テレワーク導入のメリットとテレワークに適した訪問看護の業務とは?(訪問看護のテレワーク1)
コロナ禍以降、「テレワーク」という言葉が頻繁に使われるようになりました。
日本テレワーク協会では、テレワークを「情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」と定義しています。働き方改革や、2020年2月頃から世界的に感染拡大した新型コロナウイルスの影響で、一気に「テレワーク」について注目を集めました。訪問看護分野も例外はなく、中でも訪問看護は、事務所以外の場所に出向いて仕事をするという特性上、看護職の中でもICTの活用で得られる恩恵が大きい業種と言えます。
そこで、本記事ではこれから訪問看護業務でのテレワーク導入をお考えの方に向けて”テレワークについてのメリット・デメリットと、訪問看護でのテレワーク”について解説します。
今さら聞けない!テレワークのメリットとは?デメリットも合わせてご紹介!
通常のオフィス勤務と比べてテレワークでは、従業員と企業の双方に、さまざまなメリットをもたらすことが期待されています。
スタッフが感じるテレワークの効果(メリット) |
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企業(経営者・推進担当者) が感じるテレワークの効果(メリット) |
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テレワークは働き方改革の有効な手段の一つとして、多くのメリットが期待されています。
導入済みの企業では約3割程度(※)のテレワーク経験者が「特にデメリットはない」と答えていますが、運用上の問題点や懸念事項として気を付けるべきポイントがあります。
▼テレワークのデメリット
- 仕事と仕事以外の切り分けが難しい
- 労働時間の管理が難しい
- 長時間労働になりやすい
- コミュニケーションが不足しがちになる
さらに勤務タイプ別にみると、終日在宅勤務では進捗状況などの管理で難しさが感じられやすく、事務所外でのモバイル勤務では情報セキュリティの確保が課題として認識されやすい傾向にあります。
※【平成27年JILPT情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査より】
訪問看護業務は大きく分けて2つある!テレワークに適した業務を確認しよう
現在ではグループミーティングやテレビ電話も可能となり、職種によっては、それこそほとんどの業務を自宅で完結することも可能な時代となりました。
その点、訪問看護師の皆様は、利用者様のそばでケアを行うことが大半です。少なくとも臨床で働く限り、まったく出勤しないという訳にはいきません。どんなに時代が進歩したとしても、実際に目で見て手で触れて、「五感を働かせる」という看護の原則は変わりません。しかし、訪問看護でもテレワークを部分的に取り入れることは可能です。
訪問看護業務は大きく分けて、2つあります。
① 実際の利用者様の自宅に訪問し看護・リハビリを行う業務
② 事務所で行う書類作成やカンファレンス等
このうち、テレワークに適した業務は②です。②の事務所で行う作業のうち、種々の記録、カンファレンス、委員会や係会、研究等、これらに要する時間は決して短くありません。この時間を事務所ではなく、自宅でとることができたらどうでしょう。子育て中のスタッフや研修中のスタッフなど、通常の勤務形態で働くことが難しい状態であっても、都合のつく時間に、働きやすい場所で仕事をすることができれば、離職することなく働き続けられるかもしれません。
訪問看護でテレワークを導入するためにはICTツール・システムが必要です。
書類作成だけでなく、カンファレンスや申し送り等にも活用できるシステムを導入しましょう。
まとめ
訪問看護では事務所で行う書類作成やカンファレンス等の業務がテレワークを活用して行うことができ、業務効率化、時間外労働の削減、ワークライフバランスの向上等、様々なメリットを得られる一方、仕事と仕事以外の切り分けが難しい、コミュニケーションが不足しがちになる等のデメリットもあります。これらの課題を解決するためには、ICTツール・システムを導入し、上手く活用することが重要なポイントとなります。
次の記事では訪問看護のテレワークにおける課題の中から特に不安の声が多い“スタッフ間のコミュニケーション不足”について注目し原因と対策についてご紹介します。引き続きiBowのお役立ち情報をチェックしてくださいね。
>次回記事 テレワークがコミュニケーション不足に陥りやすい原因と対策とは?(訪問看護のテレワーク2)
【訪問看護のテレワークシリーズ】
〇テレワーク導入のメリットとテレワークに適した訪問看護の業務とは?(訪問看護のテレワーク1)
〇テレワークがコミュニケーション不足に陥りやすい原因と対策とは?(訪問看護のテレワーク2)
〇訪問看護のテレワークに便利なツールとは?(訪問看護のテレワーク3)