レセプト請求を乗り切ろう!精神科訪問看護基本療養費

レセプト請求を乗り切ろう!精神科訪問看護基本療養費

精神科訪問看護は、近年需要が高くなっているサービスです。その理由は「住み慣れた地域で自分らしい生活を送れるための体制作り」という地域包括ケアの考えが広がっていることや、入院期間が短縮され地域で療養する人が増加し、生活全体をみることで看護以外の医療・福祉サービスも検討しやすくなったなど、様々な要因があります。精神科訪問看護を行うには、主治医の指示書だけでなく他にも条件があり、精神科訪問看護基本療養費は、訪問看護基本療養費と、時間や加算内容が少し異なるので請求を行う際は、注意が必要です。今回は訪問看護のレセプト請求で必要な基礎を学びたい方に向けて、精神科訪問看護を行う際の条件精神科訪問看護基本療養費、その種類についてご紹介します。精神科訪問看護基本療養費以外にもiBowお役立ち情報ではレセプト請求に役立つ、制度や加算についての記事をご紹介しています。他の記事と合わせてレセプト請求時の参考にしてください。

目次

精神科訪問看護基本療養費とは何か

精神科訪問看護基本療養費

精神科訪問看護基本療養費はうつ病やアルコール依存症等、精神疾患のある方に対して訪問看護を行った場合に支給される費用で、以下の全ての条件に当てはまる場合のみレセプト請求ができます。

・精神科の主治医による精神科訪問看護指示書があること
・「精神疾患がある方の看護について、相当の経験を有する」看護職員等が行うこと
・事前に地方厚生局長に届け出を提出すること

1人の利用者あたり、原則として、週3日までの算定が可能です。ただし、退院後3月以内であれば、週5日まで算定ができます。また、主治医が一時的に頻回の訪問が必要と判断した場合は、月1回14日間に限り、毎日算定することが認められます。

「精神疾患を有する者に対する看護について、相当の経験を有する」とは?

レセプト請求で加算の算定が認められる条件として、精神疾患を有する方の看護について、相当の経験を有する看護職員等のエキスパートが訪問することが求められます。「相当の経験を有する」とは、どのような経験を有していないとならないのでしょうか。

制度上、定められているのは以下の4種類です。

・精神科を標榜する保険医療機関において、精神病棟もしくは精神科外来で1年以上の勤務経験がある方
・精神疾患者に対する訪問看護の経験が1年以上ある方
・精神保健福祉センターまたは保健所等において精神保健に関する業務経験が1年以上ある方
・専門機関等が主催する精神保健に関する研修を修了した方

また、「看護職員等」とは、保健師、看護師、准看護師、作業療法士のことで、精神科の看護においては理学療法士と言語聴覚士は算定の対象にならないので注意しなくてはなりません。

精神科訪問看護基本療養費の類型(種類)と費用について

精神科訪問看護基本療養費Ⅰ~Ⅳの4類型がありましたが、2018年4月の改定でⅡは廃止されています。類型は訪問する場所によって異なり、費用は訪問する職種、回数、時間によって定められます。

精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)

同一建物居住者以外に対する訪問看護を行った場合に算定となります。

職員(職種) 訪問日数(回数) 提供時間 費用

看護師

保健師
作業療法士
週3日まで 30分以上 5,550円
30分未満 4,250円
週4日以上 30分以上 6,550円
30分未満 5,100円
 

准看護師

週3日まで 30分以上 5,050円
30分未満 3,870円
週4日以上 30分以上 6,050円
30分未満 4,720円

 

精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)

同一建物居住者に対する訪問看護を行った場合に算定します。同一日に2人までか3人以上かで費用が異なります。2人までは、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)と同じ設定額です。

同一日2人まで
職員(職種) 訪問日数(回数) 提供時間 費用

看護師

保健師
作業療法士
週3日まで 30分以上 5,550円
30分未満 4,250円
週4日以上 30分以上 6,550円
30分未満 5,100円
 

准看護師

週3日まで 30分以上 5,050円
30分未満 3,870円
週4日以上 30分以上 6,050円
30分未満 4,720円

 

同一日3人以上
職員(職種) 訪問日数(回数) 提供時間 費用

看護師

保健師
作業療法士
週3日まで 30分以上 2,780円
30分未満 2,130円
週4日以上 30分以上 3,280円
30分未満 2,550円
 

准看護師

週3日まで 30分以上 2,530円
30分未満 1,940円
週4日以上 30分以上 3,030円
30分未満 2,360円

 

精神科訪問看護基本療養費(Ⅳ)

