利用者を増やすための第一歩!訪問看護で望まれる利用者のニーズを知ろう

利用者のニーズを知ろう

少子高齢化が進む近年。介護の需要が高まると共に、医療処置も必要となることから、訪問看護の需要も高まることが考えられます。今後高まる需要に対応していくためにも、訪問看護ステーションはより良いサービスを提供することに努める必要があります。より良いサービスに必要なのは、ずばり利用者のニーズを反映させることです。そこで今回は訪問看護ステーションに求められるニーズとは何なのか、増加しつつあるニーズについて紹介します。

目次

まずは現状を確認しよう!訪問看護ステーションの利用者の状況

訪問看護の主な利用者は、70歳以上の高齢者です。特に、要支援や要介護者の割合が多く、要介護度(要支援度)が高くなるに連れ、サービスを利用する人は増えています。また、1事業所当たりの利用者数で見ると、サービスを利用する人の内、7.7人が介護予防サービスを、42.6人が介護サービスも受けています。
(※参考)厚生労働省 平成28年介護サービス施設・事業所調査の概況「訪問看護ステーションの利用者の状況」

そのため、訪問看護では、医療ケアのサービスだけではなく、生活支援も充実した訪問看護ステーションが望まれます。こういったニーズや訪問看護ステーションに望まれている要素も多いなか、訪問看護ステーションは年々増え続けています。とはいえ、増え続ける一方で廃業となる訪問看護ステーションも多いです。一般社団法人全国訪問看護事業協会の「令和3年度 訪問看護ステーション数 調査結果」によると、令和2年度中のに新規で設立された訪問看護ステーションは全国合計で1,633件と報告されています。しかし廃止数は全国合計で541件ともなっており、決して少ないとはいえない数値です。廃業となる理由は訪問看護ステーションごとにありますが、そのなかの1つとして営業がうまくいっていないことが考えられるでしょう。例えば、新規利用者の獲得がうまくいかないと、利益が上げられず経営難となってしまいます。医療ケアを提供しているだけでは、利用者が望むニーズは満たすことができません。事業継続を目指すには、利用者のニーズを理解し、適したサービスの提供が必要です。

訪問看護のサービス内容とは?提供できるサービスを確認しよう!

ニーズを選ぶためにも、まずは訪問看護の内容を把握する必要があります。訪問看護のサービスには、何が含まれるのでしょうか?主な訪問看護のサービス内容を紹介します。

 

 医療的ケア 

訪問看護サービスの基本となる内容です。点滴注射や褥瘡(じょくそう)の処置等、医師から交付された. 訪問看護指示書に従い処置や指導をします。ほかにも、カテーテルの管理や人工呼吸器の管理等もあり、サービスの内容は利用者ごとに違います。また、薬も処方されている場合には、服用の管理や指導も必要です。毎日飲み忘れがないか、用法用量を守って正しく服用しているか等を確認します。

 

 療養生活での支援・指導 

訪問介護と同じように、療養生活のサポートもサービス内容に含まれます。排せつケアや食事ケア、入浴の手伝いや口腔(こうくう)内ケア等も、病状が進行しないための予防的支援の一環です。また、普段は利用者自身でしてもらうため、服薬等の自己管理を指導する場合もあります。

 

 在宅リハビリテーション 

筋力の低下や身体機能の低下等がある場合には、リハビリテーション(以下リハビリ)も指示されます。主な内容は「立つ」や「歩く」といった運動機能の回復を目的としたものが多いですが、健康寿命を延ばすため予防リハビリも訪問看護では行われます。ほかにも、「食事」「着替え」といった機能訓練等もあり、利用者の状態に合わせてリハビリ内容は異なります。訪問看護師もリハビリを行うことができますが、より専門的なリハビリを利用者に提供するには理学療法士や作業療法士、言語聴覚士など専門スタッフを雇用しましょう。

 

 精神・心理ケア 

精神疾患の利用者には、精神的ケアも必要です。主なサービス内容は、服薬指導や生活支援等一般的な訪問看護の内容と同じですが、ほかにも、心理状態の確認やケアも含まれ、より繊細な指導が必要となります。

 

