資格取得への道~認定看護師~
看護師なら誰もが聞いたことがある「認定看護師」。
認定看護師とは、救急看護や訪問看護など、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識をもっていると認められた看護師のことで、日本看護協会による認定審査を突破した方に与えられています。
そもそも、医療の現場において獲得できる資格として、「認定看護師」「専門看護師」、近年では「特定看護師」などがありますが、「スキルアップのためにも資格取得したい」「どれが向いているのだろう」「自分にはハードルが高い」などと思っている方はいらっしゃいませんか?
その中の一つである認定看護師は、看護師であれば誰でもなれるチャンスがあります!
そこで“資格取得への道”第1弾として、認定看護師についてひも解いてみましょう。
認定看護師とは、一言で表すと“臨床現場におけるスペシャリスト”‼
認定看護師は、特定の看護分野において3つの役割を果たします。
- 個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
- 看護実践を通して看護職に対して指導を行う。(指導)
- 看護職に対しコンサルテーションを行う。(相談)
特定の看護分野とは以下の21分野です。
感染管理 | 糖尿病看護 | 乳がん看護 |
皮膚・排泄ケア | 認知症看護 | 小児救急看護 |
緩和ケア | 摂食・嚥下障害看護 | 慢性心不全看護 |
がん化学療法看護 | 脳卒中リハビリテーション看護 | 慢性呼吸器疾患看護 |
集中ケア | 訪問看護 | 透析看護 |
救急看護 | 手術看護 | がん放射線療法看護 |
がん性疼痛看護 | 新生児集中ケア | 不妊症看護 |
訪問看護認定看護師の推移
<訪問看護認定看護師>
- 認定開始年月:1998.11
- 在宅療養者の主体性を尊重したセルフケア支援およびケースマネジメント看護技術の提供と管理
- 現在の訪問看護認定看護師数:584名(2017年現在)
うち大阪は37名で、全国で5番目に多いです。
(1.東京都116名、2.愛知県63名、3.兵庫県51名、4.神奈川県41名)
ただし、認定看護師になることで何が変わるのか今いち曖昧だったりします。
看護師資格取得のメリットとデメリット
<メリット>
- 特定分野のスペシャリストとして自信がつく
- 教育・指導・相談などを通して人間としても成長できる
- 院内だけでなく院外にも活動の場が広がる
- 認定コースの同期の仲間は一生の財産
- 資格手当などで給料が上がることもある
<デメリット>
- 費用と時間がかかる
- 給料は変わらず仕事が増えるだけという実態もある
※認定看護師の方の処遇や勤務状況などは、病院によって大きな差があるので、いっそ転職してしまうのも一つの選択肢です。
認定看護師の資格を取得するまでの道のり
- 日本国の看護師免許を有すること
- 看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
- 認定看護師教育機関(課程)修了(6か月・615時間以上)
- 認定審査(筆記試験)
- 認定看護師認定証交付・登録
- 5年ごとに更新(看護実践と自己研鑽の実績について書類審査)
認定看護師になるためには、5年以上の経験が必要であり、認定看護師教育機関への入学が必要です。
入学するまでの準備で必要なこととしては、以下の通りです。
- どんな看護分野を専門にするかを決める
(その専門分野での看護経験が“3年以上”必要になります。) - どの教育機関に通いたいかを考える
(その専門分野での看護経験が“3年以上”必要になります。) - 上司に相談、病院の支援制度を確認する
(教育機関に通う半年間は職場を離れることになり、職場との調整が必要になります。また、支援制度を設けている病院もあります。) - 「認定看護師教育機関」の入学試験の準備をする
(事前に募集要項を取り寄せて、必要事項を早めに済ませておきましょう。)
以上より、認定看護師になる!と決めてからすぐになれるものではありませんが、これらの道のりを通るからこそ、臨床現場におけるスペシャリストになれるのです。
詳しい情報は、日本看護協会のホームページに記載されているので、そちらをご参照してみてください。