訪問看護ステーション~スムーズな新規開設の秘訣~

訪問看護ステーション~スムーズな新規開設の秘訣~

在宅療養が進む中、「自分の理想のステーションを作りたい」と新規ステーションの開業を目指されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はこれから訪問看護の新規開業を目指す方へ、在宅医療への「思い」を大切に、スムーズな訪問看護ステーション開設の秘訣をご紹介します。

 

地域包括ケアシステムのまちづくりは地域での「暮らし」が中心となります。すなわち一人ひとりがご自身の望む環境で、最後まで暮らすことができる環境を目指すことです。そうなれば医療や介護のサービスを受けながらご自宅を含む在宅施設で過ごされる方もますます増えていくことでしょう。現在、在宅療養を支える訪問看護のニーズはますます増加しており、診療報酬改定でも医療機関からの訪問看護を評価する加算が新設され、在宅医療、在宅看護への期待も高まっているのが現状です。そのため、これまで以上に医療依存度の高い方々が在宅の領域に増え、高齢者だけではなく、緩和ケアを受けながら最期の時を過ごされる方々、難病の方々、医療的ケアを受けながら生活する子供たちなど、そのニーズも幅広くなっています。

このような社会環境の中で、「訪問看護を始めよう!」と思われる看護職の方々が、すでにあるステーションに所属して「訪看デビュー」をされている方も多くいらっしゃいますが、実は在宅療養への「思い」を形にして新規に訪問看護ステーションの開設を考える方も増えてきているのです。

「思い」を形にする「ビジョン」が大事

まず初めに、今一度、「どうして訪問看護をやろうと思ったか」を言葉にしてください。

一般的にビジョンという言葉で表現されるものです。ビジョンというと難しい言葉やスタイリッシュなキャッチフレーズを思い浮かべてしまうかもしれませんが、シンプルに「このためにやっている」「これを実現したい」という思いを言葉にしたものなのです。つまり、どんなステーションになりたいか、どんなスタッフと一緒にどんな利用者の在宅療養を支えたいか、利用者やご家族とどんな関わりをしていきたいか、ということを言葉にしておくということです。

在宅でのお看取りに寄り添いたい、医療的ケアを受けながら学校に通う子供と家族を支えたいなど、きっかけは様々ですよね。ぜひ、この「初心」をしっかりと言葉として残しておいてください。その「言葉」をもとに、あるべき姿を明確にし、どのようなステーションを作ってくか、どのような利用者に訪問看護サービスを届けたいか、等、戦略を立てていきます。

例えば、同じ志を持った3人の看護師でステーションを開設し、どんどん看護師を採用し、10人規模の大規模ステーションになったとします。開設当初の「思い」を全員が共有するには、やはり言語化されたビジョンと戦略が必要になります。言語化されたビジョンと具体的なイメージがあれば、方向性が定まります。そうすると、顧客像(どのような利用者を対象にするか)が明確になり、どのようなスキル、思いを持った看護師をメンバーに加えるかが明確になります。ターゲッティングとかブランディングと言われるところです。

「とにかく常勤換算で2.5人必要だから看護師なら誰でも良いわ」、という気持ちになってしまうこともあるかもしれませんが、そこは少し「先」を見据えて、ステーションのあるべき姿から人材採用を考えていきましょう。

 

ビジョンと戦略

 

新規開業の手順と心構え

実際の開設手順は各自治体のホームページや様々なサイトで紹介されていますので、そちらを参考にされているかと思いますが、重要なのはスケジュール感です。「いつかは開設したいなぁ」、「準備ができたら申請しよう」ではなかなか先には進めませんね。

まずは事業開始をいつにするか、を決めておきましょう。図では大まかな開設までのスケジュールを示しています。

訪問看護開業のスケジュール

目標は事業開始日(開設初日)から訪問看護に行くことです。

さぁ今日からスタート、でも当面利用者はいないのでまずは営業から、では心配ですね。自費の訪問看護を中心に展開するステーションも増えてきていますが、多くは医療保険、介護保険のサービス提供になります。訪問時に自己負担分だけを集金しているステーションも多いですが、最近は銀行引き落としにするステーションが増えてきています。銀行引き落としの場合、自己負担分の入金も翌月、保険算定分のレセプトを提出して支払い基金から入金があるのは早くて2ヶ月後です。病院で勤務されていた時はこの仕組みを知ってはいても、毎月2ヶ月前の入金があるのであまり気になっていなかったと思います。新規の立ち上げとなると、この事業開始から当面2ヶ月は入金がないという状況になりますので、少しでも早く訪問を始めることが大切になるのです。

 

まずは開設日を決めて、そのために必要な準備期間を見定めてから行動を始めましょう。最近の傾向では、訪問看護ステーションの新規開業が増えていることもあり、指定申請を受けるための届出の予約がなかなか取れない自治体もあるようです。それぞれの自治体の状況などもよく調べてから準備に入ることをおすすめします。

 

訪問看護ステーション開設マニュアル①

訪問看護ステーション開設マニュアル②

 

新規にステーションを開設するときのもう一つの秘訣は、「不安にならない」ことです。前述の通り、開業までには短くても3ヶ月の準備期間が必要です。そして最初の支払い基金からの入金は訪問を始めてから早くて2ヶ月後です。つまり6ヶ月くらいは全く収入がない状態になるのです。そして、開業月から十分な利用者を確保できていれば心配はありませんが、利用者の数も少しずつ増えていくのが現状です。「2ヶ月前の実績で今月の人件費などの経費を賄う」、というビジネスモデルなので、単月での黒字を出せるまでに少し時間がかかるのが実際のところです。この期間があることをしっかりと理解していれば、不安にならずに最初の一年を過ごすことができます。

訪問看護のニーズは高まっていますので、自分たちの方向性を見失わずにしっかりと地域での役割をアピールしていけば実績を伸ばしていくことができます。焦らず、ブレずに、スムーズにスタートし、持続可能なステションを作って行ってください。

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新規で訪問看護を開業される方にもわかりやすく説明していますので、参考にしてくださいね。

 

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