利用者に言ってはいけない言葉遣いや利用者との向き合い方!訪問看護におけるマナーについて徹底解説

利用者に言ってはいけない言葉遣いや利用者との向き合い方!訪問看護におけるマナーについて徹底解説

訪問看護は利用者の自宅に訪問するため、利用者とのコミュニケーションの機会は病棟やクリニックに比べてたくさんあります。利用者との信頼関係を築いていくためにも、訪問中のマナーや言葉遣いはとても重要です。そこで今回は、訪問看護における正しい言葉遣いや利用者との向き合い方についてまとめました。この記事を読めば、訪問時の利用者との関わり方について理解できるでしょう。

目次

利用者に言ってはいけない言葉

利用者に言ってはいけない言葉遣いや利用者との向き合い方!訪問看護におけるマナーについて徹底解説

看護の現場において、利用者に言ってはいけない言葉にはどのような言葉や言い方があるのでしょうか。具体的なNGワードについて説明していきます。

脅し文句

利用者の中には、約束を守らなかったり、認知症で忘れてしまったりするなど、看護がうまく提供できないこともあります。そのようなときに、「次、忘れたら訪問しません。」や「約束を破ったので家族に言います。」などの脅すような発言は、利用者が看護師に対して恐怖心を抱いてしまうため、使ってはいけません。看護師との信頼関係も悪化してしまいますので、きつい言い方ではなく、利用者の気持ちを尊重した優しい言葉がけをするように心がけましょう。

タメ口

繰り返し訪問しているうちにだんだんと慣れてしまい、ついついタメ口を使ってしまう人もいます。また、「敬語は他人行儀のように聞こえる」「信頼関係があればタメ口のほうが良い」などの先入観から、タメ口を使ってしまうパターンもあります。
しかし、訪問看護はプライベートの関わりではなく看護師としての関わりであるため、利用者には敬意を持って接しなくてはいけません。年長者に対しては、敬語を使いましょう。

あだ名や呼び捨て

年齢の近い利用者の場合、親しみを込めているつもりであだ名や呼び捨てで声かけしてしまうこともあるかもしれません。しかし、利用者にとっても家族にとっても不愉快な印象を与えてしまうため、必ず「さん」付けで呼ぶようにしましょう。

専門用語

利用者とのコミュニケーションの中で、専門用語や看護師独自の略語をつい使ってしまうこともあるかもしれません。専門用語や略語は利用者が理解できないことが多いため、利用者が理解できない言葉は使わず分かりやすい言葉で話すようにしましょう。

若者言葉

はやりの言葉や若い人たちだけが使っているような言葉を使ってしまうと、利用者は何を言っているか理解できず不安な気持ちになってしまいます。利用者とコミュニケーションが取れないような言葉は使わないようにしましょう。

赤ちゃん言葉

利用者のお世話をしているからという理由で、赤ちゃん言葉を使ってしまうことがあります。しかし、赤ちゃん言葉は利用者を不快にさせてしまう上に、家族にとっても良い印象を与えないので、使わないようにしましょう。

命令口調

訪問看護は、限られた時間で決められた看護を提供しなくてはならないため、時間に追われてしまうこともあります。利用者の中には、認知症や障害などで行動がゆっくりになってしまう人もいます。看護師が忙しいからと言って、利用者に「早くして!」「座って!」などの命令口調はタブーです。早く行動したくてもできない利用者を傷つけてしまうこともありますし、場合によっては信頼関係が壊れてしまう可能性もあります。どんなに忙しくても、利用者さんには丁寧な言葉遣いで高圧的な雰囲気にならないように気をつけましょう。

また、丁寧な言葉遣いにしようとするあまり、間違った敬語になってしまう場面は意外に多いのではないでしょうか。こちらの記事では意外と使ってしまいがちな間違った日本語や敬語をピックアップしてご紹介していますのであわせて読んでみてください。
>訪問看護師必見!利用者との信頼関係を築く、正しい日本語と敬語のマナー

利用者に向き合う際の注意点

利用者に言ってはいけない言葉遣いや利用者との向き合い方!訪問看護におけるマナーについて徹底解説

訪問看護において言葉遣いはとても重要ですが、利用者が安心して訪問看護を受けられるためにはどのように向き合っていけば良いのでしょうか。利用者に向き合う際の注意点について説明していきます。

利用者の話を否定しない

利用者の中には、認知症があるなどで事実と異なることを話す場合があります。そのようなときに一方的に否定するのではなく、利用者の話を傾聴する姿勢が大切です。否定ばかりしてしまうと、利用者が不安になったり、不機嫌になったりしてしまうので注意が必要です。

利用者の間違いを強く否定しない

時には、利用者が内服薬を誤って飲んでしまうなど、間違った行動をしてしまうこともあるかもしれません。そのようなときに強い口調で否定してしまうと、利用者は怒られたと思い、自信を無くしてしまいます。間違いを指摘することよりも、こうすればもっと良くなるとポジティブな声かけをすることで、利用者も安心することができます。

利用者を急がせない

訪問の時間は限られていますが、ゆっくり行動する利用者を急がすことはやめましょう。急がすとかえってパニックになってしまい、できることもできなくなってしまうので、焦らずゆっくり待つことが大切です。

利用者を侮辱しない

利用者が失敗してしまったときに侮辱したような言葉かけをしてしまうと、信頼関係が悪化します。利用者の失敗を否定せず、次は失敗しないような工夫を一緒に考えてみましょう。

利用者を励ましすぎない

高齢になるにつれ、だんだんとできないことが増えてしまう利用者もいます。そのような状況を見ていると、つい応援したくなる気持ちもあると思いますが、応援したい気持ちが強すぎて「できるよ!」「頑張って!」と看護師の気持ちを押し付けてしまうことは適切ではありません。励ましすぎることは、利用者にとってかえってプレッシャーを与えてしまう可能性があります。できない部分ばかりに着目するのではなく、できることに視点を当て、褒めたり一緒に喜んだりするほうが利用者の励ましにつながります。

利用者に対して先入観を持たない

利用者を「どうせできないから」などと勝手に決めつけてしまうことは、利用者が傷つくだけではなく、やる気やプライドが損なわれてしまい、結果的にできることを減らしてしまう可能性があります。利用者に先入観を持たず、本人を尊重した関わりをするようにしましょう。

利用者を不快にさせてしまったら

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ここまで、利用者との適切な関わり方や言葉遣いについて説明しました。しかし、どんなに気をつけていても、利用者を不快にさせてしまうこともあるかもしれません。もし、利用者を不快にさせてしまった場合はどうしたら良いのでしょうか。

謝罪する

利用者を不快にさせてしまったら、できるだけ早く謝罪しましょう。言い訳をするのはかえって逆効果になってしまいます。誠意を持ってきちんと謝罪し、今後の対応について説明することが大切です。

管理者へ報告する

利用者に謝罪をしたら、管理者にもすぐ報告をしましょう。管理者からも利用者に謝罪をしてもらい、今後同じことが起こらないようにするために原因の分析と振り返りをステーション内で行います。ステーション全体で共有することで、今後の訪問業務に活かすことができるでしょう。

まとめ

今回は、訪問看護における言葉遣いのマナーを説明しました。利用者とコミュニケーションを取る際には適切な言葉遣いを心がけ、信頼関係が構築できるようにしていきましょう。『iBow』お役立ち情報では、他にも訪問時のマナーや第一印象をアップさせるコツについてもまとめていますので、ぜひご覧ください。

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