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訪問看護の労務管理5〜福利厚生で従業員の満足度向上を目指す!知っておきたい福利厚生の基礎知識~

訪問看護

前回の記事では、訪問看護の経営者に向けて、なぜ勤怠管理が必要なのか、適正な勤怠管理をするメリットをご紹介しました。
≫前回記事 「訪問看護の労務管理4~勤怠管理とは?勤怠で管理しなければいけない項目とその方法~」

就職や転職の際に、給与と同じくらい重要になってくる「福利厚生」。
これまでは、求人情報を確認したり社内にある規約を読んだりしたことがあったと思います。しかし、いざ自分が福利厚生を作る側になった時「何から始めたらいいか分からない」というお声をよく耳にします。そこで今回は、はじめて訪問看護を経営者する方に向けて、福利厚生の基本的な定義から訪問看護での福利厚生について紹介します。

 

  目次

■ 「福利厚生」とは?目的や対象者
■ 法定福利厚生と法定外福利厚生、2つの福利厚生について解説!
■ 知っておきたい福利利厚生のメリットと注意点!
■ 新規開業の方必見!訪問看護での主な福利厚生
■ まとめ

 

「福利厚生」とは?目的や対象者

福利厚生とは、「従業員やその家族に対して給与や賞与とは別の形で提供される報酬」のことを指します。つまりは企業が従業員の職場環境をより良くするために取り入れている仕組みです。お金以外では健康面や生活面でのサポートを受けられることが多く、最近では給与よりも福利厚生を重視して働く場所を選ぶという人もいます。

福利厚生の対象となるのは正規・非正規に関わらずの全ての従業員です。また、内容によっては従業員の家族も恩恵を受けることができるものもあります。代表的なものとしては、掛け金を企業も負担することで従業員とその家族の医療費負担が3割になる健康保険などがあります。

法定福利厚生と法定外福利厚生、2つの福利厚生について解説!

従業員が働きやすい環境を作るために用意する福利厚生ですが、大きく分けると「法定福利厚生」「法定外福利厚生」に分けられます。

 法定福利厚生 
日本の法律によって、必ず提供しなければならないと決められている福利厚生のことです。内容は以下のものがあります。

雇用保険
労働者が失業した時に国から手当が支給されたり、就職支援をしたりする仕組みです。事業主が保険料を支払うことで成り立っており、労働者を雇用する場合は納付義務があります。

健康保険
病気やケガなどに備えるための医療保障制度です。事業主が加入することで従業員に保険証が配布されます。その保険証を病院で提示すると治療の自己負担が3割程度になります。

厚生年金保険
定年退職後に支給される年金制度です。

労働者災害補償保険(労災保険)
業務中の作業が原因で起きた負傷や病気、通勤中の事故によるケガなどがあった場合の保険制度です。

子供・子育て拠出金
児童がいる家庭に給付される拠出金です。

介護保険
65歳以上の高齢者または40~64歳までの医療保険加入者が介護を必要と認定された場合に、必要な費用を給付する保険制度です。

 

   法定外福利厚生   

企業が独自に決めた福利厚生のことです。住宅手当や家族手当、通勤手当、健康診断の受診などは多くの企業が導入されています。特殊なものとしてはスポーツジムの割引サービスやスキー場のリフト券を配布するところもあります。法定外福利厚生は様々なものがありますが、会社の理念や考え方が現れやすい部分であるため、求人の応募者の中には、その内容にひかれてやってくる人もいます。

知っておきたい福利利厚生のメリットと注意点!

