訪問看護に疲れたと感じる瞬間は?疲れを軽減する方法

訪問看護に疲れたと感じる理由

訪問看護は、利用者の自宅でサービスを行うため利用者一人ひとりとじっくり向き合って看護をすることができ、さらに直接利用者の生活を支える役割として、とてもやりがいを感じる仕事です。しかし一方で「疲れた」「しんどい」と感じてしまう人も多くいます。ではなぜ、訪問看護師が疲れを感じてしまうのでしょうか。今回は訪問看護師が「疲れた」と感じる瞬間予防方法について紹介していきます。

訪問看護の経営者や管理者の方は、スタッフが疲れを感じやすい原因と予防方法を確認し、より良い職場づくりの参考にしてください!

目次

訪問看護の仕事とは?

訪問看護の仕事は、利用者宅を訪問して、主治医の指示や連携により看護 (療養上の世話又は必要な診療の補助)を行います。具体的には全身状態の観察、家族の状態把握、経管栄養・食事介助、清潔ケア、褥瘡のケアや予防、注射などの医療処置です。その他にも入退院(入所・退所)についての相談や必要に応じた在宅ケアサービスの紹介、関連機関との連携などにより利用者の希望に沿った療養生活を叶えるための様々な支援や調整などがあります。

「病気や障がいがあっても、住み慣れた家で暮らしたい」「人生の最期を自宅で迎えたい」と望まれる方が増えている中、在宅医療を支えるため、訪問看護の業務は多岐にわたりますが、その分やりがいを感じる仕事ともいえます。

訪問看護が「疲れた」と感じる瞬間は?

やりがいを感じる中で、多岐にわたる業務に「疲れた」と感じる方もいるでしょう。何が訪問看護師にとって疲れを感じるのかを把握することで事前に対策を行うことができるでしょう。まずは、訪問看護師が「疲れた」と感じる瞬間を紹介します。

利用者の急変に立ち会ったとき

訪問看護師は原則1人で利用者の自宅に訪問しなければなりません。そのため判断に迷った際、病院勤務とは異なり気軽に相談できる人がおらず、自身で判断を下す必要があります。特に利用者の急変に立ち会った時は、訪問看護師の迅速かつ的確な判断が重要となります。非常時などに備えて医師の連絡先を控えてあるため、緊急時に医師に電話で連絡をすることもありますが、時間帯によってはすぐに連絡や返事がもらえるわけではありません。そのため経験の浅い訪問看護師は不安を感じやすいでしょう。不安がそのまま訪問看護の仕事自体を「辛い」「しんどい」と感じ、そのストレスが原因で心が疲労してしまいます。

体力的につらいとき

訪問先の自宅環境によってはエアコンの設置がない自宅や介護に必要な手すりや補助具が設置されていない場合もあります。そのため入浴介助一つとっても、設備の整った施設や病院で入浴介助を行う以上の身体的負担がかかってしまうのです。また、訪問看護ならではの移動に関しての負担も生じます。地域によっては長時間の運転を必要としたり、炎天下の中や悪天候の中、自転車で移動するステーションもあります。訪問看護の仕事は移動や訪問先の環境によって、身体的な負担が大きいことから「疲れた」と感じる方もいるでしょう。

業務量が多いとき

訪問看護師が「疲れた」と感じる要因の1つとして業務量の多さが挙げられます。先ほどお伝えした通り訪問看護では、療養指導、医療処置、リハビリテーション看護、関連機関との調整、家族への対応など様々な業務が求められています。このような業務の他にも日々の記録、計画書や報告書、情報提供書、サマリーなど多くの書類作成などの事務作業も行っています。さらに書類作成だけでなく事務員のいないステーションでは請求処理も管理者や看護師スタッフが行うこともあり、多忙といえるでしょう。サービスには時間制限があり、どれだけ仕事があっても、その時間に終わらせなければなりません。サービスが終われば記録作成などで残業することも多く、仕事に慣れている人でも「疲れた」と感じるでしょう。

利用者や家族と上手くコミュニケーションがとれないとき

訪問看護では、利用者や家族との信用関係の構築が重要といえます。しかし、信頼関係を構築するまでには時間を必要とする場合が多く、はじめのうちは利用者や家族の目がプレッシャーに感じてしまう場合もあります。見られながらのケアは精神的な負担がかかることが多いです。逆に距離が近くなりすぎでハラスメントに被害にあうというケースもあり、利用者や家族との距離感を保つのは非常に難しいといえます。

