【職種で業務内容や算定方法が変わる】訪問看護における看護師と准看護師の役割の違いを理解しよう

訪問看護師と准看護師

 

訪問看護の現場には看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など様々な職種のスタッフが働き、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、看護サービスやリハビリサービスを提供しています。

看護師と同様に、看護や診療補助を行うポジションに准看護師があります。普段の業務では特に看護師と准看護師の違いはあまり実感できませんよね。業務内容に違いがあるのかどうか、疑問を感じる現場スタッフもいるのではないでしょうか。実際には看護師と准看護師は法律上の定義も違い、看護師はできるけれど准看護師にはできない業務もあります。さらに訪問看護においては、准看護師が訪問する場合は算定方法も変わってきます。今回は訪問看護を運営していく上で、看護師と准看護師の業務内容の違い訪問看護における算定の違いをお伝えします。

目次

看護師と准看護師の違いとは?それぞれの定義と違い

保健師助産師看護師法によると次のように定義されています

看護師 第五条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。(昭二六法一四七・平一一法一六〇・平一三法一五三・一部改正)
准看護師 第六条 この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。(昭二六法一四七・平一三法一五三・一部改正)

上記のように看護師と准看護師の制度上の違いは、免許の発行者と准看護師が業務を行う際は医師・歯科医師・看護師の指示を受ける必要がある点です。(引用元)保健師助産師看護師法

まずは確認!准看護師ができること・できないこと

ここでは看護業務において看護師と准看護師の違いや、准看護師にできることとできないことについてお伝えします。また、訪問看護における准看護師の業務についても載せていますので、しっかりと把握しておきましょう。


■准看護師ができること

・血圧、脈拍、体温の測定
・点滴の作成、投与採血、点滴路の確保
・食事や排泄、入浴の介助、薬の管理
・処置の補助
・褥瘡防止のための体位変換
・カンファレンス参加
・カルテ入力業務

看護業務の範囲は看護師も准看護師も大きく変わりはありません。検温や清潔ケア、採血や点滴のための血管確保、医師の指示による薬剤の投与、食事介助、カルテ記録業務などは准看護師も看護師と同じように行うことができます。

 

■准看護師ができないこと

・指示されていない看護業務
・看護計画の立案
・他の看護師への指示
・管理職への昇進

准看護師の業務内容は看護師と変わりませんが、自身で判断して看護業務を遂行することはできません。保健師助産師看護師法の定義にもあるように、准看護師が業務を行えるのは医師・歯科医師・看護師の指示を受けてからです。状態の変化等に気付いた場合は看護師に報告し、看護師から指示を受けて看護業務を行う必要があります。

また、24時間対応できるのは看護師または保健師であり、准看護師は行えません。ただし看護師や保健師から指示があった場合は、営業時間外に訪問することができます。

機能強化型訪問看護管理療養費3の届出を行っている訪問看護ステーションにおいて、併設する保険医療機関の看護師が営業時間外の利用者又はその家族等からの電話等に対応する場合を除き、24時間対応体制に係る連絡相談を担当する者は、原則として、当該訪問看護ステーションの保健師又は看護師とし、勤務体制等を明確にすること。

(引用元)厚生労働省訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて

 

訪問看護において訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成は必須業務ですが、看護計画の立案も看護師だけが行うことができます。看護計画は利用者の状態をアセスメントし、立案するものであるため看護師の業務です。そのため、准看護師は看護師から指示があっても看護計画立案の業務はできません。また報告書の作成もできません。

「作成者①②」の欄にはそれぞれ氏名を記入し、併せて看護師若しくは保健師又は理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士のうちそれぞれ該当する職種について○をつけること。なお、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による指定訪問看護を提供した場合には、「作成者①②」の両方に記入すること。

(引用元)訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(抄)

 

また、准看護師は自分より後輩であっても、他の看護師や准看護師に業務の指示をすることができません。なぜなら、保健師助産師看護師法にもあるように、看護師は准看護師に指示を出す側だからです。

