訪問看護の記録とは?作成の流れから注意点、便利ツールまでご紹介

訪問看護の記録

看護師が利用者に対して観察や、ケアをおこなったことの証しとなる訪問看護の記録。訪問した看護師にしか分からない利用者の大切な情報を記載するとても重要な書類です。訪問時に実施したことの責任の所在をはっきりさせる他、報酬にも影響するため、不備のない記録を作成しなければなりません。この記事では、訪問看護の記録とは何かその必要性から記録の種類注意点と訪問看護の記録書作成おすすめのツールについて紹介します。

目次

訪問看護の記録とは

訪問看護の記録とは何か、その必要性や病院での記録との違いを踏まえて説明します。

 

 記録書の必要性 
訪問看護の記録は、主治医の指示のもと利用者本人・家族だけでなく、訪問看護を提供する側、利用者に関わる多職種との連携のためにも重要なツールです。利用者と断片的に関わることの多い訪問サービスは、これまでの経過や情報を記録から確認することで、より良いサービス提供へ繋げていくことができます。サービスの提供時、利用者がどのような状況だったか、どのようなケアを受けたかを正確に分かりやすく記載しなければなりません。記録書は不備がないか実地指導によるチェックも入るため、日頃から正しい記録作成を心掛けましょう。

 

 病院と訪問看護では記録の仕方に違いはある? 
病院と訪問看護の大きな違いは、利用者と関わる時間にあります。病院では24時間、2または3交代で1人の患者を看ていきます。検査データもリアルタイムに把握することができ、医師からの指示も即時に対応が可能です。そのため、記録には患者と関わった時の様子が記載されているので、時間単位で患者の状況を把握できるようになっています。では、訪問看護はどうでしょうか。訪問看護は週に1~2回、終末期の利用者の場合でも1~2日毎、に30分~1時間程度の関わりになることが多いです。また、ケアを行った後、病院での記録のように自分がかかわった時だけの状況を記載すればいいのかといえばそれは違います。訪問の無かった1週間どのような様子だったか、利用者本人だけでなく家族からも情報収集し、実際に看た状況も踏まえてアセスメントした記録が必要となってきます。
さらには、次回自分以外の看護師が訪問した場合でも、的確に分かる記録にすることも大切です。訪問看護ではこれまでに培った看護師としての判断力が、ケアだけでなく記録においても重要となります。

訪問看護の記録Ⅰについて

訪問看護の記録には、訪問看護記録書Ⅰと訪問看護記録書Ⅱがあります。まずは、フェイスシートとも呼ばれる訪問看護記録書Ⅰについて詳しく見ていきましょう。

 

 訪問看護記録書Ⅰの記載項目 
訪問看護記録書Ⅰに記載する事項は、氏名や年齢、生年月日と言った利用者の基本情報以外に以下が挙げられます。

  • 看護師等氏名
  • 訪問職種
  • 初回訪問年月日、訪問時間
  • 主たる傷病名
  • 現病歴
  • 療養状況
  • 介護状況
  • 生活歴
  • 家族構成(氏名、年齢、続柄、職業、特記すべき事項)
  • 主な介護者
  • 住環境
  • 訪問看護の依頼目的
  • 要介護認定の状況
  • ADL状況
  • 日常生活自立度
  • 主治医等の情報(氏名、医療機関、所在地、電話番号)
  • 緊急時の主治医、家族等の連絡先
  • 指定居宅介護支援ステーション、特定相談支援ステーション、障がい児相談支援ステーションの連絡先
  • 関係機関(連絡先、担当者名等)
  • 保険、福祉サービスの利用状況
    (※参考:訪問看護計画書等の記載要領等について)

 

 訪問看護記録書Ⅰの特徴 
訪問看護記録書Ⅰの特徴は、初回サービス提供時に作成することです。主には、これから提供する訪問看護のサービスのために、知っておくべき基本的な情報を収集して記載します。主治医等、連携する他職種からの情報もまとめて記入します。訪問看護は毎回同じ看護師が訪問できるわけではないため、この書類を見るだけで知っておくべき利用者の基本情報を的確に知ることができるようになっています。初回以外でもアセスメント後や利用者の状況が変化した際にも作成します。

訪問看護の記録Ⅱについて

次は、看護師が利用者宅に訪問し、実際におこなったケア内容等を記録する訪問看護記録書Ⅱについてです。

 

