ターミナルケア加算とは?わかりやすく解説!(2021年度介護報酬改定対応)

ターミナルケア加算とは?わかりやすく解説!(2021年度介護報酬改定対応)

ターミナルケア加算とは、終末期の利用者に対してターミナルケアの実施を評価する加算です。厚生労働省が定める基準に適し、ターミナルケアを行う体制が整えられた訪問看護事業所が対象となっています。どのような算定要件があるか把握することは適切な請求を行う上では重要です。

ここでは、ターミナルケア加算の算定要件や算定額、加算の留意点などを詳しく紹介します。

目次

ターミナルケア加算とは?

ターミナルケアとは、終末期ケアのことです。訪問看護を利用されている方の尊厳を維持し、その人らしい過ごし方で人生の最期を迎えられるよう療養上の支援を行います。ターミナルケア加算は、介護保険の利用者に対し、ターミナルケアを行う体制が整っている訪問看護事業所がケアを実施することで評価されます。介護予防訪問看護(利用者が要支援者)の場合は、ターミナルケア加算の対象外となりますのでご注意ください。

ターミナルケア加算の算定要件と算定額

ターミナルケア加算を算定するためには、厚生労働省が定める基準に適合している訪問看護事業所であることが必須です。

在宅で最後を迎えた利用者に対して、「死亡日および死亡日前14日以内に2日(特定の利用者については1日)以上」要介護者に対してターミナルケアを行った場合、当該者の死亡月に2,000単位が加算されます。ターミナルケアを実施中またはケアを行った後、医療機関や在宅以外で24時間以内に死亡が確認された場合でも同様です。特定の利用者は、14日以内に2日以上の訪問でターミナルケア加算の算定が可能となります。

ターミナルケア加算について、厚生労働大臣が定める基準は次の表のようになっています。

  1.  ターミナルケアを受ける利用者について24時間連絡が取れる体制を確保しており、かつ、必要に応じて訪問看護を行うことができる体制を整備していること
  2.  主治医との連携の下に、訪問看護におけるターミナルケアに係る計画および支援体制について利用者および家族等に対して説明を行い、同意を得てターミナルケアを行っていること
  3. 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、利用者本人及びその家族等と話し合い、利用者本人の意思決定を基本に、他の医療および介護関係者との連携の上、対応すること
  4.  ターミナルケアの提供について、利用者の身体状況の変化など必要な事項が適切に記録されること

 

このように、ターミナルケアの実施については、厚生労働省の定めている「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の内容を考慮し、利用者本人の意思を重んじたケアを行うことが大切です。このガイドラインは、人生の最終段階を迎えた患者や家族と、医師をはじめとする医療従事者が、患者さんにとって最善の医療とケアを作り上げるためのプロセスを示すガイドラインです。

また、「ターミナルケアの実施にあたっては他の医療および介護関係者と十分な連携を図るよう努めること」も算定要件であり、ターミナルケアの実施にあたっては他の医療及び介護関係者と十分な連携を図ることが必要です。そのため、サービス担当者会議等で他職種と十分に情報共有を行ったり、日々の訪問看護記録から必要な情報をすぐに取り出せるよう、日頃管理・把握しておくことが重要です。

ターミナルケア加算の単位数

訪問看護事業所における、ターミナルケア加算の単位数は次のとおりです。

算定月 単位数
利用者の死亡月 2,000単位/月

 

ターミナルケア加算の留意点

ターミナルケア加算において、算定する上で考慮するべき留意点がいくつかあります。次のとおりです。

  • 死亡した利用者の「死亡月」に算定します。(最後にターミナルケアを行った日と、死亡月が異なる場合でも死亡月に算定できます)
  • 1人の利用者につき、1事業所等だけターミナルケア加算等を算定できます。
  • 算定は1回のみです。死亡日及び死亡前14日以内に2日以上訪問した場合、同様に最後の訪問日にターミナルケア算定を行います。
  • 特別訪問看護指示書で医療保険を利用し、期間終了後に介護保険に切り替わりターミナルケアを行うケースもあるでしょう。例えば、介護保険にて訪問した後に1日で亡くなった場合、医療保険と介護保険の両方の訪問を行っていると考え、介護保険制度によるターミナルケア加算が適応されます。
  • ターミナルケア実施中、死亡診断を行うことを目的として医療機関に搬送され、24時間以内に死亡が確認された場合でも、ターミナルケア加算の算定は可能です。
  • 訪問看護ステーション等におけるターミナルケアを実施するにあたり、多専門職種の医療・介護従事者とケアチームを構成し、十分な連携を図ることが重要です。

 

ターミナル期において、利用者ご本人やご家族等の意思は変化しうるものです。それらの意思が、その都度伝えられるような支援チームであることは重要でしょう。そして、看取りも含めた計画や支援体制、利用者の身体状況などのアセスメント及びその経過をしっかりと記録されていることで、ターミナルケア加算の算定が可能になります。

ターミナルケア加算のQ&A

ターミナルケア加算とは?わかりやすく解説!(2021年度介護報酬改定対応)

ターミナルケア加算について、様々な疑問があるでしょう。ここでは、ターミナルケア加算について、Q&A形式で分かりやすくご紹介していきます。チェックしてみてください。

Q&A ① 

 

質問
ご利用者の死亡日前日に2回訪問をしていれば、ターミナルケア加算やターミナルケア療養費は算定できますか。

答え:ターミナルケア加算やターミナルケア療養費どちらも算定できません。介護保険のターミナルケア加算の算定要件には「死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを要介護者に対して行った場合」とされているため、死亡日前日に2回訪問しただけでは算定要件を満たしません。一方、医療保険のターミナルケア療養費の算定要件には「死亡日及び死亡日前14日以内に2回以上、訪問看護基本療養費又は精神科訪問看護基本療養費を算定した場合」とされているため、同じく死亡日前日に2回訪問しただけでは算定要件を満たしません。

 

Q&A ② 

 

質問
1日にご利用者が亡くなった場合は、ターミナルケア加算は前月か死亡月かどちらで算定しますか。

答え:ターミナルケア加算は死亡月に算定します。ターミナルケアを最後に行った月と死亡した月が異なる場合は、死亡月にターミナルケア加算を算定します。

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算定要件にも記載されているようにターミナルケアの実施にあたっては、サービス担当者会議等で他職種と十分に情報共有を行うことが大切です。さらに、サービス担当者会議等の会議録を事業所内メンバーで共有できるとより良いですね。そこで、iBowなら会議録の作成も簡単にできます!さらに、会議の内容を事業所内のメンバーに共有するのもボタン一つで完了です。

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まとめ

訪問看護ステーションにおいて、終末期の利用者に対するターミナルケアを行った場合、今回のターミナルケア加算を算定することができます。そのためには、算定要件や留意点などがあり、条件を満たしていることが重要です。しかし、数多くの加算の算定要件を把握することは難しいでしょう。iBowのカスタマーサポートでは訪問看護のあらゆることに精通したスペシャリストがそろっています。システムのことはもちろん、加算などの制度まで、皆様の疑問や不安を⼀緒に解決します。

 

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