訪問看護の実地指導

訪問看護事業を運営していく上で、避けては通れない「実地指導」。
実地指導が入ることが決まると、初めての方も、経験者の方も
少なからず緊張するのではないでしょうか。
今回はそんな「訪問看護の実地指導」について取り上げます。

1.実地指導とは?

訪問看護を含む介護事業所には、必ず都道府県や市区町村から実地指導が入ります。
実地指導とは、都道府県や市区町村の職員が訪問看護事業所を訪れて

・ 指定基準を満たして事業を運営しているか?
・ 報酬を適切に算定・請求しているか? など

実際の運営状況を確認するものです。
また、これらの事実確認は基本的に書類・データなどの記録に基づき行われます。

2.所定の帳票を不備なく作成することが大切

実地指導は、書類・データ等の記録に基づき行われるため
日々の業務で記録している記録書Ⅰ・Ⅱや報告書、計画書など
所定の帳票を不備なく作成することが大切になります。

例えば、「訪問看護記録書Ⅰ」は厚生労働省より記載しなければならない所定の項目(下記参照)が示されており、それらに沿ってアセスメントの記録を取るように指示されています。

①訪問看護の依頼目的

②初回訪問年月日

③主たる傷病名

④既往歴、現病歴

⑤療養状況

⑥介護状況

⑦緊急時の主治医・家族等の連絡先

⑧指定居宅介護支援事業所の連絡先

⑨その他関係機関との連絡事項 等

参考:厚生労働省「訪問看護計画書等の記載要領等について」 (最終改定;平成30年3月26日 保医発0326第6号) p.11

上記のように、 作成している帳票が、それぞれの条件・指示を満たしているか 
実地指導上で重要なポイントになります。

3.帳票や記録等の情報管理も重要

意外と実地指導で苦労されるのが、「求められた書類・情報をスムーズに提示すること」。

・ どの情報がどこに記載されているのか
・ どの帳票がどこに保管されているのか

普段からわかりやすい情報管理をすることが大切です。
義務ではありませんが、連携しているコ・メディカルやご利用者様、そのご家族様との連絡記録も
文書で事実確認ができるように準備されることをおすすめいたします。
記録を残す際は、日付や時間・記入者等も記録しておきましょう。

4.具体的に何を見られるの?

では、具体的にどんな観点で、どんな記録・証拠の提示を求められるのでしょうか?
都道府県、市区町村どちらの指導であっても必ず見られる項目として「加算」があります。
このうち、今回は介護保険加算について取り上げ、いくつか事例をご紹介いたします。

 

①ターミナルケア加算
ターミナルケア加算はあらかじめ届け出が必要な加算です。
死亡日および死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを要介護者に対して行った場合、
当該者の死亡月に2,000単位が加算できるものです。
※ 介護予防訪問看護(利用者が要支援者)の場合は対象外となりますのでご注意ください。
※ 最後の訪問した時の適応保険(医療or介護)で加算を算定することとなります。

厚生労働大臣が定める基準

① ターミナルケアを受ける利用者について24時間連絡が取れる体制を確保しており、かつ、必要に応じて訪問看護を行うことができる体制を整備していること
② 主治医との連携の下に、訪問看護におけるターミナルケアに係る計画および支援体制について利用者および家族等に対して説明を行い、同意を得てターミナルケアを行っていること
③ ターミナルケアの提供について、利用者の身体状況の変化など必要な事項が適切に記録されること

【関連記事】 平成30年度:ターミナルケア加算の追加算定要件をわかりやすく解説!

 

実地指導の際は「訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ」に
下記項目が明記されているかを確認される可能性があります。

● 終末期の身体症状の変化やそれらに対する看護の記録
● 療養や死別に関するご利用者様およびご家族様の精神的な状態の変化や、それらに対するケアの経過記録
● 看取りを含むターミナルケアの各プロセスにおいて、ご利用者様およびご家族様の意向を把握し、ご理解をいただいている旨の記載
● ご利用者様およびご家族様の意向に基づくアセスメントや対応の記録

従って、ターミナルケア加算を算定できるご利用者様の「訪問看護記録書Ⅰ・Ⅱ」については
上記ポイントを意識し、日頃から記載・記録することが大切です。

 

②退院時共同指導加算
主治医の所属する保険医療機関に入院中または介護老人保健施設に入所中で、
退院・退所後に指定訪問看護を受けるご利用者様またはそのご家族様に対し、
退院・退所時に訪問看護ステーションの看護師等(准看護師は除く)と入院・入所施設の職員(医師・看護師、医師または看護師の指示を受けた准看護師)が、在宅療養での指導を入院・入所施設にて共同で行い、その内容を文書で提供した場合、原則月1回算定できる加算となっています。

【関連記事】 平成30年度:退院時共同指導加算 増額&算定用件が拡大!

