訪問看護でも役立つ!失礼のない断り方~仕事・プライベートで気をつけるポイント~
自分は「断るのが苦手」と感じている人はいませんか?お願いを断ると相手を嫌な気持ちにさせてしまうと考え、苦手なことでも断れない人は多くいます。ですが、時にはお願いやお誘いを断ることも大切です。断らないことで問題が生じる場合もあるためです。自分に対しての不利益だけならともかく、場合によっては仕事にも悪影響を与えてしまいます。そこで今回は、「断る」ことの大切さや失礼のない断り方についてご紹介します。
断らないことでのデメリット!「断る」ことの大切さを知ろう
お願いやお誘いを断らないことは良いことのように思えますが、断らないことで様々なデメリットが生じることもあります。断らないことは「正しいこと」と思わないためにも、断らないことによる悪影響を知っておきましょう。
最も分かりやすい影響としては、お願いを優先することで、自分のスケジュールに影響がでることです。「お願いを聞く」ということは相手の都合に合わせるということであり、自分の都合を二の次にしてしまうことにつながります。本来なら何かする予定だったとしても、相手のお願いを聞くことで、その予定ができなくなるわけです。
これはプライベートな時間だけではなく、仕事中でも同じことがいえるでしょう。周りからのお願いを聞くことで自分の作業が遅くなってしまい、納期や時間が間に合わないことで、残業する可能性がでてしまいます。「断る」ということは、自分の時間を大切にし、プライベートの予定や仕事の業務を上手く進め、充実させることにつながります。
断らないことで、ストレスが溜まりやすくなる可能性があります。お願いによっては「辛い」「嫌だ」「面倒」と感じる場合もあり、精神的な負担を抱えてしまうからです。繰り返しお願いされた場合は、さらにストレスが蓄積されていき、精神や体調に悪影響を与えてしまうかもしれません。特に忙しい仕事中だった場合は精神的な余裕もあまりなく、お願いによる精神的負担も大きくなるため、お願いを引き受けるのには注意が必要です。「断る」ということは、余計なストレスを回避し自身の体調管理に関わってきます。
一度お願いを聞くと、次からもお願いされやすくなるでしょう。お願いを聞いてもらったことで、「この人ならお願いを聞いてくれる」と思われるようになるからです。さらにお願いを何度も聞くことで、「お願いする」ことへの心理的なハードルは低くなります。最終的には「お願いを聞いてもらうのは当たり前な人」と思われてしまうかもしれません。お願いが多くなれば、先述したようにプライベートや仕事の時間がなくなり、ストレスも溜まりやすくなるわけです。「断る」ということは、相手と対等な関係で居続けるために必要といえます。
何でもお願いを聞いていると、何事にも流されやすい性格になってしまうかもしれません。相手の言いなりでお願いを聞くため、自主性が欠けてしまうからです。また程度が大きいと他人に依存するようにもなり、自発的な行動ができなくなることにもつながる可能性があります。こうなってしまうと「指示待ち人間」とも呼ばれるようになったりと、仕事にも影響するでしょう。大げさな言い方にも思えますが、ストレスによって精神が疲れていると、考えるのを放棄して人の言いなりになりやすいです。「お願いを聞くことが正しいこと」と錯覚することで、時間や精神など、様々なことを犠牲にしてしまいます。「断る」ということは、しっかりした考えを持ち、自主性を保つことに必要なことです。
プライベートだからこそ気を付けたい!親しい友人に対する断り方
親しい友人に対しても中々断れないという方もいるのではないでしょうか?断る際は、「家族と食事に行く予定が入っている」などのなるべく詳しい理由を説明してハッキリと断ってみましょう。変に言い訳や含んだ言い方をすると、いらぬ疑惑を与えてしまい、関係性がこじれる場合があります。もちろん、親しい友人だからこそ「相手に嫌われたらどうしよう」と思うかもしれませんが、実際には、親しい友人だからこそ「無理なことは無理」であることを受け入れてもらえるでしょう。自分と友人は対等な関係です。「面倒だから」「疲れるから」といった多少自分本位な理由だったとしても、嫌なお願いなら気兼ねなく断るようにしてみてください。
とはいえ、いくら親しくてもハッキリと断れないこともあると思います。理由にしても、相手に言えない用事も少なくはありません。その場合は、「できればしたいけど」といった肯定的な内容を伝えたのちに、「体調が悪いから」「別の用事があるから」などの無難な回答をしてみてください。肯定的な断り方をしますので、相手に失礼な印象は与えません。友人によっては「説明しにくい理由がある」と察してくれ、深く追及もされないでしょう。
仕事だからこそ断ろう!訪問看護での断り方
訪問中、利用者に引き留められたり、サービス以外でのお願いなど、どのように断ってよいか困ったシーンはありませんか?訪問先で断る際は、仕事を理由に断ると良いでしょう。「仕事が終わらないので」「次の利用者が待っているので」といった時間を理由にすることで、無理なく断れます。
また、「訪問看護ステーションの規則です」「サービスの対象外でできない」といったように、規則や方針を理由にすることでも断りやすいです。できない理由があるため、「無理なお願いだった」と利用者は諦めてくれるでしょう。出されたお茶やお菓子を断る際も、「訪問看護ステーションの方針で受け取れない」「感染対策を強化しているためいただけない」といったように断ることで、無難に遠慮することができます。とはいえ、利用者がお茶やお菓子をすすめてくる理由は、利用者からの心配りです。断ることは大切ですが、利用者の気持ちを無下にしてはいけません。まずは「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝え、それから、しっかり断るようにしてください。利用者との関係性を考えると、断るのは失礼に感じるかもしれません。断るのが苦手な人だと、どうすれば良いのか迷ってしまうでしょう。ですが、断らないとサービスに悪影響があります。仕事の効率と規則を大切にするためにも、利用者に敬意を払いながら、しっかり断るよう心がけてください。
まとめ
ハッキリ断ることは、決して悪いことではありません。断ることは自分の時間を大切にすることであり、仕事やプライベートを予定通りにできます。ただ、断り方には注意が必要です。断り方によっては関係性に問題が生じ、仕事にも影響するからです。訪問看護師に限ったことではありませんが、失礼のない断り方が望まれます。断り方のポイントとしては、「自分ではどうしようもできない理由を用意する」ことです。時間や規則などを理由にすれば、「仕方がない」と思ってくれるケースがほとんどでしょう。
ほかにも、「ありがとうございます」「してあげたいですが」と、始めに肯定的な発現をすることで、断られても好意的に受け取ってもらえます。また、断っても不快な気分にならないよう、好意的な関係性も重要です。同じ断るにしても、仲が良い方が後腐れはありません。しっかり断れるよう、上手なコミュニケーションも普段から心がけるようにしていきましょう。