小児科訪問看護とは?ニーズとサービス内容

小児科訪問看護のニーズとサービス

日本ではますます高齢化が進み、循環器系や神経系の疾患を持つ利用者が増えてくるでしょう。前回は訪問看護で望まれる利用者のニーズについてご紹介しました。
> 前回記事 訪問看護で望まれる利用者のニーズを知ろう

しかし、訪問看護は高齢者だけではなく小児の利用者も年々増えています。今後も小児の利用が増え続けることを考えると、高齢者だけではなく、小児を意識したサービスも必要となります。小児科訪問看護では何を求められているのか。今回の記事では小児科訪問看護のニーズとサービス内容について紹介します。

目次

高齢者だけじゃない!小児への訪問看護が増えている

厚生労働省が調査した「社会医療診療行為別統計」によると、2005年から2015年の10年間に、小児の訪問看護利用者数は約4倍~5倍に増加したとされています。大まかにではありますが、1年ごとに約1,000人~2,000人ずつ利用者数は増加しており、新規利用者数の割合も年々増えています。もちろん、小児とされる15歳未満は全体の利用者数の約6%でしかなく、大部分は50歳~80歳の高齢者ではありますが、年々増えていることには変わりありません。
(※参考)厚生労働省 「中央社会保険医療協議会 総会(第412回) 議事次第」

また、訪問看護で医療機器を使用している等、医療ニーズが高い状態である別表第8の該当者は、小児が多いことから、小児へのニーズを満たすサービスを提供することで、新しい利用者の確保へとつながっていきます。
(※参考)中央社会保険医療協議会 「在宅医療(その4)(厚生労働省)」

小児科訪問看護ではどんなことをする?サービス内容を確認しよう!

小児利用者のニーズを満たすためにも、小児科訪問看護のサービス内容を把握する必要があります。小児科訪問看護では、どのようなことを提供するのでしょうか?小児科訪問看護のサービスを紹介します。

 

 医療ケア 

小児科訪問看護でも、基本は高齢者への訪問看護と変わりありません。バイタルチェックをはじめ、点滴や注射等、訪問看護師指示書に記載された処置をします。大きな違いといえば、保護者への指導が増えることです。子どもの排痰処置や人工呼吸器の管理は、基本的には保護者をはじめとする利用者家族が対応することになります。そのため、訪問看護師がいない時でも対応してもらえるよう、機材の使い方や簡単な医療ケア等を指導します。

 

 日常の介助 

入浴や摂食等、生活における介助も必要になります。利用者自身ができないのはもちろんですが、人工呼吸器を付けたままの入浴等は、慣れていないと保護者でも難しいです。基本的な部分は高齢者への介助と同じですが、子どもの成長は早く、成長に合わせて介助方法を変えていく必要があります。ほかにも、必要であれば、保護者に介助方法を指導したりもします。

 

 発達トレーニング・リハビリテーション 

小児科訪問看護では、子どもの発達を促すため、「立つ」や「歩く」といった日常動作もトレーニングしていきます。人工呼吸器や特殊な歩行器等を使用しながらの場合もありますが、基本的な部分は、ほかの子どもたちと変わりありません。子どもの成長に合わせて遊びや運動を提案し、保護者と相談しながら身体機能の向上を目指します。ほかにも、発音練習や食事の練習等もトレーニングの対象です。成長につれて必要となるトレーニングを、保護者と共にしていきます。

とはいえ、発達トレーニングやリハビリテーションは、理学療法士や作業療法士等の専門職の分野になります。そのため、訪問看護師全員がするわけではありません。簡単なサポートや提案ならすることもありますが、基本的にはリハビリの計画は理学療法士等の国家資格を有するスタッフの担当と思ってください。

小児科訪問看護では特にココ!看護に関わる上で大切にしたいこと

小児科訪問看護では、子どもの成長に合わせた看護が求められています。子どもは成長が早いため、いつまでも同じ看護をするわけにはいきません。1つの例としては、入浴の介助が挙げられます。はじめのうちは訪問看護師1人で抱えてお風呂場に連れていけますが、数か月もたてば子どもの体重や身長は増えていき、次第に1人では抱えられなくなります。洗うのにも手間取るようになり、けがをさせないようにするため、場合によっては、訪問看護師等が2人がかりで入浴させることもあるほどです。ほかにも、成長に合わせて変更が必要な日常動作は多いです。看護面だけではなく、トレーニングや教育面でも、しっかりしたサポートが望まれます。

また、利用者と保護者との信頼関係も重要な要素です。保護者にとっては「大切なわが子」を預ける形になりますので、「任せても大丈夫」といった信頼を築く必要があります。子育ては、主に母親が担当している家庭が多いことから、特に母親との信頼関係が重要といえます。注意点としては、訪問看護以外のことは勝手にしないことです。教育方針など、良かれと思って口を出してしまうと、家庭内環境に口を出したことになり、母親からは良い気がされません。もちろん、安全面や看護に必要なら相談したりもしますが、それ以外のことに関しては、極力触れないようにしてください。何をするにもまずは相談や提案をし、不信感を与えない付き合いを心がけることが大切です。

小児科訪問看護にも対応できる!訪問看護専用電子カルテ『iBow』

小児科訪問看護では、学校への情報提供書の提出など、関連機関との情報連携を行うことが多くなります。情報を提供する書類の中には情報提供書やサマリーなど、作成に時間のかかる書類もあります。訪問看護専用電子カルテ『iBow』は日々の記録が各帳票と連動しているので、転記の必要がありません。そのため、帳票作成時間を大幅に削減します。また、iBowにはカスタマイズ機能も備わっており、適用保険や訪問者の職種別に項目のカスタマイズも可能です。グラム単位での体重管理や大泉門の状態といった小児科訪問看護ならではの項目も作成でき、幅広い利用者に対応できます。
> 小児科訪問看護にも便利!iBowの使用感をデモンストレーションで体験する

まとめ

小児科訪問看護に望まれる内容は、子どもに寄り添ったサービスと信頼関係です。高齢者に対する訪問看護でも必要な要素ではありますが、保護者とのコミュニケーションや子どもの成長に合わせてサービス内容を工夫していくことから、より踏み込んだ信頼関係が必要といえます。高齢者ほどではありませんが、小児利用者の人数は年々増えており、小児科訪問看護の需要は高まっています。ほとんどが訪問看護ステーションを利用していることを考えても、新しい事業開拓先に適しているといえるでしょう。

とはいえ、小児科訪問看護は高齢者の訪問看護とは違う部分も多く、従来の内容をそのまま応用するのは難しいです。ほかの科との連携も多くなることから電子カルテの導入が望まれます。iBowには、訪問先でも必要な情報がすぐに確認できます。また、記録書をカスタマイズをすることで記録書の作成にかかる時間も短縮できるので、小児科訪問看護をはじめる際は、ぜひ一緒にiBowの導入も検討してみてください。
> iBowについて問い合わせる

小児科訪問看護のニーズは、高齢者の場合のニーズとはまた違ってきます。利用者はもちろん保護者目線からも、何が求められているかを考えることが大切です。iBowでは毎月無料勉強会を開催しています。小児科訪問看護など様々なセミナーを開催しているのでぜひチェックしてみてください!
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