精神科訪問看護の算定要件研修とは?わかりやすく解説!

精神科訪問看護の算定要件研修とは?わかりやすく解説!

「精神科訪問看護の研修ってなに?」「精神科訪問看護の研修ってどこで受けられる?」精神科訪問看護で診療報酬をもらうには、精神科訪問看護基本療養費算定要件研修を受け、算定要件を満たす必要があります。この記事では、精神科訪問看護基本療養費算定要件研修とは何か、概要と研修の詳細について分かりやすく解説します。今からでも受講可能な令和6年度の研修もご紹介しますので、研修を受ける予定のある方はご参考にしてください。

目次

精神科訪問看護基本療養費算定要件とは?

精神科訪問看護基本療養費算定要件とは、精神科訪問看護で診療報酬をもらうための要件です。要件を満たしている場合は、地方厚生(支)局へ届け出が必須です。以下にて、算定要件と届け出について解説します。

算定要件

精神科訪問看護基本療養費を算定するには、保健師、看護師、准看護師または作業療法士が以下のいずれかに該当する必要があります。

・ 精神科を標榜する保険医療機関において、精神病棟又は精神科外来に勤務した経験を1年以上有する者
・ 精神疾患を有する者に対する訪問看護の経験を1年以上有する者
・ 精神保健福祉センター又は保健所等における精神保健に関する業務の経験を1年以上有する者
・ 国、都道府県又は医療関係団体等が主催する精神科訪問看護に関する知識・技術の習得を目的とした20 時間以上を要し、修了証が交付される研修を修了している者

過去に精神科の業務経験がなくても、該当する研修を修了すれば精神科訪問看護基本療養費を算定できます。訪問看護ステーションで勤務する多くの看護師は、該当する研修を修了し、精神科訪問看護を行っています。

※参考:訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について‐厚生労働省

届け出

精神科訪問看護基本療養費を算定するには、地方厚生(支)局に「精神科訪問看護基本療養費に係る届出書」の提出が必須です。「精神科訪問看護基本療養費に係る届出書」内の「届出内容」の箇所には、精神科訪問看護が可能な職員の氏名、職種、経験内容を記載します。各月の月末までに提出した届け出は、その翌月から精神科訪問看護基本療養費の算定が可能です。なお、月の最初の開庁日に提出し受理された場合は、当該月の1日から精神科訪問看護基本療養費が算定可能です。

※参考:訪問看護ステーションの基準に係る届出(令和6年度診療報酬改)‐厚生労働省
※参考:令和6年度集団指導‐厚生労働省保険局 医療監査室

精神科訪問看護基本療養費算定要件研修とは?

ここでは、精神科訪問看護基本療養費算定要件研修の目的とカリキュラム、受講形式、受講期間(受講時間)、受講料についてご紹介します。

目的

精神科訪問看護基本療養費算定要件研修は、精神疾患を有する方への訪問看護に必要な知識、技術を習得することを目的としています。研修を通じて、多職種との連携や、精神疾患を有する方への適切な看護介入も学びます。

カリキュラム

精神科訪問看護基本療養費算定要件研修のカリキュラムは、厚生労働省によって以下のように定められています。

・ 精神疾患を有する者に関するアセスメント
・ 病状悪化の早期発見・危機介入
・ 精神科薬物療法に関する援助
・ 医療継続の支援
・ 利用者との信頼関係構築、対人関係の援助
・ 日常生活の援助
・ 多職種との連携
・ GAF尺度による利用者の状態の評価方法

※参考:令和6年度集団指導‐厚生労働省保険局 医療監査室

受講形式

受講形式は、対面形式とオンライン形式の2つがあります。都道府県が実施する研修は対面形式が多く、団体が実施する研修はオンライン形式が多い傾向にあります。対面形式は、3日間で集中して学ぶことができ、受講者と意見交換ができるメリットがあります。しかし、開催地によっては、移動の際に時間や費用がかかるデメリットもあります。一方、オンライン形式は、インターネット環境さえ整っていれば、どこでも受講ができることがメリットです。ただし、ネット環境に依存するため、インターネット環境がよい場所で受講する必要があります。なお、オンライン形式の研修では、指定された期間中に自由に受講できるオンデマンド配信もあれば、オンライン受講の日時が決まっているライブ配信もあります。主催する団体によって異なるため、事前に研修の日程を確認し備えましょう。

