「人材」と「人財」はどう違う?訪問看護ステーションの成長に向けて
日本では高齢化が進み、医療機関のベッド数が足りなくなる恐れがあることから、在宅医療が推進されています。しかし、対応してくれる医師や看護師がいなければ、在宅医療は成り立ちません。実際に訪問看護の現場は人材不足が進んでおり、将来的な経営に不安を抱いている経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような中、今いるスタッフ、もしくは採用に至った新入社員・中途採用者一人ひとりのモチベーションやスキル、能力をアップさせる人財育成が重要と考えられています。
今回は、経営者・管理者に向けて、ステーションを成長させていくために必要な「人財」についてご紹介します。
「人材」と「人財」の違い
従来の人材という言葉に対して、最近は人財と漢字をあてることも多く見られます。「人材」と「人財」には意味の大きな違いがないため、使い分けがわかりにくい表現です。ともに、同じ音ではありますが、以下のように使い分けられていることが多いようです。
人材
辞書には、「人材」の意味を「才能があり、役に立つ人。有能な人物」と示されています。仕事をする上で、役に立つ能力を備えている人材は、訪問看護ステーションの発展に大きく貢献するでしょう。「材」という字からは「原料」や「材料」といったものが連想できます。つまり、人材とは「仕事をこなすために必要な人的資源」という考えを併せ持った表現です。
人財
新たな考え方として「人財」という発想を取り入れる企業が最近では増えてきています。「財」という字は「宝」や「金銭」など、値打ちのあるものという意味を持っています。つまり、人財とは「会社にとって従業員は価値のあるもの」という考え方を示す表現です。また、財産は投資を行うことによって価値が高まるものという見方もあるので、同様の発想から、ステーションにとってスタッフは「教育や研修によって成長し、更なる成果をあげる存在」という見方もあります。
人財を育てよう
上記では「人材」と「人財」の違いについて紹介しました。「人材」は仕事をきっちりと処理できる人のことをいい、「人財」が会社経営にとって財産である人ですので、いずれも会社にとって有益な人を指しています。しかし、ステーションの成長を目指し、価値を高めるために、ステーションにとってなくてはならない「人財」を育てていくことが大切です。
「人財」を育成することによりスタッフ一人ひとりのスキルが向上すれば、サービスの質が向上し利用者の満足度が上がり、利用者の満足度が上がれば社員のモチベーションがさらに上がるという好循環が期待できます。適切な人財育成は、離職率の低下や採用コスト削減にもつながります。
スタッフを「人財」に変えるには
ステーションとしては当然、人財を少しでも増やしたいところでしょう。「人材」を「人財」に変えるにはどうすれば良いのでしょうか。経営者や管理者が意識、実践したいポイントを解説します。
向上心と意欲を持たせる
天性の資質によって「人財」である人は稀です。「人財」になるのも維持するのも、高い意欲と努力があってこそのことです。スタッフが向上心を持って意欲的に仕事に向き合えるような働きかけが、人財の育成につながっていくでしょう。そのためにもステーションの理念やビジョンとスタッフの成長とを紐付けたコミュニケーションを行うことが重要です。
目的や目標を与える
必要なことは、スタッフに「目的」や「目標」を与えることです。目的や目標が明確になれば仕事との向き合い方が変わります。逆に、目的や目標が不明瞭なままでは個々がレベルを落としていく可能性もあるのです。
OJTを実施する
「On The Job Training」の略で、実際の職場で実務を経験しながら仕事についての知識や技術を学んでいく手法です。上司や先輩社員と二人三脚で行うことが多いため、育成の進行度合いに合わせて柔軟な教育が可能で、教える側の気付きが多くあるのも特徴です。対象者の特技や性質を深く知ることができ、業務の改善点なども気付きやすいことから、多くの企業が導入しています。
注意点としては、OJTで教える側の人間は、自らの業務と並行して指導をするので、業務量が過多になり、振り返りの時間を取ることができなくなる可能性があります。OJTを行う従業員と事前の計画を立てつつ、教育を受ける対象者の習熟度に合わせて都度見直しを行い、管理していくことが大切です。訪問看護であれば、新人看護師が先輩看護師の訪問に同行するなど、新人看護師が独り立ちできるまで教育する際に採用される手法です。
まとめ
今回は「人材」と「人財」についてご紹介しました。人手不足、働き方改革、多様な働き方の広がりなど組織内の状況が大きく変化している中で、改めて「人材」について考え直す組織が増えています。人材はステーションの資産です。ステーションの価値をますます高めるために、ステーションにとってなくてはならない「人財」を育てていくことがステーションを成長させていくためには必要となります。
また、良い人財を育てるためにスタッフのスキルUPは必要です。訪問看護専用電子カルテ『iBow』では、観察項目のカスタマイズが可能です。カスタマイズすることにより、評価の標準化ができ、ステーション内で評価の統一化を図ることがが可能です。また、様々な統計データを出力できるため、「今月は500件の訪問を目指そう」「新規利用者を10人受け入れよう」「ターミナルの利用者が増えてきたからみんなで研修しよう」などステーションの状況を分析し、可視化することができるのでステーションの目標も立てやすく、スタッフ全員で同じ目標を持つこともできます。ステーションの運営にiBowを役立ててみてはいかがでしょうか?
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