、体力的につらいことでもモチベーションは下がります。訪問看護は体を使う仕事が中心で、訪問先に自転車で移動する機会も多いです。風が強い日や雨の日は、特に疲れやすいです。天候の悪い日は特に、体力の消費が大きくなります。「訪問看護は体力仕事だ」と割り切ったとしても、つらいことには変わりありません。さらに記録作業や残業などで忙しいことで十分な休憩が取りにくく、疲労は蓄積していきます。最終的には肉体の限界となり、仕事と思うだけでつらくなる人もいるでしょう。

 

 自分の時間が取れない 

プライベートの時間がうまく取れないことも、モチベーションが下がる原因の一つです。仕事量が多く趣味に時間を割けないと、精神的なストレスがたまります。家族との時間も十分に作れないことから、離職を考える人も少なくはありません。また、業務にはオンコールで呼び出されることもあります。せっかく仕事が終わってゆっくりしているのに、突然仕事で呼び出されたら、気持ちは落ち込むものです。もちろん、オンコールがあれば頑張って仕事をしますが、普段のようなモチベーションは保ちにくいでしょう。このように多忙で精神的な負担が大きいため、モチベーションが下がりやすいのです。

 

 仕事でミスした 

仕事がうまくいかないことでもモチベーションは下がります。手順が悪い、物覚えが悪い、記録作業でミスが目立つなど、失敗が続くと「自分はこの仕事に向かないのでは」とネガティブな感情を持ってしまいます。ミスをすれば上司や利用者から𠮟られます。𠮟られて落ち込んだり自信をなくしたりすることもあります。訪問看護に限ったことではありませんが、失敗に慣れていない新人ほど、仕事のミスによってモチベーションは下がりやすい状態にあります。訪問看護の仕事は、利用者の生活や命に関わります。1人でサービスをすることも相まって、求められる責任感も、ミスしたときのダメージも大きくなります。

このような状態の場合は、スタッフのモチベーションが下がっている可能性があります。休みが取れていないスタッフやミスのスタッフには特に注意しましょう。

取り入れやすいことからはじめよう!スタッフのモチベーションを上げる方法!

当然ですが、スタッフのモチベーションが下がった状態では経営面で問題が出てきます。仕事全体の能率が下がるのはもちろん、離職率も増加するからです。モチベーションは最終的にはスタッフの気持ちに委ねられますが、気持ちを前向きにするには、管理者によるマネジメントも欠かせません。では、どのようにすれば、スタッフのモチベーションを上げられるのでしょうか?方法をいくつか紹介します。

 

 仕事内容を共感する 

最も簡単なストレス解消法として、人と話すことがあります。愚痴や不安を吐き出すことで、ストレスを緩和し仕事を頑張れるようになります。特に、ネガティブな感情に共感してもらえると、気持ちが落ち着きます。「自分だけではなかった」と分かり、うれしくなるでしょう。人によっては仕事の励みになる場合もあります。一緒に仕事をする機会が少ない訪問看護ではありますが、時には食事や飲みの席を設けて、愚痴や不安を聞いてあげると良いかもしれません。

 

 スタッフに目標を持たせる 

スタッフとしての目標を持ってもらうと、モチベーション向上につながります。目標を励みとすることで、嫌なことやつらいことがあっても我慢ができます。目標に向かって一歩ずつ進んでいると実感できれば、モチベーションも下がりにくくなります。目標は訪問看護師に決めさせても良いですが、具体的な目標を経営者から提示してあげるとより効果的です。例えば「利用者からの満足度ランキング」や「遅刻欠勤無し」などです。ランキング1位の人や目標達成した人にちょっとしたボーナスや手当てを付ける、といったように目標に対する対価があるとよりよいです。

 

 業務環境を改善する 

訪問看護師の業務環境を改善することでも、モチベーションは上がります。体力的な負担や精神的な負担が少なくなるよう、業務内容を見直します。方法の一つとして、電子カルテの導入が挙げられます。看護記録を簡単に作成できれば、それだけ休憩時間の確保ができますし、残業を減らせます。面倒で複雑な訪問看護療養費の算定も、ソフトを活用すれば楽になるでしょう。
> 業務環境の改善に!デモンストレーションで訪問看護専用電子カルテ『iBow』の操作をみる

 

他にも、自転車で訪問する人のために電動付きアシスト自転車の導入や、給料を上げて求人を増やすなど、訪問看護師が仕事しやすくなる環境や条件を整えていくと良いでしょう。業務環境の改善は簡単なことではありませんが、難しい分、モチベーションの向上に効果的といえます。コミュニケーションを取って仕事内容の共感をしたり、目標を持たせることはすぐにでも実践できるのでまずは、取り入れやすいことからはじめてみましょう。

まとめ

訪問看護師は、肉体はもちろん精神的負担も大きい職業です。ストレスもたまりやすいことからスタッフたちのモチベーションは下がりやすいです。モチベーションを上げるためには、管理者や上司によるマネジメントが必要です。また、訪問看護師は常に人手不足ですので、離職対策も大切です。モチベーションが高まれば質の高い看護サービスの提供にもつながりますし、訪問看護師がやりがいを感じられれば、離職も抑えられます。マネジメントによるモチベーションの向上は簡単なことではありませんが、紹介した案を参考に、スタッフが満足できる職場環境を目指してみてください。

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