訪問看護の初回加算とは?算定できる場面や正しい算定方法をご紹介【2024年報酬改定対応】

訪問看護の初回加算とは?算定できる場面や正しい算定方法をご紹介【2024年報酬改定対応】

訪問看護の「初回加算」は、利用者の状態や利用状況に応じて適切に算定することで、サービス提供体制の充実と事業運営の安定につながる重要な加算です。しかし、実際の算定場面では、「算定できるかどうか迷う」「要件をどう確認すればいい?」といった戸惑いの声も多く聞かれます。この記事では、2024年の介護報酬改定により新たに設けられた初回加算(I)(II)の違いや、算定要件、運営指導で注意すべきポイントまで、具体例やQ&A形式を交えてわかりやすく解説しています。加算算定に自信を持って対応できるよう、ぜひ最後までご覧ください。

目次

初回加算とは

訪問看護の初回加算とは、訪問看護ステーション等が新たに看護計画書を作成した場合に算定できる加算です。この加算は、新規利用者、または利用歴がある方でも、当該ステーションが暦月で2か月間(医療保険による訪問看護も含む)訪問看護の提供をしていない場合に算定できます。例えば、以前初回加算を算定していた利用者が何らかの理由で入院・退院し、再び訪問看護を利用することになった場合、最終訪問日から2か月以上空いていれば算定が可能です。2024年の介護報酬改定により、初回加算に新たな区分が設けられました。これまでの初回加算の種類は300単位/月の1つのみでしたが、改定後は以下の2つに分かれています。

  • 退院・退所当日に訪問を行った場合は「初回加算(I)」として350単位/月を算定
  • 退院・退所翌日以降に訪問を行った場合は「初回加算(Ⅱ)」として300単位/月を算定

円滑な在宅医療を訪問看護サービスとして推進する観点から、退院・退所当日に初回訪問することを評価する区分が設けられています。

初回加算の算定要件とは

初回加算の算定要件に関して、(I)と(Ⅱ)それぞれの区分ごとに、加算の種類と単位数、算定要件、対象者についてご紹介します。

初回加算(I)

種類と単位数
加算の種類 単位数
初回加算(I) 350単位/月
算定要件

新たに訪問看護計画書を作成した利用者に対し、退院・退所当日に看護師が初回の訪問看護を提供すること

対象者

・ 新規利用者
・ 過去2か月間に当該訪問看護ステーションによる訪問看護の提供を受けておらず、新たに訪問看護計画を作成する利用者
・ 要支援から要介護へ区分変更となった利用者

初回加算の留意点

初回加算を算定する際は、以下の点に注意が必要です。加算の取り忘れや誤った算定を防ぐための参考にしてください。

 

  • 退院時共同指導加算との併用算定はできません。
  • 訪問看護をもともと医療保険で利用していた場合、介護保険に変更になっても初回加算は算定できません。
  • 複数のステーションから訪問看護を受ける場合は、それぞれのステーションで算定できます。
  • 初回加算(I)と初回加算(Ⅱ)は同時に算定できません。
  • 初回加算(Ⅱ)は、准看護師等、看護師以外が訪問した場合でも算定可能です。
  • 過去2か月間とは、60日間ではなく暦月の2か月を指します。

暦月とは

暦月とは、「月の初日から月末まで」のことです。例えば「5月1日〜5月31日」「6月1日〜6月30日」のように、カレンダー上の1か月を指します。初回加算の算定では、過去2か月間を日数でカウントしないように注意しましょう。

【初回加算】算定場面をQ&Aでさらに詳しく

ここでは、初回加算の算定にあたって迷いやすいケースを想定し、Q&A形式で分かりやすく紹介します。ぜひ参考にしてください。

 

 Q&A① 

質問
2か月以内に他の訪問看護ステーションを利用していた利用者に対し、初回訪問を算定することはできる?

答え:算定可能です。初回加算は各ステーションで算定できるため、そのステーションを初回利用するのであれば算定できます。

 

 Q&A② 

質問
同じ月に2ヶ所の訪問看護ステーションを利用する際、各ステーションで初回加算は算定できる?

答え:算定可能です。同じ月に複数の訪問看護ステーションを利用されている場合も、各訪問看護ステーションで、過去2か月において訪問看護の提供を受けていない場合は要件算定可能な対象に該当します。

 

 Q&A③ 

質問
これまで介護予防訪問看護を利用していた利用者が、要介護認定の更新にともない、同一で運営をしている訪問看護ステーションから訪問看護を受けることになった。過去2か月間に介護予防訪問看護の利用があった場合でも、初回加算はできる?

