訪問看護の経営者が気をつけるべきこととは?経営者がやってはいけないこと・求められること
訪問看護の立ち上げにはやるべきことがたくさんあります。この先どうするべきか、期待と不安が入り交じっているのではないでしょうか。今回の記事では、経営とは何かを考えながら、経営者が気をつけること、注意すべきことについてまとめています。
経営とは?
訪問看護ステーションの数は年々増加しています。政府が地域包括ケアシステムを推進し、在宅ケアの利用者も増加している背景から、訪問看護ステーション事業は今後も成長できるビジネスモデルと考えられています。しかし、そもそも「経営」とは何でしょうか。誰もが当たり前のように知っている言葉ですが、実は多くの経営者が答えを出せずに悩んでいる言葉でもあります。経営とは、事業を営むこと、営むための仕組みを作り管理すること、または事業の政策や基本的・戦略的な意思決定機能などの意味で多く使われていますが、実際には、経営という言葉は定義されているわけではなく、人によって様々に解釈されています。例えば、経営は「会社を継続させていくこと」「顧客を創造すること」「利益を出すこと」「社員を幸せにすること」「投資をすること」などの回答があり、どれが正しいか、間違っているかということはありません。そして経営者は、「意思決定の最高責任者」となります。それだけに自分にとって経営とは何か、自分のするべきことが分からないと行動できず、後々悩まされることになるのです。
訪問看護の経営者が悩みやすい4つのポイント
それでは、経営者はどのような悩みや不安を抱えることになるのでしょうか。どの経営者にも共通するのは「責任の重大さ」です。事業の収益が上がればやりがいにつながりますが、結果がなかなか出ないと不安や悩みにつながります。今回は経営者が悩みやすい4つのポイントを紹介します。
決断が正しいのかどうか分からない
経営者は、事業を左右する意思決定に関わります。その責任の重さから、自分の決断が正しいのか不安を抱えながら決断している経営者もいます。なぜ決断が正しいのかどうか分からないのか、それは決断できるだけのデータを持っていないことが原因です。経営者は収支や顧客満足度、従業員の生産性、課題など経営全体の状況を把握する必要があります。目の前に何があるかが分かれば、どうすればよいかの決断は困難ではなくなります。
会社の将来が不安である
また経営者は、目の前の課題だけでなく今後の事業がどうなるのか先が見えない不安を抱えがちです。今後の景気はどうなるのか、政府の方針は変わるのか、災害は起きないのかなどは誰にも分かりません。ただし、この先どのように経営を改善していけばよいかという目安をつけることは可能です。経営者として気をつけることは、景気やトラブルにも対応できるビジネスをどのように展開していくか、事業の状況を多角的な視点で捉え、ビジネスモデルを構築することです。
安定した経営を目指すためにこちらの記事も参考にしてみてください。
> 訪問看護ステーションがつぶれる理由とは?安定した運営を目指すために必要なこと
資金繰りに悩む
そして経営者の悩みで大きな位置を占めるのが、お金の運用です。売上があっても、手持ちが少ない、運転資金が足りないと感じると大きな不安につながります。こういった状況に陥らないためには、経営者としてお金の収支を把握することです。売上=利益ではなく、売上=利益-費用です。売上見込みや出費、支払い見込みなどを定量的に出しておくと、事業計画を立てやすくなります。
訪問看護での資金調達についてはこちらの記事を参考にしてください。
> 訪問看護ステーションを開業・事業拡大したい方へ!知っておきたい 5 つの資金調達!