オンコール対応

オンコール対応とは当番の看護師が携帯電話を持ち、緊急の連絡があった際に対応するという仕組みです。電話の内容から緊急度を判断し、電話のみで対応する場合や実際に自宅へ訪問し、利用者の状態を確認して病院へ連絡する場合もあります。緊急の判断は独断になってしまう場合が多く、プレッシャーは大きいといえます。また、当番の日にはいつ連絡が来るのか、どんな電話が来るのかも分からないため気が休まらない状況になります。

オンコールについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
>訪問看護のオンコール!頻度・緊急時の対応・手当・過ごし方

徹底した感染対策が必要なとき

近年流行した新型コロナウイルスの影響で、訪問看護師は今まで以上に衛生面で気を使わなければなりません。訪問看護の利用者の多くは高齢者です。高齢者は感染した場合、重症化しやすく命の危険を伴うこともあります。さらに家族も高齢者であったり独居の場合、自宅の環境自体を衛生的に保つことが困難な場合もあるでしょう。そのため訪問看護は感染症を起こさないようケアしつつ、自宅の衛生環境にも気を配る必要があります。しかし自宅の衛生環境に関してはかなりデリケートな問題です。利用者や家族との信頼関係を脅かすリスクもあるため、慎重に対処する必要があります。多忙な業務に加えデリケートな部分にも介入する必要のある感染対策という問題は、精神的に負担を感じてしまう理由の一つといえます。

スタッフが疲れを感じる前に対策を!
事前に対策したい4つのポイント

先ほど紹介したように訪問看護の仕事内容には身体的だけでなく精神的にも「辛い」「疲れた」と感じてしまう内容が多いです。実際に業務量の多さやオンコール対応が辛いといった内容で離職してしまう人もいます。そのため訪問看護の疲れに対して何かしらの対策を講じることは必要不可欠です。ではどのような予防が有効なのか、具体的にお伝えしていきます。

労働環境の改善

環境を整備して、日々の業務を見直していくこともとても重要です。例えば、設備に投資をして電子カルテを導入したり、職場のICT化を図っていったりする方法があります。ICT化をすることで書類作成の手間が減り、結果的に業務負担の軽減や労働時間の短縮につなげられます。またオンライン会議や在宅ワークも、ある程度可能になるというメリットもあります。しかし、中にはタブレットで確認できる情報が限られており、事務所での情報収集が必要なシステムやサマリーなど緊急の書類はパソコンで一から作成しなければいけないシステムもあります。システム導入で業務改善を目指す場合は、全ての訪問看護業務がスムーズに行うことができるかをきちんと確認しましょう。さらに、使用するシステムによってはシステム画面に求人広告やリース広告が常に表示されるものがあります。別で人材紹介も行っているシステム会社の場合、求人広告が表示され、今在籍しているスタッフが条件の良い別の事業所を意識し、移ってしまうリスクが発生します。別事業を行っていない、訪問看護に特化した会社を選ぶことも重要なポイントです。

労働時間の改善

長時間労働や休日出勤、サービス残業が一般化している場合は、直ちに労働環境を改善していくべきでしょう。管理職は、スタッフの休暇の取得状況や労働時間にも気を配り、過剰な勤務になっていないかを判断することが求められます。自己申告では難しい部分もあるので、タイムカードの導入や勤怠管理システムの導入を検討するのも、一つの方法です。

スケジュールの見直し

訪問看護は予め何件訪問するのか予定を組んだ上で行われます。繁忙期には多くの利用者宅を訪問することになりますが、利用者によって必要とする看護の程度も様々です。数が多すぎたり、重症度の高い利用者ばかり担当となったりした場合は、スタッフの許容をオーバーしてしまいます。スケジュールを調整し、一人のスタッフに負担をかけないようしましょう。

緊急時の対応をマニュアル化する

もっともストレスを感じやすいのが、緊急時の対応です。緊急時の対応についてはフローチャート式にまとめたり救急搬送のマニュアルを事前に作成したりすることで、慌てた中でもマニュアルを通して大きなミスを生むことなく対応することが可能となります。

訪問看護の業務負担軽減にiBow

訪問看護専用電子カルテ『iBow』を活用することで多忙な業務量を少しでも軽減することが可能となります。訪問看護は1人で対応することが多いため、記録を作成する量も訪問数や対応した量に比例します。そのためICTの活用は看護師の業務負担の改善に役立ちます。