そして、准看護師は問看護ステーションの管理者になることはできません。准看護師が訪問看護ステーションの立ち上げを目指すときには、看護師または保健師資格をもつスタッフが必要です。

管理者は管理者としてふさわしいと認められる保健師、助産師又は看護師であって、次のいずれにも該当しない者でなければならないものであること。
イ 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第14条第1項の規定により保健師、助産師又は看護師の業務の停止を命ぜられ、業務停止の期間終了後5年を経過しない者
ロ 健康保険法第91条又は94条の規定により、指定訪問看護ステーションの管理者として変更の指導を受け、変更された後5年を経過しない者又は取消処分を受けた訪問看護ステーションの当該管理者(ただし、取消処分が当該管理者の責務に関わる場合に限る。)であって、取消日後5年を経過しない者
(引用元)厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」 の一部改正について

 

准看護師による訪問はココに注意!准看護師による算定方法

訪問看護では、看護師と准看護師とどちらが訪問するかにより算定方法が変わります。介護保険における訪問看護では准看護師が訪問する際は、看護師が訪問する際の所定単位数の90%で算定します。

また居宅サービス計画上の訪問予定者が変更になる場合も注意が必要です。居宅サービス計画上、准看護師が訪問予定だった場合に事業所の事情により看護師や保健師が訪問したときは、准看護師が訪問した場合と同じ単位数(所定単位数の90%)を算定します。また、看護師・保健師が訪問予定だった場合に事業所の事情により准看護師が訪問した場合も所定単位数の90%の算定となります。

医療保険における訪問看護では、准看護師が訪問した場合の算定金額が定められているので、減算はありません。

准看護師の算定もラクラク!訪問看護専用電子カルテ『iBow』

看護師と准看護師の業務内容にはほぼ違いがなく、改めて意識しないと分からないことばかりです。ただ訪問看護では看護師と准看護師では算定方法に違いがあるため、スタッフの職種を把握しておかなければなりません。訪問看護には多くの複雑な算定方法があり、算定に関わる利用者の訪問目的や時間、内容を全て把握することは困難でしょう。

しかし、訪問看護専用の電子カルテ『iBow』を導入すると一気に解決できます!
iBowでは看護師、准看護師、セラピストなど、職種を選択できます。看護記録の入力により、記録を書いた職種別に算定が自動的に行われるため、月初めのレセプト業務での確認作業を大きく削減することができます。その分、本来の訪問看護業務に手を回すことができ、訪問時間を確保できたり、スタッフ教育、カンファレンスなどに時間を使えたりと利益につながるでしょう。

またiBowのカスタマーサポートは、訪問看護のあらゆることに精通したスペシャリストがそろっています。システムのことはもちろん、加算などの制度まで、皆様の疑問や不安を⼀緒に解決します。

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まとめ

今回は看護師と准看護師との違いと、訪問看護における准看護師の業務内容や算定方法についてお伝えしました。看護師と准看護師ではケア内容に大きな違いはありませんが、以下の点が異なります。

・免許の発行者が異なる
・療養上の世話又は診療の補助を利用者に行う際、医師・歯科医師・看護師の指示を受けなければいけない

訪問看護においては、上記の違いに加えて以下の点に注意が必要です。

・管理者になることはできない
・訪問看護計画書、訪問看護報告書の作成ができない
・看護師または保健師の指示がなければ、24時間対応できない
・介護保険の場合、准看護師が訪問した場合は看護師が訪問する際の90%で算定する

准看護師が訪問看護ステーションで働く際には、レセプト業務での算定に気を付けなければなりません。看護記録や請求業務でiBowを用いると、訪問したスタッフの職種の入力をすることで自動的に正しく算定されます。日々の書類作業やレセプト業務でお困りの際は、訪問看護専用の電子カルテ『iBow』をぜひ検討してみてください。

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