【ICT化で解決】訪問看護師不足の背景を知ろう!なぜICTを導入すると解決できるのか?

人手不足の背景を知ろう

普段、訪問看護ステーションで働いているなかで、訪問看護師の人手不足を実感している方はいませんか?求人情報を見ても、訪問看護師を必要としている職場が多くあります。訪問看護ステーションだけではなく、病院でさえも多くの看護師を必要としている現状があります。実はICTを導入することで、訪問看護師の人手不足を解決できることもあるのです。今回の記事では、看護師不足の背景なぜICTを導入すると解決できるのかをお伝えします。

目次

まずは知っておこう!訪問看護師が人手不足となっている理由

ニュースなどで看護師不足が取り上げられ、求人情報を見ても多くの医療施設で看護師が必要だということが分かります。看護師国家試験の受験者数は増加傾向にあり、合格率も90%前後です。それにも関わらず、なぜ看護師が不足しているのでしょうか。それにはさまざまな原因が絡み合っているのです。ここでは原因のうちのいくつかを訪問看護師を含めた「看護師」の現状について説明していきます。

 

 離職率の推移 

公益社団法人日本看護協会が2020年に実施した「2020年病院看護実態調査」の報告によると、2020年の正規雇用者の離職率は11.5%、新卒採用者離職率は8.6%でした。2014年はそれぞれ、10.8%、7.5%だったため、離職率が微増しています。また、厚生労働省の「2019年雇用動向調査」によると、一般労働者の離職率は11.4%でした。看護師の離職率は他の職種と比べてとても高いわけではないことが分かります。では、なぜ看護師不足なのでしょうか。それは、看護師の数の問題だけではなく、少子高齢化が進行していることにも起因しています。

 

 日本の少子高齢化の進行 

日本の少子高齢化は進行し続けています。内閣府の報告によると、2019年の総人口に占める65歳以上の割合は28.4%で、それに対し15歳未満の割合は12.1%です。
(※参考)2020年内閣府「令和2年版高齢社会白書(概要版)」

厚生労働省は今後の人口比率の推移について、2025年には65歳以上が30%を超えると試算しています。2025年は団塊の世代が75歳になる年で、「2025年問題」ともいわれています。高齢者の数が増えることで起こるのは、病院受診者数の増加です。現在、厚生労働省の地域医療構想をもとに、医療機関の機能の分化や病床数の需要と供給に合わせた再編成が進められています。この施策では、地域ごとに必要な病床数を確保しつつ、在宅医療の充実も掲げられています。つまり、高齢者数は今後増えていきますが、医療現場は病床数を削減しながら在宅での医療を進めていくことになるのです。

 

 需要に訪問看護師の数が追いつかない 

在宅での医療が推進されていくためには、地域の医療体制の充実が不可欠です。そのためには訪問看護ステーションも、勤務する訪問看護師の数を確保しなければいけません。厚生労働省の「第182回社会保障審議会介護給付費分科会資料」によると、2017年時点で訪問看護ステーションに従事する者のうち、看護師数は准看護師も合わせて常勤が約4万6千人です。2007年はおよそ2万人だったので、10年間でおよそ倍の人数になっています。それでは2025年には、どれほどの訪問看護師が必要となるのでしょうか。厚生労働省の「第11回看護職員需給分科会資料」によると訪問看護事業所に従事する看護職員は12~13万人必要になると報告されています。2017年時点で4万6千人なので、2.5倍以上の訪問看護師が必要になります。そのため、これまで以上の速さで訪問看護師の人数を増やさなくてはいけません。

公益社団法人日本看護協会、公益財団法人日本訪問看護財団、一般社団法人全国訪問看護事業協会の三団体は、2013年に「アクションプラン2025」を策定しました。ここでは、2025年に向けて訪問看護が目指す姿と目標を達成するための計画がまとめられています。具体的には、訪問看護師の安定的な確保や全国どこでもサービスを受けられるように地域偏在化をなくすこと、多職種と協働して質の高いケアの提供を目指すことなどです。訪問看護師の育成やICTを用いた業務の効率化なども盛り込まれています。
(※参考)「アクションプラン2025」(公益社団法人日本看護協会)

病院と違った看護の難しさ、訪問看護師が抱える不安とは?

