訪問看護でのスマートフォンの活用方法
訪問看護業界においてもICT化が促進されています。スマートフォンやタブレットなどの活用も、ICT化の一つです。今回は、訪問看護でスマートフォンを活用する方法やそのメリットについて紹介します。
訪問看護におけるスマートフォン活用のメリット
はじめに、訪問看護でスマートフォンを活用するメリットについて紹介します。
簡単に看護記録ができる
訪問看護でスマートフォンを活用する最大のメリットは、看護記録が簡単に作成できることでしょう。紙カルテはもちろんのこと、パソコンでしか看護記録の入力ができない場合は、ステーションに戻ってから記録作成に取り組む必要があります。しかし、スマートフォンがあれば、利用者を訪問した直後にその場で記録の入力が可能です。訪問と訪問の間のすきま時間を活用することもでき、業務の効率化にも繋がります。
また、スマートフォンでは写真撮影も可能です。タブレットよりもコンパクトなため、利用者の患部の状態などを記録したい場合にも便利です。写真があると患部の経過を時系列で見ることもでき、他者との共有もしやすくなるでしょう。
持ち歩きしやすい
持ち歩きしやすいことも、スマートフォンのメリットです。タブレットやパソコンのように重くないため、利用者のもとを訪問する際にもかさばることなく簡単に持ち運びができます。
通話が可能
タブレットやパソコンと異なり、スマートフォンには通話機能がついています。訪問看護では基本的にスタッフは1人ずつ異なる利用者のもとを訪れるため、緊急時などの連絡の際に、通話機能のあるスマートフォンはコミュニケーションツールとしても非常に役に立つことでしょう。
タブレットとの違いとは?
訪問看護関係者のなかには、タブレットとスマートフォンどちらが便利なのか悩む人もいることでしょう。タブレットとスマートフォンにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
タブレットがスマートフォンと比較し優れている点
- 画面が大きく閲覧性に優れている
- 複数人でも見やすい
- 書類作成時のプレビューなども見やすい
タブレットはスマートフォンほど手軽ではありませんが、データや資料を閲覧する際や複数人で一緒に確認したい際には、画面が大きく見やすいです。ステーションでの業務に利用するには適しているといえますが、スマートフォンと比較すると持ち運びはしにくいでしょう。また、通話機能もないため、タブレット以外に携帯電話やスマートフォンが必要になることがあります。
スマートフォンがタブレットより優れている点
- 持ち運びしやすい
- どこでも簡単に使える
通話機能があるスマートフォンは持ち運びしやすく、訪問看護業務に活用しやすいポイントが多くあることは先述のとおりです。通話機能もあるため、別で携帯電話などを用意する必要もありません。
訪問看護でのスマートフォンの活用例
ここからは、訪問看護でのスマートフォンの活用例を紹介します。
看護記録の作成
スマートフォンがあれば、看護記録の作成が可能です。バイタルサインや毎回決まって観察する項目などがあればその入力もできます。
多職種との連携
スマートフォンは、医師などの多職種との連携にも活用できます。紙媒体でのやり取りではどうしても転記ミスや情報漏れなどが生じるリスクがある一方、スマートフォンを活用すれば誰もが読みやすい字でスムーズな情報共有が可能となり、密にコミュニケーションを図れます。
画像や動画の共有
スマートフォンがあれば、画像や動画を撮影し共有することもできます。文字だけで看護記録を残すよりも、写真や動画があることでよりわかりやすく具体的に利用者の状態を記載できます。
スマートフォン活用時のリスクと対策
スマートフォンは訪問看護業務において大変便利なものである一方、セキュリティ上の注意が必要となる点は覚えておく必要があります。
最も注意しなければならないのが、盗難や紛失、置き忘れなどによる情報漏えいです。訪問看護では、スマートフォンを所持したまま複数件の訪問をすることがあります。そのため、利用者の自宅への端末の置き忘れや、移動途中に端末を落としてしまうリスクがあり危険です。スマートフォンには利用者に関する個人情報が多数入力されているため、紛失や盗難はもちろんあってはならないことですが、いくら注意していても起こってしまう可能性があります。そこで重要なのが、万が一の事態に備えた対策です。
対策の一つ目としては、盗難や紛失に気付いた際の連絡方法の確認と、速やかに遠隔操作でのロックを行うこと、端末のデータを削除することです。全スタッフが端末の盗難・紛失時の正しい対応方法を理解していれば、万が一の時にも慌てずに適切に処理ができ、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。
対策の二つ目としては、スマートフォンの管理方法についてルールを定めることや、使用時以外には常時端末にロックをかけることなどです。端末を持ち運ぶ際、衣服のポケットに入れただけでは落としてしまう可能性が高いため、チェーンやホルダーなどを活用してもよいでしょう。また、電子カルテシステムにログインするには専用のIDやパスワードが必要です。使用時以外は必ずロックする癖をつけていれば、万が一の際にも第三者に情報を閲覧されるリスクは低くなります。
訪問看護でスマホを活用するなら訪問看護専用電子カルテ『iBow』の導入がおすすめ!
訪問看護においてスマートフォンやタブレットなどの端末を活用する際には、電子カルテシステムが必要となります。そこでおすすめしたいのが、訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』です。iBowでは、タブレットだけでなくスマートフォンでもシステムを利用できます。
また、iBowはセキュリティ対策も万全です。医療情報システムの安全管理に関するガイドラインが 2021年1月に改訂され、令和9年(2027年)時点で稼働しているシステムには、二要素認証が必須となりました。iBowではこの二要素認証をいち早く取り入れ安全に情報を管理できる仕様となっています。また、遠隔操作でのログアウトも可能ですので、盗難や紛失の際も情報漏えいを防げるでしょう。さらにiBowでは、記録内容や写真が端末に残らないのも安心できるポイントです。データはすべてiBow上の専用のサーバーでのみ保存されるため、万が一第三者に端末のロックが解かれてしまったとしても、カルテの内容を閲覧されるリスクは少ないでしょう。
まとめ
今回は、訪問看護におけるスマートフォンの活用方法やそのメリット、注意点について解説しました。訪問看護業務でスマートフォンを活用することは、業務の効率化、ひいてはスタッフの働きやすさにもつながることでしょう。しかし、セキュリティ対策は十分にしておく必要がありますので、iBowを導入してみてはいかがでしょうか。