利用者獲得のための営業戦略

訪問看護ステーションの経営コラムの第3回目は
利用者(顧客)獲得のための営業戦略、集患戦略です。

訪問看護ステーションの新規開設の場合はもちろん、
規模の拡大や機能強化、経営安定を考えている訪問看護ステーションでは、
利用者獲得が大きなテーマになります!

【過去の記事】
シリーズ① 情報提供療養費について
シリーズ② 介護保険施設への訪問看護

1.平成30年度の診療報酬改定で在宅療養をされる利用者は増える

平成30年度の診療報酬改定では急性期一般入院料1、地域包括ケア病棟入院料、
回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する要件に
在宅復帰率」が求められています。

つまり入院している病棟から「在宅」へ退院する利用者さんが一定以上いなければ
入院基本料の算定ができないということです。
そこで病院は積極的に「在宅」への退院を進めていくことになるのです。

この場合の「在宅」は自宅だけではなく
介護医療院などの居住系介護施設も対象になっていますが、「在宅」の扱いですから、
訪問看護ステーションのサービスを提供することができるところです。

退院後の在宅療養を必要とされる方々は今後ますます多くなっていくことが予測されています。
そのような方々にサービスを提供していくのですが、訪問看護は「依頼」があって初めて成立します。
まずは新規依頼を多くいただかなくてはなりません。

 

引用元:厚労省診療報酬改定資料 (2018年2月7日 答申書・点数公表 p.16)

 

特に何もしなくても依頼が来るステーションであれば問題はありませんが、
多くのステーションは利用者獲得のための「営業」を考えていると思います。
では、どのように「営業」されているのでしょうか。

2.どんなステーションになりたいか

営業戦略にはマーケティングという考え方が必要です。
まずはマーケット(市場)の状況をしっかり把握し、
自分たちのサービスを提供するターゲット(顧客)を明確にしていくこと
が基本になります。

つまり、自分たちのステーションの得意分野を明確にして、
そのサービスを必要としている利用者さんに繋がるような働きかけをしていくのです。
ターゲットを絞る、とは自分たちのステーションが「どんなステーションなのか」
という役割を明確にしていくことなのです。

例えば
セラピストが多く所属していて生活機能維持に特色があるステーション
特定行為看護師が所属していて、医療的な処置にも対応できるステーション
緩和ケア専門看護師が多く、がん患者の終末期や在宅看取りに注力しているステーション
経験豊富な看護師による家族ケアが評判のステーション など、

自分たちの特色や積極的に進めていきたい看護
これからのステーションの目指している方向が明確になっていれば
ターゲットを絞った営業ができるのです。

3.利用者さんはどこから来るか

どのような利用者に自分たちのサービスを利用して欲しいか
によって営業先は変わります。
利用者はどこから来るのか、ということを知っておく必要もあるのです。

急性期の治療が終わり、まだ医療依存度が高い状態で
在宅で過ごされる方への訪問看護であれば、
病院の退院支援室などから。

生活機能を維持しながら少しでも長く自宅で過ごしたいという方であれば
居宅支援事業所や診療所から。

在宅でも緩和ケアを希望されている方でしたら
緩和ケア病棟を持っている病院から の依頼が多くなると思います。

 

例えばケアマネジャーさんに
「どんな方でも良いので依頼をください」と言うのと
「緩和ケアを希望されている方がいらしたら、私たちが得意ですからご依頼ください」
と言うのとでは、後者の方が、依頼する側は選びやすいですよね。

「リハビリを希望されている方も十分対応できます」と伝えておくことで、
その必要のある利用者さんがいれば紹介しやすくなるでしょう。

チラシやパンフレットのようなものに記載して、営業ツールとして渡しておくのも良いでしょう。ステーションのHPに記載しておくのもオススメです。

主治医との連携も大切です。
報告書を届ける際に、ステーションに余力があるようならそのことを伝えたり、
得意な分野をアピールしたりするのも良いのではないでしょうか。

 

営業の専門要員がいるステーションはそれほど多くないと思いますが
常に地域を回っている訪問看護師さんたちが
・訪問の移動の合間に居宅支援事業所や診療所に声をかけてみる
・カンファレンス、地域の勉強会などに参加した際に
自分たちのステーションのアピールをしてくる
など、日頃の動きの中でのちょっとした営業努力も効果があると思います。

 

顔の見える連携と言われますが、地域での日頃からのコミュニケーションも大切です。
診療報酬も後押ししてますので、自分たちの得意分野をしっかり把握して
戦略的な営業に取り組んでいってください。

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