精神科訪問看護基本療養費(Ⅳ)の対象者は、基準公示第2の1に定められる「特掲診察料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者」、「特掲診察料の施設基準等別表第八に掲げる者」、「その他在宅療養に備えた一時的な外泊に当たり、訪問看護が必要であると認められた者」となります。
>別表7・別表8についてはこちら

職員(職種) 費用
看護師・保健師
作業療法士・准看護師
8,500円
原則入院中1回限りですが、以下の利用者に対しては、入院中2回まで算定できます。

(1)末期の悪性腫瘍、神経難病等の利用者
(2)特別管理加算の対象者

  • 精神科訪問看護基本療養費(Ⅳ)を算定する場合は、訪問看護管理療養費は算定できません。
  • 入院期間の外泊中の訪問看護については、医療保険(要介護・要支援認定に関係なく)による訪問看護が提供可能です。

精神科の訪問看護をスムーズに実施するために

精神疾患を抱える利用者への訪問は、一般的な疾患の療養や介護が必要な高齢者等への訪問と異なり、特別な知識や状況に合わせて対応ができる経験豊富な専門家によるケアが求められます。その時々で感情の起伏や状態に大きな違いがあることも多く、担当者が専任ではない場合や交代でケアするような場合に備え、訪問の都度、スタッフ間で情報を共有することが欠かせません。もっとも、訪問看護ステーションでは病棟や福祉施設等で看護する場合と異なり、外出先であることが多く、ステーションに戻らず、次の訪問先を回ることも少なくありません。運営方法によっては、直行、直帰となる方もいる場合や深夜や早朝の呼び出しは、自宅から直接訪問するケースも多いです。つまり、従来のような紙のカルテや報告書を作成して、ステーションに提出するとなれば、時間差も生じて、非常に困難になります。瞬時に情報を共有していく上で、場所を選ばずに、いつでもどこでもカルテを作成して共有できる、インターネットと繋がった電子カルテが求められています。

訪問看護専用電子カルテ『iBow』では情報共有に便利なだけでなく、訪問看護記録における「観察項目」や「看護(処置)内容」を事業所ごとにカスタマイズすることができます。このカスタマイズ機能は精神科訪問看護にも応用可能です。

 

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訪問看護専用の電子カルテ『iBow』を使うと複雑なレセプト業務の負担を一気に解決!

レセプト請求を乗り切ろう!精神科訪問看護基本療養費

訪問看護には多くの複雑な算定方法があり、算定に関わる利用者の訪問目的や時間、内容を全て把握することは困難でしょう。しかし訪問看護専用の電子カルテ『iBow』を導入すると一気に解決できます。

iBowなら、指示書を登録することで訪問看護基本療養費と訪問看護精神科基本療養費を分けて算出します。その他、訪問看護記録書Ⅱを作成することで、自動的にレセプト情報として訪問実績が反映されるため、「記録書と実績の突合」「予実管理」「指示書確認」「保険書確認」の業務がなくなり、いままで月初に集中して行われていた情報収集作業や、何度も行う多重の確認業務を大きく削減することができます。

 

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また、iBowのカスタマーサポートは訪問看護のあらゆることに精通したスペシャリストがそろっています。システムのことはもちろん、加算などの制度まで、皆様の疑問や不安を⼀緒に解決します。

 

 

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まとめ

今回は、精神科訪問看護基本療養費について解説しました。精神科訪問看護基本療養費は、訪問看護基本療養費と、時間や加算内容が少し異なるのでレセプト業務の際は注意が必要です。

iBowなら、訪問看護記録書Ⅱを日々正しく記録するだけで、自動的にレセプト情報として反映されるため、月初に何度も行う多重の確認に係る時間が短縮ができます。また、日々の記録がレセプトだけでなく各帳票と連動しているので、転記の必要がありません。そのため、レセプトに関わるスタッフだけでなく、看護師スタッフも業務負担を軽減できるので、その結果、訪問看護業務に専念でき、より良い看護を提供できるようになります。訪問看護ステーションの業務負担を軽減したい方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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レセプト請求を乗り切ろう!制度・加算シリーズ 

訪問看護は医療保険と介護保険の知識が必要ですが、その両方を理解するのは難しいですよね。制度が複雑なため、毎月のレセプト業務に頭を抱えている現場のスタッフも多いのではないのでしょうか。iBowお役立ち情報では訪問看護で役立つ、制度や加算についてご紹介しています。加算や制度に困ったときはこちらの記事もおすすめです。ぜひ、合わせて読んでみてください!

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