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訪問看護におけるダイバーシティの考え方②~受容のステップ~

訪問看護

 

「ダイバーシティ」という言葉を聞いたことがあるけれど、詳しい意味や考え方については、よく分からない方も多いのではないでしょうか。今回は、多摩大学医療・介護ソリューション研究所副所長・シニアフェロー/公益財団法人日本生産性本部認定 経営コンサルタントと様々な分野でご活躍されている幸田 千栄子 様にダイバーシティの概要や考え方について全4回にわたって解説いただきます。

第1回では、ダイバーシティの概要や歴史について解説いただきました。
≫前回記事 訪問看護におけるダイバーシティの考え方①~多様性の受容とは何か?~

多様性を受容する4つのステップ

前回は、「ダイバーシティとは」を述べました。今回は、「ダイバーシティ(多様性の受容)」を具体的にどのように実践するかについて考えていきましょう。受容にはステップ1(拒否)、ステップ2(同化)、ステップ3(違いを認める)、ステップ4(違いを⽣かす)の4つのステップがあります。

例えば、男性社会の企業に⼥性を採⽤し受け入れる場合を考えてみましょう。

■ステップ1 ⼥性を採⽤しない⼜は補助業務だけしか与えない(拒否)
■ステップ2 ⼥性は男性の様に働かないと認められない・管理職になれない(同化)
■ステップ3 育児休業が当たり前に取得できる(認める)
■ステップ4 ⼥性の能⼒を仕事に⽣かし創造的な仕事ができる(⽣かす)

となります。では、なぜ個々の能⼒を⽣かして創造的な仕事をすることを⽬指すのでしょうか?それは、社会に多様な⼈材がいるからです。1⼈として同じ⼈はいないからです。誰もが⽣きやすい幸せを感じる社会を築くためには、それぞれの⼈がどのように感じ考えているかを意⾒交換し、全員にとって良いと思われる⼀致点を探すこと。これが分断を⽣まない、誰もが⽣きやすい社会を築く⽅法と考えます。

受容ステップ 状態
ステップ1 違いを拒否する
ステップ2 違いを同化する・違いを無視する
ステップ3 違いを認める
ステップ4 違いを⽣かす

医療におけるダイバーシティ

■組織の中でのマイノリティ

医療機関では、男⼥の⼈数が部⾨によって偏りがあります。
その組織全体では、勤務している⼥性が⼀定数在籍し、管理職に登⽤されている⼥性も⼀定数いますが、⼥性が多い部署は看護部⾨であり、ほかの部⾨は男性の⽅が多いといったところでしょうか?看護師に男性も以前よりは多く⾒かけますが、まだまだマイノリティではないでしょうか?
先に述べました通り、男性が採⽤されない期間が長くありました。今は、少数でもその⼈の個⼈を⽣かした働き⽅になっているでしょうか。

■互いの考えの尊重

次に、教育の有無もダイバーシティの1つと⾔われています。医療分野は、仕事をするには資格を持っていないとできない業務が多く、持っていて当たり前という意識があると思います。⼀⽅で資格がなくてもできる仕事についている⼈たちも多くいます。資格の有無はあくまでも仕事遂⾏するために必要なことです。それぞれの職種の考えや、それぞれの⽅の考えをお互いによく聞き、話し合うことが重要です。資格がある⼈が、その意⾒を押し通すのは、ステップ1です。もう⼀度⾒つめて欲しいあなたの⽬の前の利用者。それぞれの個性のある個⼈が発症しているのです。例えば、まだまだ全てがわかっていない認知症の⽅を、多くの型にはめていないでしょうか。同じ病気の⼈でも病気への向き合い⽅はそれぞれかと思います。職員、利⽤者がお互いの違いを尊重し⽣かす職場にすることが、ここで働いて良かった、この⽅に診ていただいて良かったと思っていただくことになると確信します。

 

幸田 千栄子 様

多摩大学医療・介護ソリューション研究所 副所長・シニアフェロー
公益財団法人日本生産性本部認定 経営コンサルタント

輸送用機器メーカーにて人事・人事企画・採用・教育・女性活躍推進・秘書などに従事。2000年公益財団法人日本生産性本部経営コンサルタント養成講座を修了し、公益財団法人日本生産性本部経営コンサルタントとして、各種事業体の診断指導、人材育成の任にあたる。2009年5月から1年間、サービス産業生産性協議会スタッフとしてコンサルタントと平行して任にあたり、サービス産業の生産性向上PJに参画すると同時に顧客満足度・従業員満足度調査開発・設計を行う。

 

本シリーズ第2回では、多様性の受容のステップについて解説いただきました。次回は「病気や障がいがある方々」について解説いただきます。

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