訪問看護師が抱えるストレスとは?ストレスの原因と解消方法をご紹介!

訪問看護ストレス

看護師はストレスが多い職業と言われています。人間が生活していく上で適度なストレスは欠かせませんが、強く長期にわたるストレスは精神的・身体的に悪影響となります。今回は看護職の中でも、訪問看護師にフォーカスして、ストレスの原因や対処法について紹介します。ストレスに打ち勝つための知識として参考にしてみてください。

 

目次

訪問看護師が抱えるストレスの原因4選

ストレスが発生するには何かしらの原因があります。訪問看護師は一体どのようなことがストレスになっているのでしょうか? 漠然と「仕事がストレスでしんどいな・・・」と感じている方はぜひ一度、どんなことがストレスになっているのか考えてみてください。 原因を知ることで対処法が見えてくるかもしれません。まずは訪問看護師がストレスを抱える原因4つを紹介します。

 

 1.一人で判断するプレッシャー 
訪問看護師は、基本的に一人で利用者のご自宅に訪問します。日常生活援助だけでなく、状況をみながら必要なケアを行うため、仕事量が多くなってしまうこともあります。また、家族や利用者本人から不安や悩みを相談された時、対応に悩んだり「わからないな・・・」と感じることもありますよね。ときには「私じゃなければもっと上手くできるのかも」と技術不足や適性がないと考え込んでしまうかもしれません。もちろん、管理者や同僚に相談できますが、不測の事態が起こった時には自分だけで判断する場合もあります。訪問看護はその職場環境から、個人の判断や選択の連続であり、プレッシャーからストレスを感じる方が多いです。特にオンコールの際は1人で対応することも多いため、よりプレッシャーを感じるかもしれません。オンコールについての記事はこちらを参考にしてみてください。
>訪問看護のオンコール!頻度・緊急時の対応・手当・過ごし方

 

 2.家族や利用者との意見の相違やジレンマ 
治療には必要だけれども、家族はあまり気が進まない様子・・・なんてことはありませんか?
特に在宅療養は病院に比べ、家族の意向が強くなる傾向にあります。利用者のために考えたケアでも、家族や本人の希望と合わなければ意味がありません。ニーズや希望を考えつつ医療的にも質の高い看護を提供することは、かなりのストレスになるでしょう。

 

 3.関係各所との調整 
ストレスを感じる原因の上位にあるのが人間関係に関する悩みと言われています。訪問看護師は利用者や家族と接する機会が一番多いため、必然的に質問や希望を聞くことが多くなります。また、利用者だけでなく
ケアマネージャーや医師、入院・施設関係など、関係機関への連絡や調整を行う場合が多くなるため、他職種との連携も必要不可欠です。そのため、利用者や家族らと、医師やケアマネージャーとの意見の相違が発生すると、間に挟まれる訪問看護師はストレスを感じてしまうでしょう。

 

 4.オンコール対応 
訪問看護ステーションによっては、オンコール対応が必須となる場合もあります。夜間に急変や家族では対応が困難な場合に呼ばれるため、緊急性が高く、判断に困る場面もあり、精神的に負担がかかります。また、オンコールで呼ばれても通常の日勤業務が始まるため、体力的にも辛くなる場合が多いです。オンコール手当はあるものの精神的・体力的に負担となるオンコール対応はストレスの一因ともなるでしょう。

簡単に実践できる!ストレスの解消法

ストレスは限界まで溜め込む前に気づき、日常的に解消していくことが大切です。仕事にストレスを感じてムカついたりイライラしたりしたときに、自分なりの発散方法を持っておくと良いでしょう。仕事で感じるストレスを解消するために簡単に実践できるストレスの解消法をご紹介します。

 

 運動 
いつも仕事中に体を動かしているのに、本当にストレス解消になるの?と感じる方もいるのではないでしょうか。体を動かすことで、セロトニンが分泌されます。セロトニンは精神を安定させ、リラックス作用もあり、不安やうつなどストレスからくる精神症状を改善する働きがあります。運動自体にもリフレッシュ効果があり、運動する時間は集中しているためストレス発散には効果的といえます。


(おすすめの運動)
・ジムに通う
・ヨガやストレッチ
・散歩やランニング

 

 休養・寝る 
ストレスが多かった週のお休みは、何もせずに家でゆっくり過ごしてみるのもおすすめです。好きな飲み物を飲んでほっと一息つく、お昼まで寝てみるなど、自分に合った休日の過ごし方を見つけてみましょう。

