新人訪問看護師向け!効果的な研修カリキュラム作りのポイント

訪問看護新人カリキュラム

医療の現場では、病院医療から在宅医療へシフトする動きが活発になってきており、在宅看護分野の看護師の増加が求められています。看護師全体の数から見れば、圧倒的に少ない訪問看護師。そのため、訪問看護師を確保するための活動が多くなされています。訪問看護アクションプラン2025においても新卒看護師の確保が謳われているのをご存じの方もいるでしょう。そのため、今後、新人看護師を含め、訪問看護が未経験の看護師が増えていくことが予想されます。訪問看護未経験者が、訪問看護師として活躍できるためにどのような研修カリキュラムが必要なのでしょうか。今回の記事では訪問看護における研修カリキュラムについて紹介します。

目次

まずは研修の目的から考えよう

研修を行う前に、まずは何のために研修を実施するのか、目的を考える必要があります。仕事を覚えてもらうことはもちろんですが、中長期的に見た時に、ステーションにとってどのような人材となって欲しいかも考えると良いでしょう。新卒であれば、社会人としての接遇から始まり、看護技術の習得も必要です。看護師経験があり、ある程度の看護技術を身に着けているスタッフの場合は、病院看護と訪問看護の違いを学ぶことを中心に研修を計画していく必要があります。その他、将来、後輩育成やをフォローできる役割にするや管理職を目指してもらうなど、スタッフ個人のスキルアップだけではなく、ステーション全体の将来像を見ながら研修の目的を考えましょう。

新人スタッフ研修はいつの時期、どれくらいの期間で実施すべき?

新人研修は、入職直後から始まります。オリエンテーションでステーションについての理解を深めて順応してもらう指導を行い、その後は、各新人スタッフの能力に合わせて進めていきます。そして、数か月毎に振り返りやケーススタディなどの研修を実施することで個人の学びがさらに効果的になるでしょう。新人研修は概ね1年程度を見込むステーションが多いです。

基本的な訪問看護の知識や実践経験を1年目に学び、2年目以降は、今まで経験したことのない症例や自分で個別的なケアを考え実践できるような研修を行い、さらに3年目以降は後輩の指導などリーダーシップの研修を取り入れるなど、ステーション内でスタッフの研修プログラムを考えておくと良いでしょう。

新人研修のカリキュラムを作る時のポイント

カリキュラムを作る時に重要なことは、目的です。何のために研修を行うのか、新人スタッフにどのようになって欲しいのかをしっかり考えましょう。そして、その目的を新人スタッフ本人に理解してもらうことも大切です。研修の目的を理解できていない状態で実施しても十分な効果は得られ難いです。そのため、研修の目的とゴールはどこにあるのか、実施する側も、受ける側もしっかり認識しましょう。

また、新人スタッフは段階を経て成長していきます。いきなり様々な研修を実施すると、新人スタッフが混乱してしまう可能性があります。まずは、社会人としてのビジネスマナーや接遇を身に着けることから始め、少しずつ利用者と関わる場を設けると良いでしょう。最初は意思疎通が問題なくとれる利用者と関わり、安心して関われるようになってから、少しずつ難易度を上げていきます。このようにステップアップしていく形で、研修カリキュラムを組むと新人が研修スピードについていきやすくなります。さらに、ステーション運営のための目的意識も共有しておく必要があります。チームビルディング研修を用いて、ステーションの理念や方針等を学び、ステーション全体が一つのチームとなって進んでいくことを学ぶ機会を設けましょう。チームビルディングに関してはiBow訪問看護セミナーで紹介しています。チームビルディング以外にも、ステーション運営に役立つセミナーも開催しているのでぜひ、チェックしてみてください!
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その他、クリニカルラダーを用いたスタッフ育成カリキュラムも効果的です。クリニカルラダーを用いることでスタッフのレベルがどの位置にあるかを把握し、そのレベルの目標や、目標を達成するための行動目標等を一緒に確認しながら進めていくことができます。。各地域の看護協会が訪問看護ステーション向けのクリニカルラダーの実践を作っているケースもあります。詳しくはお近くの都道府県の看護協会サイトをチェックしてみてください。
参考)兵庫県看護協会 訪問看護クリニカルラダー