 訪問看護記録書Ⅱの記載項目 
訪問看護記録書Ⅱで必要とされる記載項目は以下の通りです。

  • 利用者氏名
  • 看護師等氏名
  • 訪問職種
  • 訪問年月日、訪問時間
  • 利用者の状態(バイタルサイン、体温、脈拍、呼吸、血圧等)
  • 実施した看護、リハビリテーションの内容
  • その他(上記に当てはまらない事項等を記載)
  • 次回の訪問予定日、時間等
    (※参考:訪問看護計画書等の記載要領等について)

 

 訪問看護記録書Ⅱの特徴 
訪問看護記録書Ⅱの特徴は、訪問する度に作成することです。この書類に関しては記載方法に決まりはありません。厚生労働省が提示している書類様式例を参考に書類作成をしているステーションが多いようです。自由記載となっているからこそ、看護師による記載方法の違いでのバラつきが出てくる書類です。誰が見ても分かる記録書作成のためには、ステーション毎で記載方法の決まり(SOAP形式や用語記載の統一等)を作るといった工夫が必要となってきます。

訪問看護記録の作成の流れ

記録作成は訪問時に随時おこなうパターンと、訪問が終了してから記録するパターン、訪問時にある程度作成しつつ終了後に完成させるパターン等様々です。ステーションの方針や、ケア提供の状況、利用者の状況、看護師毎の記録方針等により異なってきます。作成した訪問看護記録は、2年間必ずステーションで保管する決まりとなっているため、紛失といった事態にならないよう厳重に管理しましょう。

訪問看護記録作成時の注意点

では、訪問看護記録作成時に注意すべきことをポイントで紹介します。

 

 不備なく作成すること 
訪問看護の記録は適切なケアをおこなったことの証明書でもあります。記録に不備があると、質のある看護を提供しているのに、きちんと評価されず、不正に報酬請求していると判断される場合もあるのです。実際、実地指導時に指摘を受けた事例として、提供したサービスの記載漏れや、サービスの提供時間と記録の相違、サービス内容の変更事由の記載漏れ(時間が短くなった理由の記載漏れ等)、といった指摘がありました。利用者にとっても、看護師にとっても、運営するステーションにとっても質の高い安心・安全なケア提供をおこない、見合った報酬を得ることは非常に重要です。ケア業務ばかりに気を取られて、記録がおろそかになってしまうことがないよう、日頃から記録の大切さを念頭に置いておきましょう。

 

 普段から分かりやすい情報管理をおこなうこと 
普段から記録書の管理をしっかりおこなっておくことも大切です。実地指導時は、膨大な記録の中から指定された記録をスムーズに提示する必要があります。提示を求められた情報がどこに保管されているのか、どの記録を見れば記載がされているのかを把握できるよう、日頃から記録の管理、保管を徹底しておくことをおすすめします。

 

 加算に必要な項目には特に注意すること 
実地指導時に重点的にチェックされる項目として様々な加算項目が挙げられます。訪問看護にはターミナルケア加算や、退院時共同指導加算、緊急時訪問加算、複数名訪問加算等、多くの加算項目があることが特徴です。加算対象となるサービスは、訪問看護の質を高めるものが多く、国もステーションのサービス提供を評価するために加算システムを設けています。ステーションを運営していくためにも、利用者の満足度にも繋がる加算は大切な報酬源です。実地指導で指摘された事例として、利用者または家族等の同意を得ていない等で、算定要件に満たしていないと判断されるケースが多くあります。加算要件となる項目記載の不備がない記録作成ができるよう、記録時は注意が必要です。記録書は実地指導で提示を求められやすい書類です。

円滑な業務には訪問看護専用電子カルテ『iBow』がおすすめ

訪問看護の記録は不備なくかつ、だれが読んでもわかりやすい記録にする必要があります。記録書に記述式の項目が多いと、スタッフ個人の能力や主観によって評価基準が異なり、記録がバラついてしまうのが課題となります。 そこで、訪問看護専用電子カルテ『iBow』では観察項目とその評価をあらかじめ設定・共有しておくことで、誰が見てもわかる記録を作成できます。 また、訪問看護記録書Ⅱを作成することで、自動的にレセプト情報として訪問実績が反映されるため、「記録書と実績の突合」「予実管理」「指示書確認」「保険書確認」の業務がなくなり、いままで月初に集中して行われていた情報収集作業や、何度も行う多重の確認業務を大きく削減することができます。
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まとめ

訪問看護での看護記録について、病院での記録との違いや、正しく記載する必要性、注意すべきポイントについて紹介しました。訪問看護の記録は、訪問実績だけでなく、利用者のアセスメントやステーションのサービス向上を行うためにもとても重要です。しかし、重要な分、記録の作成や管理に多くの時間を費やしているステーションも多いのではないでしょうか?

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