(おすすめの過ごし方)
・好きな香りの入浴剤を入れて半身浴
・パジャマのまま過ごす
・早めに寝る

 

 友達と会う、話す 
友人と待ち合わせて楽しい時間を過ごすこともストレス発散には良いとされています。
誰かと話をして一緒に笑ったり、有意義な意見交換ができるといったメリットもありますよね。特に笑うことは、副交感神経が優位となり、ストレスホルモンの分泌が減少します。自律神経を整えるためにも笑って過ごせる時間を作りましょう。

 

 思いっきり趣味を楽しむ 
あなたには趣味はありますか?
趣味とは呼べなくても、好きなこと、ずっと続けていても苦ではないこと、寝食忘れてしまうほど没頭することなど、夢中になれることは見つけやすいです。ストレスが溜まった際は、好きなことを思う存分楽しめる環境を作りましょう。嫌な言動や悲しい出来事があると、業務外でも考えてしまい、休日にもかかわらずストレスが増えてしまうこともあります。できるだけネガティブに考える時間をなくし、メリハリをつけると前向きな解決策が浮かぶこともあるでしょう。

 

 旅行 
行きたかった憧れの宿や、観光スポットへ出かけてみることもストレス発散になります。
非日常的な環境は、悩み自体が小さなものだと思わせてくれる魅力がありますよね。ストレスを感じると、コルチゾールと言われるストレスホルモンが分泌されます。旅行中はセロトニン量が増加する他、ある研究ではコルチゾールが減少するという報告もあり、ストレス解消には効果的であるといえそうです。 

訪問看護師がストレスを予防するための方法とは?

 ストレスマネジメントを学ぶ 
厚生労働省によると、ストレスマネジメントとは、「ストレスとの上手な付き合い方を考え、適切な対処法をしていくこと」を指します。ストレスの感じ方、受け止め方は一人ひとり異なります。しかし、自分がストレスに押し潰されないように付き合っていくためにはどうすればいいのかを考えていけると、ストレスによる体調不良や精神症状の出現を予防できます。近年はメンタルヘルスへの関心が高まっており、書籍やオンライン講座など幅広い媒体で学ぶことができます。
(※参考:厚生労働省「ストレスマネジメント」)


 自分の心と向き合う 
ストレスマネジメントと似ている部分もありますが、ストレスがかかった時に自分の中で何が起こっているのかを冷静に考えてみましょう。

ストレッサーを自覚する 
自分はどういう場面や言動でストレスを感じるのか考えてみましょう。例えば先輩に指摘を受けた場面では、単語に引っかかったのか、理不尽さなのか、言われた内容ではなく場所の配慮が足りていないからなのかなど、自分の中で反応した理由があるはずです。その理由を明らかにすることで、次回、同様な状況で冷静に「私は今ストレスを感じているから対処しよう」と次の対応を考えやすくなります。

自分の思考のくせを発見する 
自分が物事をどのように捉える傾向があるのかを把握しておくことは、自分をふり返り、気持ちを整理するきっかけをつかむことができます。自分の思考のくせを知るために、ストレッサーを見つけたらその場面で自分がどのように感じたのか日記をつけてみるなど、感情の流れを自分で確認することもストレスを予防する方法の1つです。また、アンガーマネジメントとも重なる部分ですが、「今こういう場面で私はこう感じている」と分析できれば、ストレスフルな状況を回避でき、感情に支配されることが少なくなります。アンガーマネジメントについてはこちらの記事を参考にしてください。
>訪問看護の管理者が知りたい!アンガーマネジメント ~ 問題となる怒りの原因と対処法 ~

 

 ストレス抵抗力をつける 
不規則な生活や暴飲暴食はもちろん、自分にとって楽しい予定でも、連日入っている場合はストレス過多になりやすいため、注意が必要です。免疫力同様、ストレス抵抗力も規則正しい生活適度な運動で向上・維持されます。バランスの良い食事、プライベートの充実なども含め、ストレス環境に身を置く時間を少なくしていきましょう。

まとめ

ストレスを冷静に受け止められると、仕事への姿勢もより良いものになるかもしれません。今回の記事を参考に、ストレスについて考えてみてくださいね。iBowお役立ち情報では、「訪問看護師のイライラ対処法」や「リフレッシュの方法」についての記事もありますのでこちらもチェックしてみてください。

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