カリキュラムによく取り入れられている新人スタッフ研修内容の具体例

新人研修にはOJT研修がよく用いられています。OJTとは「On the Job Training」の略で、現場で実践を積みながらスキルを上げていく方法です。看護の分野では、実践による学びが大きい部分が多く、訪問看護の現場でも同様のことがいえるでしょう。講義形式の研修も大事ですが、講義で学んだことを実際の現場で経験することで、より研修の効果が得られます。そのためにも、先輩看護師の訪問についていく、同行訪問という形が取られます。利用者宅が看護の現場となる訪問看護は、同行訪問がOJTとして必須です。同行訪問し、まずは利用者との関わりや利用者宅に訪問する際のマナーを実践していきます。そして、自らの目で確かめた利用者の居住環境や、関わりの中で得られた情報からアセスメントし、利用者に必要な看護を考えます。そうすることで、訪問時のマナーや利用者との関わり方、看護技術やアセスメントにおいての学びを深めていくことができます。

このように、講義や自己学習で知識を増やし、同行訪問の際に先輩スタッフの手技を見学、指導を受けながら実施しスキルを確認、さらに見守りの下で実施を行い、問題がなければ一人立ちという流れで行うのが良いでしょう。

同行訪問した後は、忘れずに振り返りの時間を作りましょう。多忙な業務の中、新人教育の時間を確保することは難しいかもしれませんが、振り返ることで新人スタッフの学びがさらに深まります。学びが深まると、次の実践の場で活かしやすくなり、早くひとり立ちできるようになれば業務の効率をあげることもできます。そのためにも新人スタッフとの振り返りは必ず行ってください。振り返りは反省点だけでなく、できたことも話題にあげるようにしましょう。できなかったことばかりに目が向いてしまいますが、できたことをフィードバックすることで、新人スタッフのモチベーションの上昇につながります。

その他に、公益財団法人日本訪問看護財団が実施しているeラーニングも便利です。訪問看護人材養成基礎カリキュラムに準拠しており、新人の教育に活用できます。職場や自宅のパソコンで好きな時間に学ぶことができるのは大きなメリットです。詳しくは公益財団法人日本訪問看護財団のホームページをご覧ください。
> eラーニングについて詳しくみる

 

訪問看護にも必要!ICTスキル研修

看護技術だけでなく電子カルテを活用しているステーションでは、その使い方の研修も必要です。パソコンやタブレットなど、操作が難しいと感じている方は電子カルテに苦手意識をもっている可能性があります。訪問看護は好きだけど記録が苦手、毎月の報告書や看護計画の作成が大変だと感じている人も新人スタッフの中にはいるかもしれません。訪問看護師は日々の仕事の中で、情報収集やアセスメント、評価や管理を繰り返しています。ICTスキルを上げることで、電子カルテの活用方法だけでなく、利用者の情報収集がスムーズに行うことができ、その情報からアセスメントしたり、疾患の学習につなげたりすることもできます。電子カルテは訪問看護業務には欠かせないものですので電子カルテの使い方も研修に取り入れましょう。

iBowを活用すればICTスキルの研修も簡単

iBowは、日々の看護記録を入力するとレセプト業務まで行えるとても便利な電子カルテです。画面も見やすく、操作も比較的簡単な電子カルテです。訪問先で看護記録を入力でき、入力した内容はリアルタイムで他のスタッフと共有できるため、業務時間の短縮を図れます。また、日々の訪問看護記録を入力することで、レセプト業務まで行えるため効率よく業務ができます。

導入の際にはシステムが苦手な方に向けてオンライン動画での初期動作研修をご提供しています。毎週スケジュール配信される研修動画は、皆様のペースに合わせてご契約期間中なら何度でもご覧いただけるようになっており、さらに、動画配信中にライブで質問ができる時間を設けているので、わからないことはその場で解決することができます。訪問スタッフの方には訪問業務に関する操作説明、管理者・事務員の方には初期設定方法やレセプトに関する操作説明というように、役割ごとに推奨講座をご用意していますので、システムが苦手な方でも安心して使用いただけます。オンラインで使用感をご覧いただける無料デモンストレーションも開催しています。気になる方はぜひ、一度お問い合わせください。
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まとめ

今回の記事では、訪問看護における新人スタッフの研修についてお伝えしました。今後、訪問看護スタッフが増える中で、しっかりとした研修カリキュラムを作っていくことが重要です。新人スタッフや、ステーション全体の成長のためにも、ぜひ効果的な研修体制を整えるようにしましょう。

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