答え:算定可能です。同一法人が運営している訪問看護ステーションであっても、介護予防訪問看護としての利用実績は、初回加算の算定要件には影響しません。初回加算の対象となります。

初回加算の運営指導対策

運営指導(=行政による、事業運営が適正に行われているかの確認)において、初回加算は特に指摘されやすい項目です。以下の3点は、運営指導対策として特に注意すべきポイントです。

サービス提供票(ケアマネジャーが各サービス内容を転記した書類)

・初回加算が適切に算定されているか

訪問看護サービスの利用状況

・過去2か月以内に当該訪問看護ステーションによる訪問看護の提供を受けていないか

訪問看護計画書

・初回加算を算定する前に、新規で作成されているか

特に「訪問看護計画書の作成日が、最終利用日から暦月で2か月以上空いているか」は、運営指導でチェックされやすいポイントです。算定要件を満たしているかどうか、見落としのないようしっかり確認しましょう。

 

初回加算の具体例を紹介

ここからは、実際によくあるケースを取り上げながら、初回加算の要件をさらに分かりやすく確認していきます。具体例を参考に、算定の判断に役立ててください。

 具体例1 日付で見るケース 7月15日に訪問看護を提供した場合

例1)最終訪問日:4月30日 → 再開日:7月1日
5月1日~5月31日、6月1日~6月30日の2か月間は訪問看護を提供していないため、7月は初回加算を算定できます。

例2)最終訪問日:5月1日 → 再開日:7月1日
5月2日~5月31日は暦月ではないため、訪問看護を利用していない月は、6月1日~6月30日の1か月間のみとなります。よって7月は初回加算を算定できません。

 具体例2 月で見るケース 暦月で2か月訪問が空いているかを確認する場合  

例1)最終訪問日:7月3日 → 再開日:10月2日
8月1日~8月31日、9月1日~9月31日は算定されていないため、10月は初回加算を算定可能です。

例2)最終訪問日:7月3日 → 再開日:9月30日
日数としては2か月経過していますが、「暦月」で2か月分空いていないため、初回加算は算定できません。この場合、8月1日~8月31日の1か月間のみが訪問なしの月となります。

 具体例3 要介護認定の変更によるケース 要支援から要介護(または要介護から要支援)へ変更になった場合 

例1)7月:要支援 → 8月:要介護 → 9月:要支援
例2)7月:要介護 → 8月:要支援 → 9月:要介護

このように、要支援と要介護の間で区分変更があった場合は、変更月(この例では8月)に初回加算を算定することが可能です。ただし、その後に再度区分変更があった場合(例では9月)、前回のサービス利用から暦月で2か月以上経過していない限り、再度の初回加算は算定できません。また、医療保険から介護保険に切り替わった場合は、初回加算の対象外となるため、保険区分の切り替え時もよく確認する必要があります。

要介護認定が2区分以上変更となった場合

要介護認定が2区分以上変更された場合、居宅介護支援(ケアマネジャーが行う支援)では、一定の加算が算定できます。しかし、訪問看護における初回加算は、このような要介護度の変化だけでは算定できないため注意が必要です。居宅介護支援と訪問看護では加算の考え方が異なるため、制度の違いを正しく理解したうえで判断することが大切です。

例)7月:要支援1 → 8月:要介護3
要支援から要介護へ区分変更となった場合は、初回加算の算定が可能です。

ここもチェック!医療保険から介護保険への切り替え

初回加算は、医療保険から介護保険へ切り替わった場合には算定できません。特に以下のようなケースでは誤って算定しやすいため注意が必要です。

例)
①もともと介護保険で訪問看護を利用
②状態悪化により特別訪問看護指示書が発行され、医療保険での訪問看護へ切り替え
③指示書に記載された期間が満了し、介護保険で訪問看護を再開

このようなケースでは、②の医療保険への切り替え時も、③の再度介護保険へ戻った際も、いずれも初回加算は算定できません。利用者の状態変化によって初回加算の算定が可能になるのは、要支援から要介護へ区分変更された場合のみです。保険種別の切り替えでは算定できないため、注意が必要です。

おすすめツールiBowで正しく初回加算を算定しよう

訪問看護では、初回加算をはじめとする各種加算や制度の見極めが難しく、レセプト作成時に悩む場面も少なくありません。そんな現場の不安や疑問に応えるのが、訪問看護専用電子カルテiBowのカスタマーサポートです。システム面だけでなく、加算の算定要件や制度の細かな運用についても、訪問看護に精通したスタッフがしっかりサポートしてくれます。

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まとめ

初回加算の算定は、利用者の状態や訪問履歴、認定区分の変更タイミングなど、さまざまな要素を丁寧に確認する必要があります。2024年の介護報酬改定で新たに区分が設けられたことで、より柔軟な対応が求められる一方、運営指導での指摘を受けやすい項目でもあります。加算要件の確認を怠らず、訪問看護計画書の作成日や前回利用日との関係、保険種別の切り替え有無などをしっかりと把握しておくことが大切です。本記事でご紹介したQ&Aや具体例も参考に、正しく初回加算を算定していきましょう。

> お役立ち情報の請求(加算・制度)についての記事を見る

 

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