記録作成時間の短縮で業務負荷を削減

iBowは日々の記録が各帳票と連動しており、データ上で整理されていることも大きな特徴の一つです。そのため、サマリーなど緊急で必要な書類も各帳票と連動しているのでいざという時にもタブレットですぐに作成できます。また、帳票に転記する時間を短縮するだけでなく、転記ミスを防止します。その結果、管理者やスタッフの負担を軽減することが可能です。実際にソフトを導入した事業者から、「帳票作成と確認作業にかかる時間が大幅に短縮し業務が楽になった」という意見がありました。

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迅速な情報共有でサービス時の精神的負担を削減

安心してケアを行うためには利用者の情報を正確に把握しておくことが大切です。ICTを活用することでいつでも、どこでも必要な情報を確認することができるので安心してケアを行うことができます。ステーションの中には利用者や家族からの電話対応の記録を、Excelや連絡ノートなどで管理している方も多いのではないでしょうか。訪問以外の情報もケアを行う際には大切な情報となります。iBowでは日々の記録だけでなく、電話対応などの細かな情報までしっかり記録に残し訪問前や訪問中にも簡単に確認することが可能です。 さらに、メンバー全員が把握すべき重要な情報は「未読情報」として各メンバーに通知され、確認漏れを未然に防ぐ機能を搭載しているので、全てのスタッフが受け持ち以外の情報を把握することができます。どこにいてもすべての利用者情報やステーション内の共有事項をタイムリーに確認できるためサービスの向上に繋がったり、いざという時にも正確な情報をすぐに確認できるので安心してケアを行うことができます。

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スタッフの訪問状況を可視化!業務負担の偏りを防ぐ

iBowでは看護記録書の作成以外にも様々な統計データを出力することができます。訪問時間、訪問件数、医療保険・介護保険の人数やターミナルケアの実施状況、別表7の利用者、褥瘡対策の実施状況も確認できるので、医療依存度の高い利用者の受け入れ状況なども確認が可能です。また、スタッフごとの訪問回数や時間など自動的に集計できるので、訪問件数が多い、また訪問件数は少ないが医療依存度の高い利用者のケアを行っているなども確認できるため訪問状況を可視化できるので業務負担の偏りを防ぎます。

 

訪問看護評価指標

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勤務時間の管理!
iBowと連携して便利なiBow KINTAI

勤怠管理にもシステムを導入することで、スタッフの出退勤や勤務状況を一括管理できます。誰がどの時間にサービスをしているかが一目で分かり、勤務管理にとても助かるでしょう。管理ミスによって過剰労働になる場合もあり、勤務時間の管理には注意が必要です。訪問看護システムの一つ「iBow KINTAI」なら、複雑な勤務管理も簡単にできます。直行や直帰の打刻はもちろん、時間外勤務や中抜け等の多大な勤務形態にも対応可能です。ほかにも、勤務シフトの作成やオンコールの当番表の作成等もでき、事務作業が楽になるでしょう。「iBow KINTAI」の導入は現場スタッフだけではなく、勤務管理をする管理者や事務員の負担も軽減します。また、常勤換算表もボタン1つですぐに出力できるので、普段の勤務管理だけでなく、実地指導にも活用できます。

iBow KINTAI単体でもご利用できるので気になる方はぜひ、チェックしてみてください。


※一部有料機能もあります。

まとめ

病棟看護では「退院」がゴールとなり、利用者と関わる時間は比較的短いです。しかし、訪問看護は「病気や障がいがあっても、住み慣れた家でずっと暮らすこと」「人生の最期を自宅で迎えること」がゴールとなるため長いスパンで利用者と関わることができます。利用者本人の「こう生きたい」「こう生活したい」という意思を最大限に尊重できる訪問看護はやりがいもある分、心身ともに負担に感じることも多いでしょう。

今回は訪問看護師が「疲れた」と感じる瞬間と疲れる前の予防策について紹介しました。「疲れた」よりも訪問看護師としてのやりがいを強く感じることができる職場づくりのためにぜひ、iBowを検討してみてください!

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また、「疲れたな」と感じたときは一度仕事のことを忘れ、リフレッシュすることも大切です。リフレッシュの方法についてはこちらの記事もあわせて読んでみてください!
> 上手くオンとオフをつけよう!多忙な訪問看護師におすすめのリフレッシュ方法

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