訪問看護の労務管理1~ 求職者はココを見る!求人掲載のポイント ~

訪問看護の労務管理①求人掲載

「労務管理」という言葉を聞いて、皆さんはどのような業務をイメージされますでしょうか。労務管理とは、求人・採用から始まり、配置や異動、人材育成、人事評価、従業員の給与や勤怠、福利厚生などに関する管理全般を指し、ステーション経営において欠かせない業務のひとつです。

今回は訪問看護でより良い人材を獲得したい人に向けて、訪問看護の労務管理から「効果的な求人を掲載するポイント」をご説明します。

目次

労務管理とは?

スタッフがその能力を最大限発揮するために必要な環境を整えるには、いくつかの管理が必要になります。労働者と使用者・経営者との間で結ばれる多様な約束事、労働時間や休日・休暇、福利厚生はもちろん、賃金や賞与、手当てといった「労働条件」にまつわる施策や制度、これらを管理することを「労務管理」と言います。

具体的には、求人・採用から始まり、配置や異動、人材育成、人事評価、賃金および労働時間の管理といった、企業が社員に対して行うすべての管理の総称です。企業として生産性を上げつつ利益を増やすことは、最重要事項といえるでしょう。だからこそ、的確に人事管理や労務管理を行っていく必要があります。訪問看護ステーションは訪問するスタッフの人数が増えれば、対応できる利用者数も増えていきます。人材を確保することも「労務管理」として大切な事となります。

求人掲載をひと工夫!求職者へのアピールポイント

スタッフ募集を行う時、WEBサイトや紙媒体等、求人広告を活用する方が多いと思います。

応募者が求人広告を見る際には次の2つの視点があるといわれています。

・他の求人広告との比較という視点
・自分がかつて勤めていた過去、または現在との比較という視点

訪問看護ステーションでの採用は、中途採用が主流だと言われています。上記の視点のうち 2つ目の「過去との比較」という視点に着目してみましょう。

中途採用の場合、応募者の多くは、過去に数社の勤務経験があることが予想されます。その転職動機として、前職の労働条件や労務管理に不満があって転職する方々が少なからずいらっしゃるでしょう。まだまだこの世界では「当たり前」の労務管理が行われていない実態が多く、職場環境に不満があり退職した労働者は、ずさんな労務管理の現実を経験していることが予想されます。

例えば、

  • 長時間労働
  • 残業代が出ない
  • 健康診断を受けていない
  • 労働条件が勝手に変更される
  • 有給休暇など無いと言われた

 

このような職場環境で働いていた求職者層がかなりいるのではと推測できます。そういった方が以下の募集要項を見たとき、どのような事を思うでしょうか。

 

■募集要項■
勤務時間:9時~18時(休憩1時間)
賃金:月給25万円
休暇:有給休暇、慶弔休暇
待遇:各種社会保険完備

 

おそらく、自身の経験から

・本当に1時間休憩があるの!?
・本当は何時まで働かせられることになるのか
・残業代はあるか
・有給休暇、慶弔休暇って書いてあるだけじゃないだろうか
・社会保険は初日から入れてくれるのだろうか  
…など

このような事を思うのではないでしょうか。

過酷な職場環境を経験した求職者に対しては、とりわけ魅力的で有利な労働条件を提示できなくても、職場環境の疑問に丁寧に答えられるだけでも武器となります。特に規模が小さい会社の場合、特別有利な労働条件を提示できることは少なくても、当たり前の労務管理が出来ている場合は、そのことをきちんと文字で求職者にアピールすることが大切です。

 

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応募したくなるステーションへ!ニーズに合わせた環境づくり

一緒に働きたいと思えた応募者がいても、勤務できる時間が短い、通勤時間が長い等々、条件に合わない場合、採用の見送り、もしくは内定の辞退となってしまいます。「看護職」はまだまだ女性の割合が多く、残業やオンコールのある訪問看護は、子育てと仕事の両立は難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の影響で3密を避ける働き方やテレワーク、時短勤務等、求職者のニーズに合わせて柔軟な働き方に対応できる環境も、求人広告では大きなアピール となります。

 

また、訪問看護では紙カルテでの書類作成による残業を経験した求職者や、勤務していたステーションや病棟などでICT化された効率的な働き方に既に慣れている求職者もいるでしょう。そこで、応募要項に「電子カルテ導入済」等、ICT化に対応している旨を、求人広告に掲載することで強みとなります。

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まとめ

訪問看護では多くのステーションがスタッフの採用に関して悩みを抱えています。
求人広告の際には「当たり前の労務管理」を記載する等、少しの工夫でより魅力的な求人広告となります。また、応募したくなるような職場環境を整えることも採用する上では大切な事です。

スタッフの採用を検討しているステーションはぜひ、求人のポイントを参考にしてみてください。次回は募集後の『採用』について説明します。
≫次回記事 訪問看護の労務管理2~ ステ―ションに合った人材を見極めよう!人材採用のコツ ~

引き続きiBowのお役立ち情報をチェックしてくださいね。

 

 

【訪問看護の労務管理シリーズ】
訪問看護の労務管理1~ 求職者はココを見る!求人掲載のポイント ~
訪問看護の労務管理2~ ステーションに合った人材を見極めよう!人材採用のコツ ~
訪問看護の労務管理3〜訪問看護で就業規則は必要?就業規則の基礎と記載内容
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