訪問看護でのキャリアアップ!役に立つおすすめ資格3選も紹介

訪問看護でのキャリアアップ!役に立つおすすめ資格3選も紹介

訪問看護のニーズの増加につれ、訪問看護ステーションサービスの質の向上が求められてきます。サービスの質向上には訪問看護師のスキルアップやキャリア形成が必要になりますが、訪問看護師のキャリアアップにはどのようなものがあるのでしょうか。

そこで今回は、訪問看護の現状から見えるキャリアアップの必要性や、キャリアアップに役に立つ資格などについて紹介します。特にセカンドキャリアとして訪問看護師を目指す人もいるため、人材マネジメントの観点からもキャリアアップの重要性を考えていきましょう。

目次

訪問看護のキャリアアップが必要な理由

訪問看護師のキャリアが必要とされる背景には、訪問看護ステーションの増加により今後差別化が重要になってくることが考えられます。日本訪問看護財団によると、訪問看護ステーション数は2011年に5,884ステーション、その後増加を続け2021年には14,304ステーション※1となっています。また、訪問看護の需要は2020年に59万人、2025年には71万人、その後も約47%の増加※2が予測されています。
※1(参考)令和4年度 訪問看護ステーション数 調査結果
※2(参考)公益財団法人 日本訪問看護財団「訪問看護がつくる地域包括ケア」

それに伴い訪問看護では、様々な症状やケアに対応できるジェネラリストとしての要素が求められる一方、緩和ケア、ターミナルケア、認知症ケア、小児訪問看護など症状やケア内容が複雑化しており、スペシャリストとして専門性の高い技術に対するニーズの高まりも予想されます。ステーションにとっても、他社と差別化できる専門性をアピールすることで、利用者の幅を広げ事業成長につなげられるでしょう。

もう1つ、キャリアアップが必要な理由として看護師自身のキャリア形成が考えられます。日本に古くからある慣習として、1つの企業で定年まで働く「終身雇用」制度があります。これまでは、長く働くことでキャリアが蓄積されるという評価方法により、勤続年数に応じて報酬アップ、昇進などが考慮されてきました。

しかし、経済状況の変化、テクノロジーの発展、社会のグローバル化など様々な要因により、ビジネスの現場が変化し、現在では「ジョブ雇用型」が増えつつあります。ジョブ雇用型は、仕事の成果によって報酬や待遇を考慮する評価方法です。知識や技術を求められる訪問看護においても、年功序列でキャリアアップしていく保証があるとは限らないため、キャリアや働き方を見直した職場選び、転職などが求められる可能性が考えられるでしょう。

訪問看護でのキャリアアップとは?

訪問看護でのキャリアアップ!役に立つおすすめ資格3選も紹介

訪問看護を選ぶ看護師は、ほとんどの場合、病院や診療所などでの勤務経験を持つ、セカンドキャリアの方です。医療現場は常に変化しているため、従事する看護師の知識やスキルに合わせた研修を行う必要があります。さらに、看護師それぞれが異なる臨床現場で培ったスキルと経験を有しているため、それらの専門性を生かす、あるいは伸ばすことで看護師自身のキャリアアップにつながります。また、そのスキルをほかのスタッフと共有することで、ステーション全体のスキルアップ、成長や収益につながる可能性も大きくなるでしょう。そして、セカンドキャリアで訪問看護を選ぶ人の理由に、やりがいや魅力を感じていることが報告されています。
(参考)東京都訪問看護支援検討委員会報告書

訪問看護師が利用者受け入れ、計画書作成、報告までの一連の作業ができるようになったら、キャリアアップや資格取得など、キャリアプランのサポートを行い、やりがいを感じる人材育成・管理を実践していきましょう。そのためにも人材を生かした運営やキャリアアップのフォローは、訪問看護ステーションの管理者にとって重要な業務と言えるでしょう。

訪問看護で働く看護師のキャリアアップに役立つおすすめ資格3選

訪問看護でのキャリアアップ!役に立つおすすめ資格3選も紹介

訪問看護での専門性は、大きな強みの1つとなります。在宅ケアの場合であれば、身体の所見から病状を判断し、カテーテルの交換、創傷の治療など技術的な面はもちろん、利用者のQOLの維持・向上支援、課題解決、在宅療養支援に関する多職種との連携・調整能力などが求められます。ここでは、訪問看護のキャリアアップに役立つ資格を紹介します。

認定看護師

認定看護師とは、「特定分野で熟練した看護技術・知識を持つ」ことが認められる、日本看護協会の認定資格です。21の分野があり、訪問看護では次のような分野の資格取得が考えられます。

