クラウドシステムとは?訪問看護での活用法
最近、「クラウド」「クラウドシステム」という言葉を耳にする機会が増えました。実際に、クラウドシステムはさまざまな企業や業界において活用されており、ビジネスには欠かせない存在です。そこで今回は、クラウドシステムの基本知識や訪問看護にクラウドシステムを導入するメリット・デメリットなどを紹介していきます。
クラウドシステムとは?
クラウドシステムとは、ネットワークを経由したさまざまなサービスをいい、メールやオンラインゲームなどがあげられます。従来は、それらのサービスを利用するにあたってハードウェアの購入やソフトウェアのダウンロードが必要でしたが、クラウドが普及してからはオンライン上でのソフトウェアの利用が可能となりました。
そもそもクラウド(クラウドコンピューティング)とは、インターネットなどのネットワークを経由してユーザーにサービスを提供する形態をいいます。インターネット経由で雲の上のシステムを利用するようなイメージから英語の「cloud(雲)」がクラウドの語源となりました。1999年に厚生労働省が「診療録等の電子媒体による保存について」を通知したことがきっかけとなり、国が電子カルテを推進するようになってきています。訪問看護業界によってもカルテの電子化が推進され、クラウドシステムを利用した電子カルテも近年増えてきています。
クラウドシステムの分類
クラウドシステムは、主にSaaS、PaaS、IaaSの3つの種類に分類されます。それぞれの特徴について紹介します。
SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)
SaaSは、ネットワーク経由でソフトウェアやアプリケーションを提供するサービスです。パソコンやスマートフォンなどのブラウザから利用できるため、ソフトウェアの購入やインストールの必要がありません。マイクロソフトオフィス、GmailやYahoo!メールなどのWebメールなどがこれに当たります。
PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)
PaaSは、アプリケーションソフトなどが稼働するためのハードウェアやOSなどの開発環境(プラットフォーム)をネットワーク経由で提供するサービスのことをいいます。システム開発者にとって欠かせないサービスであり、Amazonの「AWS」や、マイクロソフトの「Microsoft Azure」などがこれに当たります。
IaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)
IaaSは、サーバーや記憶装置などといった記憶装置のインフラ機能をネットワーク経由で提供するサービスです。IaaS上でサーバー選定やメモリ容量などを自由に構築でき、サーバーアプリケーションを実行するために最適な環境を整えることができます。
訪問看護におけるクラウドシステムのメリット
ここからは、訪問看護においてクラウドシステムを活用するメリットについて解説します。
看護管理業務の効率化が図れる
訪問看護における電子カルテの活用は、管理者や経営者の看護管理業務の効率化も期待できます。スタッフの勤務管理などをスムーズに行えるため、時間短縮になるばかりでなく、ミスも減ることでしょう。
直行直帰など多様な働き方が実現できる
紙カルテの場合は、訪問と訪問の間や最後の訪問が終了した後にはステーションへの立ち寄りが必要でした。しかし、電子カルテを導入しスマートフォンやタブレットなどを上手に活用すれば、訪問と訪問の間などの隙間時間を活用して記録や入力ができるようになり、直行直帰や在宅ワークなど、多様な働き方の実現が可能となります。時間や場所を問わず働けるようなシステムの導入は、働き方改革の一環としても、重要な取り組みであるといえます。また、電子カルテの導入により端末からの記録が可能となることで、地震や水害などの災害発生時やその他のトラブル発生時にもそれぞれの現場からのタイムリーな情報共有が可能となります。
BCP対策
自分のステーションが被災した場合、ステーションの中にサーバーが置いてある場合、サーバー自体損壊してしまうリスクがあります。そして、その復旧作業も被災した現地で行うことになるため、多大な労力と時間が必要になります。しかし、クラウド環境を利用すれば、重要なデータはインターネット上に保管されているため、データを消失するリスクが低くなり、災害後の事業継続や復旧が容易に行なえます。
コストが抑えられる
クラウドシステムは、今手元にあるパソコンなどによって簡単な導入が可能であるため、サーバーや周辺機器の購入などにかかる初期費用を抑えることができます。それだけでなく、サーバーの維持費や、運用にかかる人件費なども削減できるため、長期的にみれば大きなコスト削減に繋がることでしょう。
訪問看護におけるクラウドシステムのデメリット
訪問看護においてクラウドシステムを活用する際、デメリットが2つありますので、紹介します。
カスタマイズが難しい
クラウドシステムにおけるカスタマイズの難しさが大きなデメリットです。自社独自のシステムの運用ができるオンプレミスと比較し、クラウドシステムではサービス事業会社が提供しているサービスの範囲内でしかカスタマイズができないため、自社サービスに特化した環境を整えたい場合には向かない可能性があります。
セキュリティに関するリスクがある
クラウドシステムではインターネット環境を必ず利用するため、セキュリティ面の不安はぬぐい切れません。訪問看護においては、利用者の個人情報を多量に扱うため、スタッフの情報管理方法の徹底が求められます。たとえスタッフが管理を徹底していたとしても、第三者による不正なアクセスにより情報漏洩などのトラブルが起こってしまうリスクもあります。
クラウドシステムでも安心!訪問看護にはiBowの活用がおすすめ!
追加費用なしで自分仕様に変更可能
iBowのメインメニューは管理者・看護師・事務員・経営層など役割に応じて自分で変更することが可能です。訪問看護の業務では、利用者を訪問して行う看護業務と、報告書や計画書、レセプト請求などを行う事務業務があります。看護業務では基礎情報や前回の訪問状況、電話での対応履歴や服薬情報など、訪問に行く利用者の情報が必要となります。また、レセプト作業や書類管理を行う際は、帳票類や保険・指示書など多くの利用者の様々な情報が必要となります。行う業務で使いたい機能が違うため、看護業務でも事務作業でも「使いやすい」をiBowは実現します。なお、自分仕様にカスタマイズする費用の追加は一切ありません。
医療情報を安全に取り扱う万全のセキュリティ体制
医療情報を安全に管理するため政府が定めている「3省2ガイドライン」※。このガイドラインには電子カルテが守らなくてはならない3つの基準として有名な「電子保存の三原則」についても明記されています。iBowはこの3省2ガイドラインに沿ったシステム構築で安全に活用でき、大手医療法人、社会福祉法人、医師会系列などでも導入されています。
・※参考『医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン』(総務省・経済産業省)
・※参考『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』(厚生労働省)
また、iBowは端末に記録データを一切残しません。 そのため万が一端末を紛失しても利用者のデータが漏洩することはありません。スタッフ一人一人にパスワードとIDが設定されているので、情報漏洩やカルテの改ざんも防ぎます。
訪問看護のテレワークにも活用
現在はテレワークを推奨している企業も多くあります。 また、テレワーク以外にも保育園のお迎えや、介護や家事の時間を確保するために勤務時に中抜けの時間を設けるなどワークライフバランスを実現するために柔軟な働き方が推奨されています。iBowを活用することで事務所に向かう移動時間を短縮し効率よく業務を行うことができ、事務所以外の場所で記録書の作成ができるので介護や家事の後、自宅で記録書の作成を行うことも可能です。また、iBowレセプトはレセプト請求の実績確定もiPadで行うことができるので訪問スタッフだけでなく、事務員のテレワークも可能です。
まとめ
今回は、クラウドシステムの基本や訪問看護におけるクラウドシステムの活用方法について紹介しました。今後さらに需要が拡大していくであろう在宅医療・訪問看護において、クラウドシステムの活用はもはや必須です。セキュリティ対策が整っているiBowを活用し、業務の効率化を図っていきましょう。