 利用者家族への技術指導 

利用者に生活指導をするだけではなく、利用者家族にも生活や技術指導もします。入浴や排せつ等、利用者だけでは難しいことも多く訪問看護師がいない時には、訪問看護師の代わりに利用者家族に手伝ってもらいます。

利用者を増やすためにニーズを知ろう!今後増えてくる疾患とサービス内容

近年の訪問看護では、脳血管や心疾患等の循環器系の症状を持つ利用者の割合が多い傾向にあります。特に介護保険から利用する人が多く、訪問看護の実施割合も、服薬管理が特に多いです。介護保険は、65歳以上の高齢者が主な対象であり、要介護状態、または要支援状態なら誰でも受給可能です。今後も循環器系への訪問看護サービスはニーズが高いといえます。
(※参考)平成 30 年度公益財団法人 日本訪問看護財団「訪問看護ステーション等の現状 」

とはいえ、誰もが循環器系のサービスを求めるわけではなく、医療保険から利用する人は、神経系の症状を持つ人が多いです。神経系には、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった症状が該当し、神経しびれによる動作の不自由が多くなります。動けないことで褥瘡になる利用者も少なくないため、服薬管理に次いで、訪問看護の実施状況には褥瘡の予防や処置が挙げられます。ほかにも、在宅酸素療法の援助、喀痰(かくたん)や気道内吸引、ぼうこう留置カテーテルの管理等、健康保険の利用者は医療処置に関する割合が、介護保険の利用者よりも軒並み高くなります。
(※参考)平成18年度日本看護協会「訪問看護ステーションにおける在宅療養支援診療所との連携に関する研究」

近年では医療保険の利用者の需要も増えているため、神経系への訪問看護サービスも、十分なニーズがあるといえるわけです。介護保険の利用者をターゲットとするなら循環器系に対するサービスの提供を、医療保険の利用者をターゲットとするなら神経系に対するサービスの提供を充実させることで、利用者を増やすことにつながります。

さまざまなステーションのニーズに対応!訪問看護専用電子カルテ『iBow』

訪問看護は、誰もが同じサービスを求めているわけではありません。介護保険と医療保険では、それぞれ違った疾患を持つ利用者になり、求める内容も変わってきます。そのため、全ての利用者に同じサービスを提供するのではなく、利用者ごとにサービス内容を変えていくことが、利用者を増やすための重要な要素といえます。とはいえ、全てのニーズを満たすことは簡単なことではありません。極端な話ではありますが、疾病やけがの数だけニーズが存在するとも考えられるからです。サービス内容をまとめるにしても、疾病ごとに対応も違うため、情報量は膨大になります。効率よく情報を集め、適したサービスを決めるためには、検索しやすい電子カルテの導入が必要といえます。

作業を効率化できる電子カルテはいくつもありますが、訪問看護専用電子カルテ『iBow』は医療・介護・精神・小児など様々なニーズに対応できる電子カルテです。訪問看護において、訪問看護記録はもっとも重要なデータです。しかし、記録書に記述式の項目が多いと、スタッフ個人の能力や主観によって評価基準が異なり、記録がバラついてしまうのが課題となります。iBowでは利用者の適用保険や訪問者の職種別に日々の記録で表示される観察項目や評価選択肢を、事業所であらかじめ設定・メンバー共有を実施することで、各メンバーの主観や能力による記録のバラつきを防ぎ、記録の標準化を実現します。
> カスタマイズで記録を標準化!iBowの機能を詳しくみる

まとめ

訪問看護に求められるのは、利用者ごとに異なるサービス内容です。利用者ごとにニーズは異なるため、サービス内容もそれに合わせて変える必要があります。リハビリが必要なら理学療法士を雇用、疾病の情報が必要ならさまざまな科の医師に相談する等、訪問看護師以外との連携が必要となります。また、互いに連携を取るためには、電子カルテの導入が必要です。電子カルテならネットワークで情報を共有することができ、すぐに情報のやり取りや検索ができます。なかでも、iBowは訪問看護師の環境をよくするための専用ソフトであり、訪問看護師の業務負担を軽減できます。訪問看護ステーションを維持するためにも、ただ漠然と運営をするのではなく、利用者は何を求めているかを、利用者目線から見直してみてください。
> iBowの使用感をデモンストレーションでみる

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