受講期間・受講時間

受講期間や受講時間は、開催する団体によって異なります。目安として、受講期間はおおよそ3日、受講時間は20時間~25時間ほどです。

受講料

受講料は、対面形式の場合は2万~4万円ほど、オンライン形式の場合は15,000円~28,000円ほどです。対面形式は、会場の準備や講師の配置が必要なため、オンライン形式と比較すると高い傾向にあります。団体が主催する研修では、会員か非会員かで受講料が異なることが多いです。団体会員の場合は一般会員よりも費用が安くなり、その差額は1万円になることもあります。訪問看護ステーションが団体に加入していると、安く受講できる可能性がありますので、確認しておきましょう。

今から受講可能!令和6年度 精神科訪問看護基本療養費算定要件研修

令和6年度に開催予定の精神科訪問看護基本療養費算定要件研修をご紹介します。すべてオンライン形式での開催となります。詳細は各研修ページをご確認ください。

研修名 団体名 日程 申込期日 受講料
令和6年度改訂版 精神障がい者の在宅看護セミナー~精神科訪問看護基本療養費の届出要件を満たす研修~ 日本訪問看護財団 2025年2月7日(金) 2025年1月8日(水)~1月17日(金) 会員:
1万5,400円
非会員:
2万5,300円
2025年3月7日(金) 2025年2月5日(水)~2月14日(金)
精神科訪問看護研修~基礎編~ 東京都訪問看護ステーション協会 2025年1月15日(水)~2月14日(金) 2024年12月26日(木) 会員:
1万5,000円
非会員:
2万5,000円
精神科訪問看護基本療養費算定要件研修 日本介護福祉士実務者研修養成協会 東北福祉カレッジ 2025年1月5日(日) 記載なし 会員:
2万2,000円
非会員:
2万7,500円
2025年2月9日(日)
2025年3月9日(日)

 

 

精神科訪問看護にも活用できる訪問看護専用電子カルテiBow

令和2年度の診療報酬改定で、精神障がいのある利用者の訪問看護において点数を加算する場合には、GAF尺度を用いることが追加され、必須条件となりました。GAF尺度についてはこちらの記事を参考にしてください。
GAF評価を正しくするためには?便利ツールを活用しよう

GAF尺度とは、精神機能という評価しづらいものを社会的・心理的・職業的機能評という側面で評価するための1~100で数値化されたスケールのことで、数値が大きいほど精神面が良好と判断されます。精神科訪問看護指示書での訪問の場合、訪問看護記録書、訪問看護報告書及び訪問看護療養費明細書には必ず月初めに訪問した日の記録にGAF尺度を記載しなければいけないのですが、数値と内容を細かく覚えることは難しいです。しかし、訪問看護専用電子カルテ『iBow』ではコード表を持ち歩かなくても記録ができるよう、点数だけでなく各数値の内容も記載しているので業務の最適化を図ることができます。

GAF尺度

iBow資料請求

まとめ

精神科訪問看護基本療養費要件研修は、精神疾患を有する方への訪問看護に必要な知識と技術を学ぶための研修であり、診療報酬を受け取るために必須です。研修を修了することで、過去に精神科に関わる業務経験がなくても、算定要件を満たすことができます。研修は対面形式とオンライン形式があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分のスケジュールや環境、予算に合わせて、研修を選択しましょう。研修の開催スケジュールや内容を確認し、必要な手続きを早めに進めておくと安心です。研修を修了し、必要な届け出を提出して、精神疾患を有する方への訪問看護を実現しましょう。

精神科訪問看護の仕事内容や実践に役立つケアのポイントについても取り上げています。精神科訪問看護についてもっと詳しく知りたい方は是非下記記事も合わせて読んでみてください。

精神科訪問看護とは?精神科の需要や仕事内容を確認しよう
訪問看護の”ここが知りたい” 〜精神科訪問看護〜

この記事をSNSでシェアする

RANKINGアクセスランキング