訪問看護の管理者業務 「スタッフ面談」していますか?
訪問看護ステーションの管理者として常に気になることの一つに、
ステーションメンバーの「気持ち」がありますね。
経営者にとって、経営資源は「ヒト、モノ、カネ、ジョウホウ」ですから、その中の最重要資源、人材については常に心を向けていることでしょう。
一方で、最も重要であるがゆえにマネジメントに悩む管理者さまも少なくありません。そこで今回は「スタッフ面談」に関するコラムをお届けいたします!
1.メンバーのモチベーション
経営資源の最重要資源「ヒト」、ステーションメンバーのモチベーションをどのように把握されているでしょうか。訪問看護ステーションは比較的小規模で人数もそれほど多くありませんから、
「日常的にコミュニケーションを十分とっているので大丈夫」
「把握できているし、良い関係を築けている」
という管理者さまも多いと思います。とはいえ、将来の希望や思いまで、日常の仕事の中での会話で十分に引き出せているでしょうか。
突然の「退職の相談」という切羽詰まった面談になってしまわないように、時には、じっくりとお一人お一人の考えを伺う「面談」の機会を持つことをおすすめします。
とはいえ、唐突に、「ちょっと面談しましょう」、「お話ししたいから時間を取れるかしら」などの声かけをすると、かえって驚いたり、不安感を与えたりしてしまうかもしれません。
また、何か問題が起こったら面談をする、となると、いつも何かしらの解決に向けた話で、気の重い、ストレスを感じる難しい話ばかりになってしまいます。
個人目標の管理をしているステーションでは評価面談を定期的にされていると思いますので、その機会でじっくりとお話ができますが、なかなかそういった機会がない場合は、時間の作り方も工夫が必要ですね。
2.個人面談の回数、タイミング
個人面談のタイミングとしては、年に1回か2回、定期的に全員と面談をする機会を持つことをお勧めします。
年度の区切りとして4月と10月とか、賞与のタイミングで6月と12月、年の初めと夏休み前ということで1月と7月にされているところもあります。
原則全員との面談で、時間としては一人15分から長くても30分くらいが良いと思います。内容としては、個人目標管理をしていればその内容が中心になりますが、「仕事に対する気持ち」を伺うのが基本です。
その中で、意向調査とまではいかなくても、今後どんな風に働きたいか、将来の展望、今の困りごとなどを伺い、「率直な気持ち」を引き出していくのが良いでしょう。
日頃からよく話をする関係ができていると、いざ「面談」となっても、普段の延長のようになってしまい「あっという間に30分」ということにもなりますし、逆に構えてしまうとお互いにぎこちなくなり、「話したいと思っていたことが言えなかった」ということになることもあります。
面談の基本は、話を聞くことです。スタッフへの期待を伝えたくて、自分の経験や思いを語ってしまうと、管理者の考えの押し付けのようになってしまうことがあります。そうすると本人の話を聞くことができなくなってしまい「はい、頑張ります」という返事だけが返って来てしまいます。それでは、スタッフの頑張りも聞けず、問題解決や将来の目標の共有もできません。
そうなってしまわないように、まずは、聞く側が「聞く項目」をリストアップしておくと良いでしょう。
3.面談でのヒアリング項目
スタッフの準備のために、事前に「面談で伺う内容リスト」として共有しておくのも良いでしょう。自分が目指している働き方、こんな訪問看護師になりたい、という思いが引き出せると、ご本人にとっても自分の目標が明確になりますし、管理者さまにとっても育成の方向性やフォローの仕方を考えていくことができますね。
時にはじっくりと「思いを聞く場」として面談の機会を活用してみてください。余談ですが、絶対にやってはいけないのは、「他の人のことを聞く」ことです。
「参考までに聞きたいんだけど、○○さんは最近元気がないけど・・・」
など、話題として出してしまいそうですが、あくまで面談は本人との話です。その場にいない第三者の話を出してしまうと、自分に関心がないと感じられてしまいますし、貴重な面談の時間を他の人の話で使われてしまって、気持ちの良い人はいませんよね。
きちんと自分に向き合ってくれる管理者であれば、スタッフも心を開いて、自分の夢や悩みを素直に話してくれるのではないでしょうか。
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いかがでしたでしょうか。
少しでも訪問看護ステーションの管理者さまのご参考になりましたら幸いです!