従業員の働きやすい環境づくりとはいえ、そこまでコストはかけられないと思う事業主側の考えも当然あるでしょう。しかし、社員の生活に寄り添った福利厚生は様々なメリットがあります。

1.採用力の向上
福利厚生の内容は事業主の考え方が現れやすいところですので、企業独自の内容や従業員の特性に配慮した福利厚生を持つ企業は採用面で有利に働きます。例えば、健康診断が従業員の家族まで受けられるようなものを採用していれば、「従業員とその家族の生活までしっかりと考えてくれている」と考える応募者が増えるでしょう。そういった魅力を増やすことが応募数の向上にもつながります。

2.生産性の向上
仕事中の満足度が向上すると、従業員の生産性にもつながります。事務職であれば、休憩用にお茶など飲み物が支給されているところなども多く見られます。手作業の多い職場などでは作業服の貸与や安全のための道具支給といったことも福利厚生で行えます。従業員の小さな不安を解消することが意外にも効果的です。

3.企業のイメージアップ
従業員が充実感を持って働く様子は、取引先にも伝わるものがあります。「あの会社はなんだか元気がある」といった印象が伝わることで、事業の拡大にも少なからず影響します。

4.節税効果
福利厚生に掛けた費用が福利厚生費として認められれば、会社の経費として計上できます。そして法人税の算出根拠となる利益を下げられるため、法人税を下げる方向に働きます。

 注意点 

従業員にとってはいいことが多い福利厚生ですが、注意点もあります。

1.従業員の満足度向上のためにコストを掛けすぎてはいけない
従業員の満足度が上がることは良い事ですが、福利厚生の仕組みにはそれなりのコストも掛かります。会社の経済状況によって継続できなくなった時は従業員のモチベーション低下にもつながりかねません。

2.制度の目的を周知して正しく運用する
福利厚生の制度を導入する目的を周知しておくことは大切です。本来の目的とは異なった使い方をすることで、従業員のモチベーションが下がったり生産性が落ちてしまったりしては意味がありません。例えば、業務のために支給されるべきものを家庭で使用したり、知り合いなどに配布したりすると福利厚生の目的とは異なってきます。

制度の内容によっては、定期的に事業主が説明する機会を作ったり、管理する体制を整えて利用方法などを発信したりしても良いでしょう。

新規開業の方必見!訪問看護での主な福利厚生

業界や企業によって特色のある福利厚生の制度ですが、ここでは訪問看護の企業によくある制度をいくつか紹介します。

・有給休暇の時間取得
2時間や半日といった細かい単位で有給を取得できる制度です。

・結婚、出産時の祝い金制度
会社からお祝い金が数万円程度支給される制度です。

・育児、介護支援制度
育児や介護のための休暇を取得できたり、時短勤務に変更できたりといった制度です。

・訪問業務で使用する備品の貸与
ユニフォームや移動する時に必要なレインコート、訪問業務に必要な血圧計や聴診器、体温計といった基本的な道具を貸与する制度です。

・インフルエンザ予防接種費用の負担
予防接種の費用を負担する制度です。

まとめ

今回は福利厚生の目的や対象者、メリットと注意点など、基本的な内容と、訪問看護での福利厚生についてお伝えしました。福利厚生を充実させることにより、従業員の満足度を向上し、長く働き続ける環境を作ることができるので、これから福利厚生を考える方や見直しを考えている経営者の方は今回の記事を参考にしてみてください!

また、働きやすい環境を作るためには、時短勤務やテレワークなど柔軟な働き方を導入することも効果的です。ICTを活用して働きやすい職場環境を作りましょう。
 ≫ 訪問看護でのシステム活用についてのご相談はこちら

次回は、従業員の雇用にあたり、必ず行わなければならない「給与計算」についてお話しします。ぜひ、次回の記事もチェックしてください。
≫次回記事 訪問看護の労務管理6~給与計算ってどうやるの?押さえておきたい給与の計算方法と注意点~

 

【訪問看護の労務管理シリーズ】
訪問看護の労務管理1~ 求職者はココを見る!求人掲載のポイント ~
訪問看護の労務管理2~ ステーションに合った人材を見極めよう!人材採用のコツ ~
訪問看護の労務管理3〜訪問看護で就業規則は必要?就業規則の基礎と記載内容
訪問看護の労務管理4~勤怠管理とは?勤怠で管理しなければいけない項目とその方法~
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訪問看護の労務管理7~従業員が退職する時の手続きってどうするの?覚えておきたい会社側の退職手続き~

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