訪問看護ステーションのICT化シリーズ ~災害対策編~

近年、訪問看護ステーションのICT化が推進されています。
ひとえにICT化といっても様々なものがありますが、
代表的なものの一つに 情報の電子化、つまり電子カルテの導入 があります。

 

システムを導入し、情報を電子化することは、災害対策の1つとしても注目されています。
昨今の相次ぐ自然災害を受けて、電子化による対策のお問い合わせを多数いただいております。
そこで今回は、そのメリットや、システム選びで気を付けるポイントをまとめました。

 

当社災害支援活動について

1.「紙」と「電子化データ」、どちらが安全?どちらが便利?

利用者情報などが記載された、1つの原本に対して複数の人が閲覧する必要がある書類は
紙で運用している場合、戻し間違い・返却漏れ・誤廃棄などの紛失リスクが高まります

 

書類を戻す場所を間違えたり、自分の机にしまいっぱなしにしてしまったり、間違って捨ててしまうことも…
また、震災等の災害で事業所内の書類を紛失、または復旧不可能になってしまった場合、過去の情報は取り戻すことは困難…

 

これらのリスクは電子化することによって防ぐことができます。

 

まず書類やデータを電子化すると、情報をインターネット上で管理、更新やバックアップも簡単にできるので、災害等で情報を紛失するリスクを回避できます。
東日本大震災の時には、仙台市において2日でインターネット回線が復旧した例があります。当時は紙での情報管理が主流とされていましたが、その後、電子カルテの導入が急速に推進されたことで情報保護体制が改善されたと言われています。

 

また、書類の紛失リスクを回避するだけでなく、
複数の人がそれぞれ違う場所にいても、同じ書類を確認・共有することができる
という情報共有の効率化というメリットもあります。
棚からの出し入れが無いため、書類が迷子になってしまったり、誤って破棄してしまう心配もありません。
欲しい情報が分別されて保存してあるので、検索性向上=業務効率化もメリットの一つです!

2.システム選びのポイントは?

システム選びには見るべきポイントがいくつかありますが、
今回は「災害対策」という視点でのポイントを2つお伝えいたします。

① ステーションにサーバーを設置しないタイプを選ぶ
システムを使うためには、「サーバー」と呼ばれる
システム(サービス)を稼働したり、データを保管したりする機械が必要となります。

 

この「サーバー」を保有する方法は、大きく2つあります。
(1)訪問看護ステーションに自分のサーバーを設置するタイプ (オンプレミス型)
(2)システム会社が保有しているデータセンターのサーバーを使用するタイプ (クラウド型)

 

このとき、災害対策という観点でシステムを選ぶ場合は 「クラウド型」 がおすすめです。
もし自分のステーションが被災した場合、ステーションの中にサーバーが置いてあるとなると
サーバー自体損壊してしまうリスクがあります。そして、その復旧作業も被災した現地で行うことになるため、多大な労力と時間が必要になります。
必然的に、システムを使えない時間も長くなり、すぐに必要な情報を取り出すことができません。

 

しかし「クラウド型」のサーバーを使用する場合、
データ自体は外部のデータセンターに保管されるため、インターネットが使えればシステムを使うことができます(インターネット上に情報を保管しているイメージです)。
大震災でも2日でインターネット回線が復旧された例のように、クラウド型であれば、すぐに利用者様の情報にアクセスが可能となり、訪問にかけつけることができます。

② データセンターのバックアップ体制はどうか?を確認
「じゃあ、データセンターがある地域が被災したらどうなるの?」
そのような事態にも対応できるように、
バックアップ体制がしっかりと整えられているか、
システム会社に併せて確認することが重要になります。

 

データセンターが安全な土地にあるか?情報のバックアップを取っているか?その他対策を考えているか? ぜひシステム会社に問い合わせてみてください。

大切な利用者様の情報を守るための対策を

最近では、私達eWeLLのもとにも
「災害対策として電子カルテを導入したい」というお問合せが多くなってきております。

 

だからこそ、皆様にはしっかりと安全なシステムであるかを確認して、
安全なシステムを導入していただきたいと考えております。

 

「ICT化」や「システム」と聞くと難しいイメージがありますが、
専門コンサルタントがわかりやすくご説明し、みなさまのご相談に応じます!
どんな些細なことでも、お気軽にお問合せください。

 

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