  • 訪問看護(新制度の名称は在宅ケア)
  • 緩和ケア(新制度ではがん性疼痛看護も含む)
  • 集中ケア
  • 皮膚・排泄ケア
  • 慢性呼吸器疾患看護
  • 認知症看護など
    ※新制度は2020年度より移行

 

認定看護師になるためには、5年以上の実務経験、認定看護師の教育機関で半年から1年の期間の間に600時間以上の受講 が必要となっています。新しい制度では「特定行為研修」があり、それを含めると800時間程度の実習になります。特定行為研修とは、医師の指示書に基づき、一定の診療の補助(特定行為)を判断・実施できる技術を身につけるものです。

専門看護師

専門看護師も日本看護協会の認定資格で、「ある特定分野において卓越した看護実践能力を持つ」看護師のことです。臨床現場ではもちろん、教育や研究分野でも活躍できるのが特徴です。14分野があり、訪問看護で考えられるのは以下の通りです。

  • 在宅看護
  • がん看護
  • 精神看護
  • 地域看護
  • 老人看護
  • 小児看護
  • 慢性疾患看護
  • 急性・重症患者看護など

 

専門看護師を目指す場合は、看護系の大学院修士課程を修了し、専門看護師の教育課程基準の所定単位を取得していること、実務経験が通算5年以上であることが求められます。その後審査を受け、認定されれば登録となります。

ケアマネージャー

ケアマネージャーは、要介護者や要支援者が自立した日常生活を送れるよう、援助するための専門的な知識・技術を有する公的資格です。仕事内容には要介護者・要支援者のケアプラン作成、市町村や施設などとの連絡調整があります。

ケアマネージャーの資格を持つことでアセスメント能力を高めることができます。ケアマネジャーの資格を取得するためには介護支援専門員実務研修に参加する必要があります。この介護支援専門員実務研修ではさまざまな視点からアセスメントすることを身に着けることができます。訪問看護でも身体や精神面だけでなく、利用者の性格や生活、社会的な問題なども含めてアセスメントしなくてはいけません。ケアマネージャーの資格を取ることでアセスメント能力を上げ、質の高い看護に繋げることもできるでしょう。また、介護保険の内容を深く理解することができるので利用者や家族に介護保険についての相談をされた際にもすぐに返答できることは信頼感を深めることにも繋がります。

介護支援専門員の資格を取得するには、年1回の「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければなりません。この試験には、看護師や介護福祉士などの国家資格、生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員のいずれかで5年以上かつ900日以上の実務経験という受験資格が定められています。看護師の資格は国家資格に該当するため、上記の勤務実績があれば、介護支援専門員の受験資格が得られます。試験は年に1回、合格率は10~20%とも言われており、難関資格の1つとされています。その後は、87時間の実務研修を受けることになっています。また、ケアマネとして働くには介護支援専門員の試験に合格後、各都道府県の「介護支援専門員資格登録簿」への登録申請を行い、「介護支援専門員証」の交付を受ける必要があります。この介護支援専門員証は5年ごとの更新制で、更新時には再度研修を受けなければなりません。

マネジメントや管理者に役立つiBow

訪問看護でのキャリアアップ!役に立つおすすめ資格3選も紹介

「訪問看護アクションプラン2025」では、日本における訪問看護の推進の指針として4つの項目をまとめています。そのうちの1つに、より良いサービスを提供するため、ステーション管理者の経営力向上やマネジメント力向上もピックアップされています。
>【訪問看護アクションプラン2025】地域包括ケアシステムでの訪問看護の役割

訪問看護専用電子カルテ『iBow』は、日々の看護記録の作成ができるだけでなく、経営者または管理者が必要なリーダーシップ、チームマネジメントを効率的にサポートするツールとして活用できます。看護記録や計画書など、書類の提出状況を確認できるリスト管理機能があるほか、スタッフ1人1人の訪問件数や時間、介護保険の人数、進捗状況などのデータを見える化し、分析資料として収集・データ出力することが可能です。統計データをもとに、ステーションやスタッフの課題の洗い出し、目標設定、共有などに活用できます。

訪問件数推移表
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まとめ

訪問看護師のスキルアップ、キャリアアップを考えることは、看護師の技術向上だけでなく、ステーションの事業成長にも大きく関わると考えられます。

これから訪問看護ステーションの重要性がさらに増すことを考慮しながら、地域にとってどのようなニーズが求められるのか、スタッフのやりがいや魅力を感じてもらうためにはどのようなキャリアアップが必要なのか、事業戦略として考えていきましょう。

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