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訪問看護におけるダイバーシティの考え方④~高齢者雇用を考える~

ダイバーシティ「ダイバーシティ」という言葉を聞いたことがあるけれど、詳しい意味や考え方については、よく分からない方も多いのではないでしょうか。今回は、多摩大学医療・介護ソリューション研究所副所長・シニアフェロー/公益財団法人日本生産性本部認定 経営コンサルタントと様々な分野でご活躍されている幸田 千栄子 様にダイバーシティの概要や考え方について全4回にわたって解説いただきます。

これまでのシリーズではダイバーシティの概要や歴史について、ダイバーシティの受容のステップ、障がい者雇用について解説していただきました。
> 第1回:訪問看護におけるダイバーシティの考え方①~多様性の受容とは何か?~
> 第2回:訪問看護におけるダイバーシティの考え方②~受容のステップ~
> 第3回:訪問看護におけるダイバーシティの考え方③~障がい者雇用を考える~

病院の多くでは看護師の定年は、基本的には60歳です。ただし、年金支給開始年齢が65歳となったことを機に、パートなどで定年後にも働く看護師が増えています。また、それにとどまらず70歳代や80歳代の看護師の方もいらっしゃいます。訪問看護を経営者している方の中には、新人よりもむしろ高齢で経験豊富な看護師の知識を求めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はダイバーシティにおける高齢者雇用について解説いただきます。

高齢者雇用のルール

 高齢者雇用安定法 

(1)65歳までの雇用確保が義務付けられています。
○60歳未満の定年禁止(高年齢者雇用安定方第8条)事業主が定年を定める場合は、その定年年齢は65歳以上としなければなりません。
○65歳までの雇用確保。(高年齢者雇用安定第9条)定年を65歳未満に定めている事業主は、以下のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければなりません。
・65歳までの定年引き上げ・定年制の廃止
・65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度等)(適用者は原則として「希望者全員」です)
○対象事業主は、当該労働者を60歳まで雇用していた事業主です。
(参考:高年齢者雇用安定法ガイドブック 厚生労働省・兵庫労働局)

(2)令和3年4月1日から、(1)に加え、70歳までの就業機会を確保するため高年齢者就業確保措置として、以下のいずれかの措置を講ずることが努力義務となりました。
○70歳までの定年引き上げ
○定年制の廃止
○70歳までの継続雇用制度(再雇用・勤務延長制度等)の導入
○70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
○70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
・事業主が自ら実施する社会貢献事業
・事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
(参考:高年齢者雇用安定法改正の概要 厚生労働省)

事業主は、当該労働者を60歳まで雇用していた目的は、多様化と少子高齢化に対応するものです。雇用主は、今の賃金で今まで通りのパフォーマンスを発揮いただけるかと心配になる場合は、仕事と賃金を見直す必要は出てくるでしょう。更に、障がい者雇用と同様、チームでフォローし合うことも必要でしょう。また、働く高齢者は、自分の人生を考え、今まで通り毎日8時間働くことを選択するのかも考える必要があるでしょう。

高齢者も活躍する時代

パラリンピックでは、自転車で金メダルを取った杉浦選手は、50歳で高年齢記録を更新しました。女子視覚障がいクラスのマラソンで5位入賞の藤井選手は56歳、8位入賞の西島選手は66歳、驚きです。人生100年時代と言われていますが、日本人の平均寿命は、2015年から2020年で女性0.68歳、男性0.85歳延びています。社会の中で高齢者がそれまでの経験と知恵を活かして、生き生きと活躍できる社会は既に始まっています。

 

幸田 千栄子 様

多摩大学医療・介護ソリューション研究所 副所長・シニアフェロー
公益財団法人日本生産性本部認定 経営コンサルタント

輸送用機器メーカーにて人事・人事企画・採用・教育・女性活躍推進・秘書などに従事。2000年公益財団法人日本生産性本部経営コンサルタント養成講座を修了し、公益財団法人日本生産性本部経営コンサルタントとして、各種事業体の診断指導、人材育成の任にあたる。2009年5月から1年間、サービス産業生産性協議会スタッフとしてコンサルタントと平行して任にあたり、サービス産業の生産性向上PJに参画すると同時に顧客満足度・従業員満足度調査開発・設計を行う。

 

4回にわたり、ダイバーシティについて解説いただきました。
ダイバーシティは、直訳すると多様性を意味します。集団において年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などさまざまな属性の人が集まった状態のことですが、ダイバーシティを経営に生かすことは中々難しく、高い意識を持って取り組む必要があると思われる方が多いかもしれません。しかし、まずは身近にいる自分とは違う価値観や立場の人の生き方に触れ、知見を広げていくことが、ダイバーシティの第一歩ではないでしょうか。
本シリーズでダイバーシティの概要や考え方について知って頂き、訪問看護を運営する上でも活用していただければと思います。

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