訪問看護師が不足していることの原因の一つに、病院看護師とは違った難しさがあります。訪問看護師は在宅でサービスの提供を行います。そのため病院ほど十分に整っていない環境での看護業務に不安を感じる人も多いのです。ここでは、訪問看護師が抱えている不安について具体的に説明します。

 

 スキルや経験の不足 

これまで述べたように、訪問看護は病院での看護と比べると医療環境が大きく違います。病院は、設備もスタッフも十分にそろっています。衛生面一つをとっても、きれいな清拭用タオルや消毒済みのシャワーボトルなどが常に用意されています。しかし、在宅医療では、利用者の自宅にある物で代替しなければなりません。例えば、利用者の自宅にある洗面器にお湯をくんでタオルを絞って身体を拭きます。キャップに穴を開けたペットボトルをシャワーボトルの代わりにすることもあるでしょう。ガーゼなどの医療用品も病院にはそろっていますが、在宅では購入が可能かどうかの相談から始めなければなりません。また、訪問看護は基本的には1人で訪問し、ケアを行います。そのため、突発的な事態に対しても一人で初期判断を行うことが求められます。病院の場合、利用者の急変などが発生した時は、他のスタッフを集めて対応することができます。このように訪問看護では病院とは環境が違うため、それに見合ったスキルや経験が求められます。このことが訪問看護師に就くためのハードルとなり人手不足といった事態につながっているのです。

 

 関連スタッフや利用者との関係の難しさ 

「多職種連携」という言葉がありますが、訪問看護でもよく使います。「多職種連携」とは医師や薬剤師、看護師、理学・作業療法士などさまざまな職種の人が連携をとりながら医療サービスを提供することです。訪問看護師の場合、地域のケアマネジャーも含まれます。病院ならば、一つの建物の中で働いているため、確認や相談したいことがあればすぐに話し合うことが可能です。頻繁にカンファレンスを行っている部署もあります。しかし、訪問看護はさまざまな職種の人が集まって利用者の自宅を訪問することはほぼありません。利用者のところへ訪問する日も、時間帯もバラバラです。そのため顔を合わせて相談することが難しく、中には主治医の顔も分からず訪問看護を行っているケースもあります。ほかに利用者と関わる人と信頼関係を築くことも難しいのです。また、利用者やその家族との信頼関係の難しさもあります。在宅医療は、利用者の生活の場である自宅で医療を受けることです。病院と違い、利用者の生活がベースにあってそこに医療が入っていきます。そのため、利用者や家族の生活のニーズや価値観を大事にしなければなりません。信頼してもらえなければ、訪問看護サービスを受け入れてもらえなくなります。訪問看護では決められた時間内で信頼関係を構築する必要があります。週に1回の訪問予定の場合、利用者や家族との間で食い違いがあると1週間後まで挽回の機会がありません。

人手不足解消に!訪問看護の不安を解決する訪問看護専用電子カルテ『iBow』

スキルや経験の不安を解消するには研修などの時間を設ける必要があります。しかし、普段の業務に追われ、研修などの時間が取れないステーションも多いでしょう。訪問看護専用電子カルテ『iBow』はテンプレートがあらかじめ作成されているので、看護記録入力が簡単です。訪問先でも記入できるため、記録にかかる時間の短縮ができ、書類に係る時間を研修などスキルアップの時間に充てることができます。
> iBowの機能について詳しくみる

関連機関や利用者との関わり方に不安のある方は利用者の情報を正確に把握しておくことが大切です。アセスメントの前段階の情報収集では、アセスメントに必要な情報をたくさん集める必要があります。また、情報不足が原因で適切なケアができなかったり、クレームなど大きなトラブルに繋がることもあります。ICTを活用することでいつでも、どこでも必要な情報を確認することができるので、情報不足によるトラブルを防ぐことができます。

iBowでは日々の記録だけでなく、電話対応などの細かな情報までしっかり記録に残し訪問前や訪問中にも簡単に確認することが可能です。 さらに、メンバー全員が把握すべき重要な情報は「未読情報」として各メンバーに通知され、確認漏れを未然に防ぐ機能を搭載しているので、全てのスタッフが受け持ち以外の情報を把握することができます。また、サマリーや情報提供書も日々の情報から出力できるため多職種との連携もスムーズに行うことができます。
> 電話対応記録まで漏れなく共有!訪問看護専用電子カルテ『iBow』

まとめ

今回の記事では、看護師不足の背景となぜICTを導入すると看護師不足を解決でできるのかを説明しました。団塊の世代が75歳になる2025年が近づき、在宅医療への需要が高まる一方で、訪問看護師の数は十分ではありません。訪問看護は病院看護と違った高度なスキルが求められます。ICTを導入することで、業務の効率化や人材育成を図れ、訪問看護師の数を増やすことにもつながっていきます。ICTを導入して安心してケアを行える環境を作り、訪問看護師を増やしましょう。
> 安心してケアを行える環境づくりに!訪問看護専用電子カルテ『iBow』の活用方法について相談する

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