相談できる相手がいない
経営者は、従業員に悩みや愚痴を打ち明ければ不安を煽ることになってしまうため、相談できる相手がいないのが現実です。1人で悩みを抱えても解決策を得られることは少ないので、まずは人脈を作ることから始めましょう。訪問看護ステーションでは医療機関とのつながりを作ることはもちろん、セミナーや資格取得などの交流で業界の最新情報を集めます。
訪問看護の経営者がやってはいけないこと
経営者には、やってはいけないことが存在します。事業の存続にも関わることなので注意しておきましょう。
決断せずに逃げる
まずは「決断せずに逃げる」ことです。経営者は意思決定の最高責任者であり、決断を先延ばしにしたり、従業員に決断を押しつけたりするのはNGです。
行き当たりばったり
また、「行き当たりばったりの決断」は、従業員をミスリードすることにつながりこちらもNGです。その場を取り繕うのではなく、事業を行うことへの理念を持ち、一緒に働く従業員と共有しながら目標を持って臨むことが大切です。他にも、経営者になったことに満足して「戦略も立てず決断もしない」のは、何もしないことと同じで論外です。
訪問看護の経営者に求められること
では、経営者に求められることはどんなことでしょうか。経営に責任を持ち、意思決定を行うだけではなく、実践しなければならないことを具体的に示していく必要があります。
経営理念を認識する
まずは強固な経営理念を持つことが大切です。経営理念とは、経営者の信念や哲学、思いに基づいて事業が運用されることで、事業の軸となり方針にも使われます。「なぜ」事業をするのか、自分自身の思いをしっかりと認識し、それを従業員や地域にも周知します。経営は、厳しい市場の中で様々な判断や決断を求められますが、そのときに自分がどうしたいのか、何をすればよいのかの指針となります。
マーケティング戦略を練る
経営では、商品やサービスを知ってもらうための市場調査や分析、戦略を行います。利益を上げることは、事業を運営する上で大切なことです。訪問看護ステーションでは、競合が増えた今日では新規利用者の獲得が重要になってきます。事業方針、営業戦略、エリアに対する市場のシェア率などを踏まえ、自分たちの事業所やサービスを知ってもらうことが必要です。
地域への案内、定期訪問営業、紹介成果、メーリングリスト、SNSなどがありますが、利用者への自社ニュースの提供、はがきでのあいさつやお礼など、誠実で丁寧な対応が信頼を生み紹介などにつながります。
経営視点でマネジメントする
訪問看護ステーションの立ち上げは、保健師、看護師、准看護師など少なくとも3人以上を採用するという決まりがあります。そして利用者を増やし利益を上げていくためにも、その後の人員確保は必要になってきます。訪問看護ステーションで注意したいのは、人件費です。専門職を雇うため人件費は高く、その費用を確保しながらの資金繰りが必要になってきます。
ポジティブになる
経営が軌道に乗るまでは、うまくいかなかったり売上が低かったりします。後ろ向きになると、一緒に働く従業員の不安要素になります。特に人と接してケアをする仕事なので、従業員のモチベーション維持は大切です。いつも前向きで明るく、というのは簡単ではありませんが、「ここで収益がなかったらきつい」と追い詰めるよりも「どうしたら収益を上げられるか」という前向きな気持ちに切り替えましょう。1人で何とかしようとしたり、従業員を皆の前で叱りつけたりするのではなく、従業員とコミュニケーションを取りながら課題の見直しと目標設定、信頼関係の構築を行うことも大切です。
安定したステーション運営には訪問看護専用電子カルテ『iBow』
ステーション運営を継続していくためには、安定した収益と離職をしない職場づくりが大切です。そこでおすすめしたいのが訪問看護専用電子カルテ『iBow』です。iBowでは開業前からその先の訪問看護の毎日をトータルでサポートします!そのため、iBowをご利用の新規開業ステーションと全国の新規開業ステーションの事業継続状況を比較すると、iBowご利用ステーションが3.6倍※優れた結果となりました。(廃業する割合が少ない)
※厚生労働省 介護サービス情報公表システムに基づく推計。2020年度に開設した訪問看護ステーションのうち、2022年1月時点で事業を継続している割合
事業継続に活用できる理由1
安定した収益に活用できるiBow
訪問看護の場合、売上は利用者への訪問によって生まれます。そのため、訪問件数を増やすことが売上につながります。訪問看護では訪問以外にも日々の記録や月末月初の書類作成があります。iBowはユーザーインターフェイスにとことんこだわり、システムが苦手と感じる方にも簡単に使うことができます。訪問先でも記入できるため、事務所での作業時間の短縮ができ、記録書のテンプレート使用により記録のスタイルが統一され、見やすくなるのもメリットです。タブレット端末に、パソコンと同じ画面を表示させる機能もあるため、移動中のちょっとした時間でも利用者の情報を確認できます。
事業継続に活用できる理由2
離職をしない職場づくりにiBow
現在はテレワークを推奨している企業も多くあります。 また、テレワーク以外にも保育園のお迎えや、介護や家事の時間を確保するために勤務時に中抜けの時間を設けるなどワークライフバランスを実現するために柔軟な働き方が推奨されています。iBowを活用することで事務所に向かう移動時間を短縮し効率よく業務を行うことができ、事務所以外の場所で記録書の作成ができるので介護や家事の後、自宅で記録書の作成を行うことも可能です。また、iBowレセプトはレセプト請求の実績確定もiPadで行うことができるので訪問スタッフだけでなく、事務員のテレワークも可能です。
まとめ
様々な悩みがありますが、経営者として気をつけたいのは自分はどうありたいのか、どう運営していきたいのかなどをきちんと説明できるように都度見直すことです。そして経営者の視点で、会社、顧客、従業員のバランスを見極め、決断していきましょう。