 

上記の通り、退院時共同指導加算は訪問看護ステーションと病院(老健)共同で指導を行い、
その内容を文書で提供することが算定要件となっています。
従って実地指導の際は、「退院時共同指導カンファレンスの記録」の提示を求められる可能性が高く
カンファレンス記録の準備は必須です。
加えて、下記ポイントを事前に確認しておくとスムーズです。

● 当該ご利用者様が特別管理の状態にない場合、他の訪問看護ステーションが退院時共同指導を実施していないか

5.人員基準/タイムカード、勤務表、サービス提供記録

新規開業から1年以内に多くの事業所が実地指導を受けます。そして、実地指導で最も留意しなければならないのは人員基準です。訪問看護ステーションの設立にあたり、看護職員として保健師、看護師又は准看護師が常勤換算にて2.5名以上必要です。

必要な資格を保有してかどうかの確認はもちろんの事、常勤換算で人員基準を満たしているかどうかの確認も重要となります。この場合の「常勤」とは就業規則で定める事になる。一般的な法人の場合、所定労働時間は週40時間で定められているが、小規模な介護・障害福祉事業の場合、最大で44時間まで所定労働時間を延ばす事ができる。所定労働時間の下限は労働基準法には定めがないが、介護・障害福祉事業の制度下では、下限32時間とされている。

そのため、就業規則で週の所定労働時間を32時間~44時間で定める事になり、定めた時間従事してはじめて常勤換算1人でカウントできるのだ。

この人員基準はタイムカード、勤務表、サービス提供記録などでチェックを受けるため、日頃ギリギリの人員で運営している事業の場合、多くは人員基準不備で指摘を受ける事になる。

また指定申請時に氏名を記載した者が指定日から仕事に従事していない場合、虚偽の指定申請として一発で指定取消となるケースもあるため、指定申請時の人員選抜はくれぐれも慎重に行う必要があります。

ユーザー様の事例紹介:~スムーズな書類提出で実地指導加算の所要時間を大幅削減~

訪問看護専用電子カルテ「iBow(アイボウ)」は、
日々の訪問看護記録、関連帳票類の作成、そしてそれらの情報共有・管理を
いつでも、どこでも簡単に行うことが出来るクラウドシステムです。

要件を満たした帳票を多数(50種類以上)ご用意していることはもちろん、
求めている情報をすぐに検索して引き出すことが出来ます
ここでは、実際に実地指導を受けたiBowユーザー様での事例をご紹介します。

2018年9月に実地指導が実施された、長崎市の訪問看護ステーション様では
日々、電子カルテで記録書や報告書などの書類管理をしており、依頼された書類を直ぐに提出することができたため、
本来3時間以上かかる実地指導が、約1時間で完了できました。
「iBowを導入したことで、実地指導がスムーズでした」と嬉しいお声を頂戴いたしました。

また、効率的に帳票を確認することができたため、実地指導の担当職員の方からもお褒めのお言葉をいただきました
そこで、担当職員の方にもご評価頂いたiBowの機能を1つ事例としてご紹介いたします。

欲しい情報をすぐに取り出せる 「ダッシュボード」機能

iBowでは、作成した帳票は全て「ダッシュボード」メニューから探すことが出来ます。
帳票を作成した日時や、事業所名、利用者さん氏名などで絞り込みが可能なので
欲しい帳票をすぐに表示・印刷することが出来ます。

 

今回の実地指導のケースでは、訪問看護記録書Ⅱの提示を求められることが多かったそうですが
iBowのダッシュボード機能ですぐに検索・表示できたため、所要時間を短縮できたそうです。

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